「夢も希望もない」なんて言葉をよく耳にしますよね。この2つの言葉、普段は何気なく一緒に使っていますが、実はそれぞれ違った意味があるんです。
私も子供たちから「お母さんの夢って何？」と聞かれたとき、「希望」との違いをうまく説明できなくて困った経験があります。同じように見えて、実は使い分けがあるこの2つの言葉。今日は、その違いを分かりやすく説明していきますね。
この記事を読めば、「夢」と「希望」の使い分けがバッチリ分かるようになりますよ。
「夢」とは
「夢」という言葉には、実はいくつかの意味があります。まず一つ目は、私たちが寝ているときに見る心の中の映像のこと。「昨日、変な夢を見た」なんて使い方をしますよね。
でも、今回お話ししたいのは、もう一つの意味の方。それは、将来実現させたいと思っている大きな目標や願いのことです。「プロ野球選手になるのが夢だ」「世界中を旅するのが夢だ」といった使い方をします。
この「夢」という言葉には、大切な特徴があります。それは、実現するまでに時間がかかったり、叶えるのがとても難しかったりすることが多いということ。だからこそ、達成できたときの喜びも大きいんですね。
実は英語の「dream」という言葉が日本に入ってきたことで、広い意味での願望を「夢」と呼ぶようになったんです。昔の日本語では、寝ているときに見るものだけを「夢」と呼んでいたんですよ。
また、「夢」には「儚いこと」「頼りにならないこと」という意味も含まれています。「そんな夢みたいなこと言わないで」なんて表現を聞いたことがありませんか。これは、現実離れしていて実現が難しいという意味で使われているんです。
「希望」とは
「希望」は、望ましい結果が手に入るようにと期待を持って願うことを意味します。また、その願いそのものを指すこともありますね。「第一志望の高校に入学したい」「来月のテストで良い点を取りたい」といった、比較的近い未来の願いに使われることが多いです。
「希望」という言葉のポイントは、実現の可能性が比較的高いということ。そして、達成までの期間も「夢」と比べると短めであることが多いんです。
例えば、「進学を希望する」「希望退職」といった表現を見ると分かりますが、現実的で具体的な願いに使われることが多いですよね。将来に対して明るい見通しを持っているときにも使います。「希望に燃える」「希望を持ち続ける」なんて言い方もしますね。
また、ビジネスシーンなどでは「ご希望の品」「ご希望に添えず申し訳ございません」のように、相手の望みを丁寧に表現する言葉としても使われます。この場合、相手の願いがどんなに実現が難しいものであっても、「夢」ではなく「希望」を使うのがマナーなんです。
「夢」と「希望」の違いを比較
では、「夢」と「希望」の違いをもっと具体的に見ていきましょう。
一番大きな違いは、実現の可能性の高さです。「夢」は、叶えるのが難しく、可能性も低めのことに使います。一方、「希望」は、努力すれば実現できそうな、比較的可能性が高いことに使うんです。
次に、達成までの期間の長さも違います。「夢」は、実現するまでに長い時間がかかることが多いです。例えば、小学生が「医者になるのが夢だ」と言うと、それが叶うまでには10年以上かかりますよね。でも「希望」は、もっと短い期間で叶えられるものに使います。「来週の旅行が楽しみ」という感じで、数週間から数ヶ月先のことに使うことが多いですね。
具体性の違いもあります。「夢」は、「幸せになりたい」「世界平和」といった、漠然とした大きな目標に使われることがあります。一方、「希望」は、「○○大学に入りたい」「△△の会社に就職したい」のように、より具体的な願いに使われることが多いんです。
私の体験談をお話しすると、子供が幼いころ「大きくなったらケーキ屋さんになるのが夢」と言っていました。でも中学生になった今は、「高校は○○高校に行きたい」と希望を話すようになったんです。成長とともに、「夢」から「希望」へと、より現実的な目標を持つようになったんですね。
「夢」と「希望」の使い分け方
実際の使い分けについて、もっと詳しく見ていきましょう。
「夢」を使うのは、こんな場合です。プロスポーツ選手、芸能人、宇宙飛行士など、なれる人が限られている職業を目指すとき。「オリンピックに出場するのが夢だ」「億万長者になるのが夢だ」のように、達成が難しいことを表現するときですね。
また、「夢のような話」「夢みたいな出来事」のように、現実離れしていることを表すときにも使います。
一方、「希望」を使うのは、もっと現実的な場面です。進学先や就職先を選ぶとき、「○○大学への進学を希望します」のように使います。お店で注文するときも、「こちらの商品を希望します」と言いますよね。
相手の願いを尋ねたり、謝罪したりするときにも「希望」を使います。「ご希望をお聞かせください」「ご希望に添えず申し訳ございません」といった表現は、ビジネスでもよく使われます。
面白い例を挙げると、小学生が「メジャーリーガーになるのが夢だ」と言うのは自然ですが、「メジャーリーガーになるのが希望だ」と言うと違和感がありますよね。でも、すでにプロ野球の一流選手が「メジャーに挑戦するのが希望だ」と言うなら、それは自然に聞こえます。これは、その人の立場によって、実現の可能性が変わるからなんです。
諦めた夢をまた追いかけるのは
— 羽乃りんの@THE ENCORE (@rinno_encore) September 3, 2023
