「でんき」と読む漢字には「電気」「電機」「電器」の3種類がありますよね。会社名や商品名で見かけることも多いけれど、どれを使えばいいのか迷ってしまうことはありませんか?
実は私も、子供に「ママ、どうして電気屋さんって『電器』って書いてあるの?」と聞かれたとき、うまく答えられなくて困ったことがあります。そこで今回は、この3つの「でんき」の違いをしっかり調べて、誰にでもわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、それぞれの意味や使い分け方がスッキリ理解できて、正しく使えるようになりますよ。
「電気」とは
「電気」は、3つの中で最も基本的で広い意味を持つ言葉です。
電気とは、電子の流れや電気エネルギーそのもの、または電気による現象全般を指します。私たちの生活に欠かせないエネルギーの一つで、照明、冷暖房、スマートフォンの充電など、あらゆる場面で使われています。
理科の授業で習う「電気が流れる」「電気を通す」といった表現も、この「電気」を使います。電力会社から家庭に供給されるものも「電気」ですし、雷のような自然現象も「電気」の一種です。
例文をいくつか見てみましょう。
- 今月の電気代が高くなってしまった
- この部屋の電気をつけてください
- 電気が止まって困った
- 静電気でバチッとなった
- 電気自動車に乗り換えた
このように、エネルギーそのものや現象を表すときは「電気」を使うのが正解です。
「電機」とは
電機メーカーの技術職はエンジニアじゃなくてなにかそういう生き物なんだよね
— Nina Rumor (@Anonymous_Rumor) December 17, 2025
システムやコーディングに強かった一部個体がエンジニアになるだけ。ヤマメみたいなもん
「電機」は、電気機械や電気機器のことを指す言葉です。
もう少しわかりやすく言うと、電気を使って動く機械や装置のことです。発電機やモーター、変圧器、産業用の大型機械などが「電機」に含まれます。特に、工業製品や重電機器を扱う業界でよく使われる専門的な表現です。
実際に、大手メーカーの社名を見てみると、三菱電機、日立製作所(旧日立電機)、富士電機など、「電機」を使った会社名が多いことに気づきます。これらの会社は、産業用の電気機器や重電機器を製造している企業なんです。
友人の夫が電機メーカーで働いているのですが、家では「電気をつけて」と言うのに、会社では「電機製品の開発」という言葉を使うと聞いて、なるほどと思いました。
例文を見てみましょう。
- 電機メーカーに就職が決まった
- 重電機産業の動向を調べる
- 電機部品の製造を担当している
- 日本の電機産業は世界的に有名だ
- 電機工学を専攻している
このように、電気を使う機械や産業分野を表すときは「電機」を使います。
「電器」とは
島の電器屋 pic.twitter.com/MMRkFKDX8q
— 終末収集 (@syumatsusyusyu) December 2, 2025
「電器」は、家庭用の電気製品や電化製品を指す言葉です。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、掃除機など、私たちの生活で使う家電製品のことを「電器」と呼びます。「電機」が産業用の機械を指すのに対して、「電器」は家庭向けの製品という違いがあります。
街で見かける「〇〇電器」という店名も、この「電器」を使っています。ヤマダデンキ(山田電機から社名変更)やエディオン(旧デオデオ電器)など、家電量販店の名前によく使われているのを見かけますよね。
ちなみに、私がよく行く家電量販店の看板を見たら「電器店」と書いてありました。家庭で使う製品を扱うお店だから「電器」なんだと、実際に確認してスッキリしました。
例文をいくつか挙げます。
- 電器店で新しい冷蔵庫を買った
- 電器製品の修理を依頼する
- 松下電器産業(現パナソニック)の製品
- 電器屋さんでセールをやっている
- 小型電器を収納する場所がない
このように、家庭用の電化製品を表すときは「電器」を使うのが適切です。
3つの「でんき」の違いを整理しよう
ここまで3つの「でんき」を見てきましたが、違いをもう一度整理してみましょう。
「電気」は最も範囲が広く、電気エネルギーそのものや電気現象全般を指します。日常生活で「でんき」と言うときは、ほとんどがこの「電気」です。電気代、電気をつける、電気が通るなど、エネルギーや現象に関する表現に使います。
「電機」は産業用の電気機械や電気機器を指す専門用語です。発電機、モーター、変圧器、産業用ロボットなど、工場や産業で使われる大型の機械が該当します。電機メーカー、電機産業、電機工学など、業界や学問の分野名にもよく使われます。
「電器」は家庭用の電化製品を指す言葉です。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど、私たちが日常的に使う家電製品のことです。電器店、電器製品、小型電器など、家庭向け製品に関する表現で使います。
簡単にまとめると、「電気」はエネルギー、「電機」は産業用機械、「電器」は家庭用製品という区別ができます。
実際の使い分け方と具体例
