子育て中のママなら一度は聞いたことがある「ノロウイルス」と「ロタウイルス」。どちらも胃腸炎を引き起こすウイルスですが、実は症状や流行時期、感染しやすい年齢などに大きな違いがあります。
私も子育てをしていて、上の子が保育園からもらってきた胃腸炎がきっかけで、家族全員がダウンした経験があります。その時は「何のウイルスだろう?」「どう対処すればいいの?」と不安でいっぱいでした。
この記事では、ノロウイルスとロタウイルスの違いを症状、感染時期、対処法などの観点から詳しく解説します。正しい知識を身につけて、家族の健康を守りましょう。
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ノロウイルスとは?基本的な特徴を知ろう
ノロウイルスは、感染性胃腸炎の中で大人が感染することが多いウイルスとして知られており、非常に感染力が強く、病院でも注意が必要な感染症の1つです。
ノロウイルスの主な特徴は以下の通りです:
- 感染力が非常に強い:わずかなウイルス量でも感染してしまいます
- 年間を通して発生:特に秋から春にかけて流行します
- 大人も子供も感染:年齢を問わず感染する可能性があります
- 食中毒の原因:カキなどの二枚貝を介した感染もあります
ノロウイルスの特徴的な症状は、他のウイルスと比べて嘔吐症状が特に強く出ることです。実際に我が家でも、子供がノロウイルスに感染した際は、突然の激しい嘔吐から症状が始まりました。
ロタウイルスとは?乳幼児に多い胃腸炎の原因
ロタウイルスは、5歳未満の乳幼児に限定すると、実は最もよく感染するウイルスで、就学前の子どもの約半数が、ロタウイルス感染症で小児科を受診するといわれています。
ロタウイルスの主な特徴は以下の通りです:
- 乳幼児に多い:特に生後6ヶ月から2歳にかけて感染しやすい
- 重症化しやすい:脱水症状による入院が必要になることがある
- 白色の下痢便:米のとぎ汁のような特徴的な便が出る
- ワクチン接種可能:予防ワクチンがあります
ほぼすべての子どもが、5歳までにロタウイルスへの感染を経験するとされており、初めて感染したときの症状が最も強く、2回目以降では感染を重ねる度に、症状が軽くなる傾向があります。
症状の違いを詳しく比較
ノロウイルスの症状
ノロウイルスによる胃腸炎では、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児ではおう吐、成人では下痢が多く、有症期間は平均24~48時間です。
具体的な症状:
- 突然始まる激しい嘔吐
- 水様性の下痢
- 軽度の発熱(37~38℃程度)
- 腹痛
- 症状は1~2日で回復することが多い
ロタウイルスの症状
ロタウイルスによる胃腸炎では、おう吐、下痢、発熱がみられ、乳児ではけいれんを起こすこともあり、有症期間は平均5~6日です。
具体的な症状:
- 嘔吐から始まる症状
- 特徴的な白色~クリーム色の下痢便
- 酸っぱい臭いの便
- 発熱(38℃以上になることも)
- 症状が5~6日続くことが多い
- 脱水症状を起こしやすい
実際に下の子がロタウイルスに感染した時は、便の色が明らかに違っていて、「これがロタウイルスの特徴的な便なんだ」と実感しました。
この時期の気圧上昇はシベリア高気圧の影響によるものがほとんどです❄️北からキンキンに冷たく乾燥した大気が流れ込んでくるのでインフルエンザやRSウイルスなどの呼吸器感染症・ノロウイルスやロタウイルスによる胃腸炎などが流行しやすくなります🤒無理せず体力保持することが冬の大切な心がけです☃️ pic.twitter.com/iCIZc0LlEE
— ましもん(気圧⇔自律神経⇔ココロとカラダ・漢方相談/薬剤師) (@shinsei_kaede) December 15, 2024
流行時期と感染経路の違い
流行時期の違い
ノロウイルス:
- 秋季から春季にかけて流行
- 11月から1月がピーク
ロタウイルス:
- 例年1月頃から発症者が増え始め、流行のピークは3月~5月
- 冬の終わりから春先に多発
感染経路の特徴
どちらも糞口(経口)感染、接触感染、飛沫感染します。しかし、感染の特徴には違いがあります:
ノロウイルス:
- 氷、二枚貝(カキが有名)、サラダ、パンなどの食品を介しての感染、集団食中毒例も頻発します
- 吐物からの空気感染も起こりやすい
ロタウイルス:
- 感染者の下痢便1グラムの中には1000億から1兆個のロタウイルスが含まれており、便に含まれるウイルスの量が多いことで知られているノロウイルスと比べても、その100万倍ものウイルス量です
- 主に便からの感染が中心
潜伏期間と感染期間の違い
潜伏期間
潜伏期間はロタは1-3日、ノロは12-48時間と、ロタウイルスの方がやや長い傾向があります。
感染力の持続
ロタウイルスは感染してから発症するまでの潜伏期間は2~4日間と、ノロウイルスよりもやや長いため、感染したことに気付かない間に二次感染を広げてしまう可能性が高いとされています。
検査方法と診断の違い