初めてよりも 勇気がいるな、 pic.twitter.com/0YjjJ0c7zp
実際の例文で理解を深めよう
「夢」を使った例文を見てみましょう。
- 子供のころから医者になるのが夢だった
- いつか世界一周旅行をするのが私の夢です
- プロのピアニストになる夢をあきらめない
- 自分のお店を持つのが長年の夢だ
- まるで夢のような出来事だった
- 夢を持ち続けることが大切だ
次に、「希望」を使った例文です。
- 第一志望の大学への進学を希望しています
- 明日は晴れることを希望します
- 希望に満ちた新生活が始まる
- ご希望の商品を用意いたします
- 希望を失わずに頑張ろう
- ご希望に添えず申し訳ございません
このように並べてみると、「夢」の方が壮大で達成が難しいこと、「希望」の方が現実的で具体的なことに使われているのが分かりますね。
私自身の経験でいうと、若いころは「マイホームを持つのが夢」だったんです。でも、貯金をして、住宅ローンの計画を立てて、具体的な物件を探し始めたときには、「来年にはマイホームを手に入れたい」という希望に変わっていました。このように、遠い目標が具体的になってくると、「夢」から「希望」へと言葉が変わっていくんですね。
よくある質問
Q1. 「夢」と「希望」は一緒に使ってもいいの？
はい、もちろん大丈夫です。「夢も希望もない」「夢と希望を持って生きる」のように、この2つの言葉はよくセットで使われます。どちらも前向きな願いを表す言葉なので、一緒に使うことで「いろいろな願いや期待」という幅広い意味を表現できるんです。
ただし、具体的な文脈では使い分けが必要です。例えば、「プロサッカー選手になるのが夢で、まずは地域のクラブチームに入ることを希望しています」のように、大きな目標を「夢」、その第一歩を「希望」と使い分けると、より正確に気持ちが伝わります。
Q2. 子供の将来の目標は「夢」と「希望」のどちらで表現すればいい？
子供の年齢や目標の内容によって使い分けるのがおすすめです。
幼い子供が「ケーキ屋さんになりたい」「警察官になりたい」と言っている場合は、「夢」を使うのが一般的です。まだ具体的な道筋が見えていない段階だからですね。
でも、高校生が進路を考えて「看護師になりたい」と言っている場合、すでに看護学校を調べたり、必要な勉強をしたりしているなら「希望」を使うこともできます。具体的な計画があれば、「夢」よりも「希望」の方がふさわしいこともあるんです。
私の場合、子供が小さいときは「将来の夢は？」と聞いていましたが、進路を真剣に考える年齢になってからは「進路の希望は？」と聞くようにしています。成長に合わせて言葉も変えていくのがいいと思いますよ。
Q3. ビジネスシーンでは「夢」と「希望」のどちらを使うべき？
ビジネスシーンでは、状況によって使い分けが必要です。
会社の将来像や経営理念を語るときには「夢」を使うことがあります。「世界一の企業になるという夢」「社会に貢献するという夢」のように、大きなビジョンを表現するときですね。
一方、具体的な要望や依頼をするときには「希望」を使います。「こちらの条件でご検討いただけることを希望します」「ご希望の納期をお聞かせください」といった表現は、ビジネスメールでもよく使われます。
特に、お客様の要望を聞くときや、謝罪するときには必ず「希望」を使いましょう。「お客様のご夢に添えず」とは絶対に言いませんよね。この場合は「ご希望に添えず」が正しい表現です。
Q4. 「夢が叶う」と「希望が叶う」の違いは？
「夢が叶う」は、達成が難しかった大きな目標を実現したときに使います。「プロ野球選手になる夢が叶った」「念願の留学という夢が叶った」のように、長年の目標を達成した喜びを表現するときに使われます。
「希望が叶う」も使えますが、どちらかというと日常的な願いが叶ったときに使うことが多いです。「第一希望の会社に就職できた」「希望通りの配属先になった」といった使い方ですね。
宝くじに「ドリーム」という言葉が使われるのも、当選の可能性がとても低いからなんです。もし「ホープ宝くじ」だったら、なんだか当たりそうな気がしてきませんか。でも実際は、可能性が低いから「ドリーム」なんですね。
「夢」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック！まとめ
「夢」と「希望」の違いについて、詳しく見てきました。
「夢」は、実現が難しく時間もかかる大きな目標のこと。プロスポーツ選手や芸能人になりたい、世界一周旅行をしたいなど、叶えるのが難しいことに使います。漠然としていて、現実離れしている願いにも使われます。
「希望」は、実現の可能性が比較的高く、短期間で叶えられる願いのこと。進学先や就職先を選ぶとき、お店で商品を注文するときなど、具体的で現実的な願いに使います。
この2つの言葉の違いを理解すると、相手に自分の気持ちをより正確に伝えられるようになります。大きな目標を語るときは「夢」、具体的な要望を伝えるときは「希望」と使い分けてみてくださいね。
私自身、子供たちの成長を見ながら、この2つの言葉の違いを実感しています。幼いころは「夢」だったことが、成長とともに「希望」になり、そして現実になっていく。そんな過程を見守るのも、親としての楽しみの一つです。
皆さんも、自分の「夢」と「希望」について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。きっと、新しい気づきがあると思いますよ。