それでは、実際の場面でどう使い分ければいいのか、具体的に見ていきましょう。
まず日常会話では、ほとんどの場合「電気」を使えば問題ありません。「電気をつけて」「電気代が高い」「電気が消えた」など、エネルギーに関する表現はすべて「電気」です。
会社名や業界の話をするときは注意が必要です。三菱電機や富士電機のように産業用機器を作る会社は「電機」、松下電器産業(現パナソニック)のように家電を作る会社は「電器」を使っていました。ただし、最近はカタカナ表記の社名も増えているので、正式名称を確認するのが確実です。
お店の名前も同じです。家電量販店は「電器店」と書くことが多いですが、「でんき屋さん」とひらがなやカタカナで表記することも増えています。
私の経験では、子供の理科の宿題で「電気の通り道」という課題があったとき、迷わず「電気」を使いました。でも、夫の会社関係の書類に「電機部品」と書いてあったときは、家電とは違う産業用の部品だとわかりました。
書き間違いを防ぐコツは、「何について話しているか」を考えることです。エネルギーや現象なら「電気」、産業用機械なら「電機」、家電製品なら「電器」と覚えておけば、ほとんどの場面で正しく使えます。
歴史的な背景と使い分けの変化
実は、この3つの「でんき」の使い分けは、時代とともに変化してきました。
明治時代に日本に電気が入ってきたとき、最初は「電気」という言葉しかありませんでした。その後、産業が発展するにつれて、産業用の機械を指す「電機」という言葉が生まれました。さらに、家庭に電化製品が普及すると、家庭用製品を指す「電器」という言葉が使われるようになったのです。
昭和の高度経済成長期には、「電機メーカー」と「電器メーカー」がはっきり区別されていました。重電機を作る会社は「電機」、家電を作る会社は「電器」と使い分けていたんです。
しかし、最近では企業の事業が多角化して、産業用機器も家電も両方作る会社が増えました。そのため、社名をカタカナやひらがなに変更する企業も多くなっています。ヤマダ電機も、元は漢字表記でしたが今は「ヤマダデンキ」とカタカナになっています。
私が子供の頃は、近所の「〇〇電器店」という看板をよく見かけましたが、今は大型の家電量販店が主流になって、カタカナ表記が増えましたよね。時代の流れを感じます。
よくある質問
Q1: 会社名で「電機」と「電器」のどちらを使うか迷ったら?
正式な会社名は登記されているので、必ず公式サイトや名刺で確認しましょう。一般的に、産業用機器メーカーは「電機」、家電メーカーは「電器」を使うことが多いですが、最近はカタカナ表記も増えています。間違えると失礼になるので、正式名称を調べるのが一番確実です。
Q2: 「電気代」を「電機代」や「電器代」と書いてもいい?
いいえ、これは必ず「電気代」と書きます。電力会社から供給される電気エネルギーの料金なので、「電気」を使うのが正しいです。「電機代」や「電器代」と書くと、機械や製品の代金という意味になってしまい、全く違う意味になります。
Q3: 「電気店」と「電器店」はどう違う?
基本的にはほぼ同じ意味で、家電製品を売るお店のことです。ただし、「電器店」の方がより家電製品に特化したニュアンスがあります。「電気店」は電気工事も行うお店を指すこともあります。現代では、多くのお店が「でんき」とひらがなやカタカナで表記しているので、あまり気にしなくても大丈夫です。
Q4: 理科の授業では「電気」しか使わないの?
はい、小学校や中学校の理科では基本的に「電気」だけを使います。電気エネルギーや電気現象について学ぶので、「電気の通り道」「電気の性質」「電気回路」など、すべて「電気」を使います。「電機」や「電器」は専門的な産業用語なので、学校教育ではあまり出てきません。
Q5: 外国語に訳すときはどう違う?
英語では、「電気」はelectricityやelectrical、「電機」はelectrical machineryやelectric equipment、「電器」はhome appliancesやelectrical appliancesと訳し分けます。日本語の微妙なニュアンスの違いを、英語では異なる単語で表現するんですね。翻訳するときは、文脈に応じて適切な英語を選ぶことが大切です。
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「電気」「電機」「電器」の3つの違い、理解できましたか?
「電気」は電気エネルギーや電気現象全般を指す最も基本的な言葉です。日常生活で使う「でんき」は、ほとんどがこの「電気」だと覚えておきましょう。
「電機」は産業用の電気機械や電気機器を指す専門用語で、発電機やモーター、産業用ロボットなど工場で使う機械のことです。
「電器」は家庭用の電化製品を指す言葉で、テレビや冷蔵庫、洗濯機など私たちの生活で使う家電製品のことです。
使い分けのポイントは、「何について話しているか」を考えることです。エネルギーなら「電気」、産業用機械なら「電機」、家電製品なら「電器」と覚えておけば、迷うことはありません。
普段の生活では「電気」を使えばほぼ問題ありませんが、会社名や専門的な場面では正しく使い分けられるとスマートですね。この記事が、あなたの「でんき」に関する疑問を解決する助けになれば嬉しいです。

