今回は日本の国技である相撲と、モンゴルの伝統競技であるモンゴル相撲(ブフ)の違いについて詳しく解説します。
両者は似ているようで実は大きく異なる点があります。この記事を読めば、両競技の特徴や魅力を深く理解できるでしょう。
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相撲とモンゴル相撲の基本
相撲とモンゴル相撲は、どちらも力士同士が組み合って勝敗を決める競技です。しかし、その詳細には大きな違いがあります。
相撲の基本ルール
- 土俵の中で行われる
- まわしを着用
- 相手を倒すか土俵外に出すと勝ち
モンゴル相撲(ブフ)の基本ルール
- 土俵がなく、観客の輪の中で行われる
- 伝統的な衣装を着用
- 相手の体の一部を地面につけさせると勝ち
モンゴル相撲の種類
モンゴル相撲には主に2つの流派があります。
ウジュムチン・ブフ
- 内モンゴル自治区で主に行われる
- 入場時に鹿の真似をする
- 足の裏以外が地面につくと負け
ハルハ・ブフ
- モンゴル国で主に行われる
- 入場時に鷹の真似をする
- 肘、膝、頭、背中、尻が地面につくと負け
相撲とモンゴル相撲の歴史
両競技とも長い歴史を持っていますが、起源の古さではモンゴル相撲が勝ります。
相撲の歴史
- 古事記(712年)や日本書紀(720年)に記述がある
- 約1300年の歴史
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モンゴル相撲の歴史
- 新石器時代の洞窟壁画に描かれている
- 約9000年前から存在したとされる
競技場の違い
競技場の違いは、両競技の最も顕著な違いの一つです。
相撲の土俵
- 円形の土俵
- 直径4.55メートル
- 土俵から出ると負け
モンゴル相撲の競技場
- 土俵がない
- 観客が作る輪の中で行われる
- 広大な範囲で競技可能
衣装の違い
衣装の違いは、両競技の文化的背景を反映しています。
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相撲の衣装
- まわしのみ
- 体格や技の掛け方が一目瞭然
モンゴル相撲の衣装
- 伝統的な衣装を着用
- ジャンガー(首飾り)、ゾドク(ベスト)、ショーダク(パンツ)など
- 小さめのベストは女性参加を防ぐため
技の違い
技の種類や勝敗の決め方にも大きな違いがあります。
相撲の技
- 押し、突き、投げなどの基本技
- まわしを掴んで技を掛ける
モンゴル相撲の技
- 400以上の技があるとされる
- 衣装のさまざまな部分を掴んで技を掛ける
- ハルハ・ブフでは足の裏を掴む技も可能
番付システムの違い
力士の序列を決める番付システムにも違いがあります。
相撲の番付
- 年6回の本場所の成績で決定
- 横綱、大関、関脇、小結、前頭などの階級がある
モンゴル相撲の番付
- 夏のナーダム(祭り)の結果で決定
- ナチン(隼)、ハルツァガ(大鷹)、ザーン(象)などの称号がある
社会的地位と影響力
両競技とも、トップレベルの選手は高い社会的地位を得ます。
相撲力士の社会的地位
- 横綱は「国民的英雄」として扱われる
- 引退後も相撲協会や芸能界で活躍する力士も多い
モンゴル相撲力士の社会的地位
- トップレベルの力士は非常に尊敬される
- 政界に進出する力士もいる(例:ドルゴルスレン・スミヤバザル氏)
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国際化の進展
グローバル化の影響は両競技にも及んでいます。
相撲の国際化
- モンゴル出身力士の活躍が目立つ
- 外国人力士の割合が増加傾向
モンゴル相撲の国際化
- モンゴル国外でも大会が開催されるようになった
- 観光客向けのイベントとしても人気
両競技の魅力と今後の展望
相撲とモンゴル相撲は、それぞれ独自の魅力を持つ伝統競技です。
相撲の魅力と展望
- 厳格な礼儀作法と激しい競技の融合
- 国際化による新たな展開が期待される
モンゴル相撲の魅力と展望
- 遊牧民の文化を色濃く反映した競技性
- 国際的な認知度向上が課題
まとめ
相撲とモンゴル相撲は、一見似ているようで実は多くの違いがある競技です。
土俵の有無、衣装、技の種類、番付システムなど、様々な面で独自の特徴を持っています。しかし、両競技とも力士の技と力を競い合う点では共通しており、それぞれの文化に根ざした魅力的な競技であることは間違いありません。
今後も両競技がさらに発展し、ファンを魅了し続けることを期待しましょう。