通常は症状から診断されますが、検査診断は、迅速診断キットを用いた抗原検査や、病原体の検出によります。
ロタウイルス:
- 便で迅速検査ができます
- 比較的診断しやすい
ノロウイルス:
- 迅速検査キットはあるが、保険適用は限定的
- 症状や流行状況から臨床診断されることが多い
実際に医療機関を受診した際、ロタウイルスの検査は便を持参するだけで簡単にできたのが印象的でした。
治療法と対処法
基本的な治療方針
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。有効な抗ウイルス剤がないのも同じです。
家庭での対処法
共通の対処法:
- 脱水予防のための水分補給
- 消化の良い食事
- 十分な休息
- 手洗い・消毒の徹底
特に注意すべきポイント:
ノロウイルス:
- 嘔吐が激しいため、少量ずつ頻繁な水分補給
- 吐物の適切な処理と消毒
ロタウイルス:
- 長引く下痢による脱水に注意
- 乳幼児の場合は特に医療機関での経過観察
我が家では、経口補水液を常備して、少量ずつスプーンで飲ませることで脱水を防ぎました。
予防方法の違い
ワクチン接種
ロタウイルス:
- ロタウイルスへの感染を予防するワクチンは、日本では2011年から使用可能
- 生後6週から接種開始
ノロウイルス:
- 現在、有効なワクチンはありません
日常の予防策
共通の予防法:
- 手洗い・うがいの徹底
- 調理器具の消毒
- 感染者の排泄物や吐物の適切な処理
特別な注意点:
- ノロウイルス:カキなどの二枚貝は十分加熱
- ロタウイルス:乳幼児の便の処理は特に注意
ロタウイルスにしては、高熱が長く続いている為、総合病院への受診を勧められ
— usako (@usako921823071) August 2, 2025
朝から行ってきました。
採血で色々調べた結果、全て異常なし。
高熱は、ロタウイルスの影響でしょう、との事。
この5日間、ほとんど食事摂れてないので、点滴して帰りました。
ホッとしたけど、めちゃ疲れた。
年齢別の感染リスクと対策
乳幼児(0~2歳)
ロタウイルスが主な心配:
- 重症化のリスクが高い
- ワクチン接種を検討
- 脱水症状に特に注意
幼児~学童期(3~12歳)
両方のウイルスに注意:
- 保育園や学校での集団感染に警戒
- 手洗いの習慣づけ
成人
ノロウイルスがより一般的:
- 職場での感染予防
- 調理時の衛生管理
私自身、子供からもらった胃腸炎で仕事を休んだ経験があり、家族内感染の予防がいかに大切かを痛感しました。
よくある質問
Q1. ノロウイルスとロタウイルスを症状だけで見分けることはできますか?
症状だけで完全に見分けることは難しいですが、いくつかのヒントがあります。ロタウイルスでは米のとぎ汁のような白色下痢便が最大の特徴です。また、流行時期(ノロは秋~冬、ロタは冬~春)や年齢(ロタは乳幼児に多い)も判断材料になります。確実な診断には医療機関での検査が必要です。
Q2. 両方のウイルスに同時に感染することはありますか?
同時感染は理論的には可能ですが、実際には稀です。一方のウイルス感染で免疫系が活性化されるため、もう一方の感染リスクは一時的に下がると考えられています。
Q3. 一度感染したら二度とかからないのでしょうか?
ロタウイルス:初めて感染したときの症状が最も強く、2回目以降では感染を重ねる度に、症状が軽くなる傾向があります ノロウイルス:型が複数あるため、異なる型に何度も感染する可能性があります。
Q4. 家族が感染した場合、どのような対策を取るべきですか?
感染者の便や吐物の処理時は手袋とマスクを着用し、塩素系漂白剤で消毒します。タオルや食器は共用せず、手洗いを徹底します。感染者は症状が治まってからも1週間程度はウイルスを排出する可能性があるため、注意が必要です。
Q5. 保育園や学校はいつから登園・登校できますか?
明確な出席停止期間の規定はありませんが、嘔吐・下痢などの症状が治まり、普段の食事がとれるようになってから24時間経過後が一般的な目安です。ただし、施設ごとに規定が異なるため、事前に確認しましょう。
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ノロウイルスとロタウイルスは、どちらも胃腸炎を引き起こすウイルスですが、以下のような重要な違いがあります:
感染しやすい年齢:ノロウイルスは全年齢、ロタウイルスは主に乳幼児
流行時期:ノロウイルスは秋~冬、ロタウイルスは冬~春
特徴的な症状:ノロウイルスは激しい嘔吐、ロタウイルスは白色の下痢便
症状の持続期間:ノロウイルスは1~2日、ロタウイルスは5~6日
予防方法:ロタウイルスにはワクチンがある、ノロウイルスにはワクチンなし
正しい知識を持って、適切な予防と対処を行うことで、家族の健康を守ることができます。症状が重い場合や心配な時は、遠慮なく医療機関を受診しましょう。特に乳幼児の場合は、脱水症状に注意が必要です。
子育て中は様々な感染症と向き合うことになりますが、正しい情報を身につけて、冷静に対処していきたいですね。