皆さんは「漫画」と「コミック」という言葉を普段どのように使い分けていますか?本屋さんでは「コミック」コーナーがあり、子どもたちは「漫画」を読んでいる…そんな光景を見ると、この2つの言葉の違いが気になりませんか?
実は、「漫画」と「コミック」は基本的に同じものを指していますが、語源や使われ方には微妙な違いがあります。今日は、多くの人が曖昧なまま使っているこの2つの言葉の違いを、分かりやすく解説していきます。
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漫画とコミックの基本的な違い
漫画とは?意味と特徴
「漫画」という言葉は、随筆を意味する漢語「漫筆」が「漫筆画」を経て「漫画」になったとする説と、「漫画(まんかく)」という名のヘラサギに由来するとの説があります。
漫画という言葉は、「気の向くままそぞろに」という意味の漢字「漫」と、「描くこと」を意味する漢字「画」を組み合わせたものです。
実際の辞書では、単純・軽妙な筆致で描かれた、こっけい・誇張・風刺・ナンセンスなどを主とする絵と定義されています。
コミックとは?意味と特徴
一方、「コミック」は英語の「comic」から来ている言葉です。明治時代になると、今泉一瓢が”caricature”や”cartoon”の訳語として「漫画」を用いた。北澤楽天は”comic”の訳語として「漫画」を使用し、以降はこの意味が「漫画」のもっとも一般的な用法として定着したとされています。
つまり、「コミック」は元々英語で、それを日本語に訳したものが「漫画」なのです。
実際の使い分け方と例文
日常生活での使い分け
私自身も子どもの頃から「漫画」と「コミック」の使い分けに迷うことがありました。本屋さんで働いていた友人に聞いたところ、「基本的に同じものを指すから、どちらを使っても間違いじゃない」とのことでした。
しかし、実際の使い分けには以下のような傾向があります:
「漫画」を使う場面:
- 「漫画を読む」
- 「漫画家になりたい」
- 「日本の漫画文化」
- 「漫画雑誌」
「コミック」を使う場面:
- 「コミックコーナー」
- 「電子コミック」
- 「コミックスタンド」
- 「ウェブコミック」
世代による使い分けの違い
面白いことに、世代によっても使い分けが異なります。年配の方は「漫画」を使うことが多く、若い世代は「コミック」を使う傾向があります。これは、カタカナ表記の外来語が定着してきた時代背景と関係があるでしょう。
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海外での認識の違い
世界に広がる「Manga」
「漫画」を英語で使う際に、最も一般的に使われるのが「manga」です。この言葉は日本の漫画を指し、特有のスタイルや形式を持つ作品群を指します。
Japanese mangaという言い方をしますが、これはcomic booksとどう違うのでしょう?アメリカ人にきいてみると、comic booksは、アメリカにもある典型的なコミックスのことで、たとえば、バットマンやスパイダーマンといった、私たちが知っているアメリカンコミックを指すことが多いです。
表現スタイルの違い
コミックは一般的にリアリズムを重視し、人物や背景を詳細に描写する傾向があります。一方、漫画はより誇張された表現を用い、大きな目や誇張された表情などが特徴的です。
この違いは、読者の感情移入や物語の没入感に大きく影響します。
書店や出版業界での使い分け
商業的な観点から
書店で「コミック」という表示をよく見かけるのは、商業的な理由もあります。「コミック」の方が現代的で親しみやすい印象を与えるため、特に電子書籍の分野では「電子コミック」という表現が一般的です。
出版社の使い分け
出版社によっても使い分けが異なります。伝統的な出版社は「漫画」を、デジタル系の新しい出版社は「コミック」を使う傾向があります。
年代別の使い分け傾向
昭和・平成・令和での変化
- 昭和時代: 「漫画」が主流
- 平成時代: 「コミック」が浸透
- 令和時代: 両方が併用、デジタル分野では「コミック」が優勢
私の母親世代(60代)は今でも「漫画」と呼ぶことが多く、私自身(30代)は場面によって使い分けています。
関連する言葉との違い
アニメとの関係
アニメとはアニメーションの略で微妙に違う形や絵を1枚ずつ撮影するか、描くかして、連続して流すことによって、動いているように見せている動画のことです。
つまり、「漫画」や「コミック」は静止画の連続で物語を表現するのに対し、「アニメ」は動画で表現します。
劇画との違い
「劇画」は「漫画」の一種ですが、より大人向けでリアルな表現を特徴とします。1960年代に生まれた表現形式で、従来の漫画とは一線を画した作品群を指します。
よくある質問
Q1:「漫画」と「コミック」はどちらが正しい日本語ですか?
どちらも正しい日本語です。「漫画」は日本で生まれた言葉で、「コミック」は英語の「comic」から来た外来語です。現在では、どちらを使っても問題ありません。
Q2:子どもには「漫画」と「コミック」どちらで教えるべきですか?
基本的にはどちらでも構いませんが、日本の文化的背景を理解してもらうためには「漫画」を使うのがおすすめです。ただし、書店やデジタル分野では「コミック」が一般的なので、両方知っておくと良いでしょう。
Q3:海外の友人に説明する時はどちらを使えばいいですか?
海外の友人には「manga」と「comic」の違いを説明するのが一番分かりやすいでしょう。日本の作品は「manga」、アメリカやヨーロッパの作品は「comic」と使い分けることが多いです。
Q4:業界で働く場合、どちらを使うべきですか?
業界や会社によって異なりますが、伝統的な出版社では「漫画」、デジタル系の企業では「コミック」を使うことが多いです。入社時に確認するのがベストです。
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「漫画」と「コミック」の違いについて詳しく見てきました。
重要なポイント:
- 基本的には同じものを指す
- 「漫画」は日本発祥の言葉、「コミック」は英語由来
- 世代や業界によって使い分けの傾向が異なる
- 海外では「manga」として日本の作品が区別されている
どちらを使っても間違いではありませんが、場面や相手に応じて使い分けることで、より適切なコミュニケーションができるでしょう。今後「漫画」と「コミック」という言葉を聞いた時は、この違いを思い出してみてくださいね。