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「街」と「町」の違い!意味と正しい使い分けを例文で解説

生活・文化

普段何気なく使っている「街」と「町」という言葉。どちらも同じ「まち」と読むけれど、実は使い分けに迷ったことはありませんか?

私も以前、上の子が小学校の宿題で「まち」について作文を書いている時に「どっちの『まち』を使えばいいの?」と聞かれて、思わず言葉に詰まってしまったんです。確かに、どちらも同じように見えますよね。

でも実は、この2つの言葉にはちゃんとした違いがあるんです。この記事では、子どもにもわかりやすく説明できるように、「街」と「町」の違いを詳しく解説していきますね。

「町」とは?基本的な意味を知ろう

まずは「町」という言葉について見ていきましょう。

「町」という漢字は「田」と「丁」から成り立っています。もともとは田んぼを区切るあぜ道を意味していました。そこから発展して、人が集まって暮らす場所全般を指すようになったんです。

現在の「町」には、大きく分けて2つの使い方があります。

1つ目は、地方公共団体としての「町」です。市よりも小さく、村よりも大きい行政区画のことですね。「〇〇町役場」とか「市町村」という言葉で使われる「町」がこれにあたります。

2つ目は、人が住んでいる地域や住所の一部としての「町」です。「〇丁目」の「町」や、住宅地を指す時に使う「町」がこれです。

つまり「町」は、どちらかというと行政的な区画や、人々が暮らしている生活の場所というニュアンスが強い言葉なんですね。

「街」とは?賑やかさがポイント

次に「街」について見ていきましょう。

「街」という漢字は、十字路の象形から成り立っていると言われています。道が交差して、人や物が行き交う場所をイメージした漢字なんですね。

「街」が使われるのは、主に商店やビルが立ち並ぶ賑やかな場所を表現する時です。「繁華街」「商店街」「街並み」といった言葉を思い浮かべると、なんとなく活気のあるイメージが湧いてきませんか?

商店街も、確かに「商店町」とは言わないですよね。お店が並んでいて、人がたくさん歩いている賑やかな通りだからこそ、「街」という漢字がぴったりなんです。

また「街」は、情景や雰囲気を表現する時にもよく使われます。「夜の街」「この街が好き」といった表現には、その場所の持つ雰囲気や感情が込められていますよね。

「街」と「町」の決定的な違いは?

それでは、2つの言葉の違いをもっと具体的に見ていきましょう。

最も大きな違いは、「行政区分かどうか」という点です。

「町」は行政区分として正式に使われます。だから「市町村」という言葉には必ず「町」を使います。これを「市街村」とは絶対に書きません。

また「町ぐるみ」「町おこし」「隣町」といった、地域のコミュニティとしての意味合いを持つ言葉にも「町」が使われます。

一方で「街」は、もっと感覚的な表現に使われます。賑やかさや活気、その場所の雰囲気を伝えたい時に「街」を選ぶんです。

「街灯」「街角」「街頭」など、通りや道路に関連する言葉にも「街」が使われることが多いですね。

私の実感としては、子どもたちに「今日はどこの町に住みたい?」と聞くと地名を答えますが、「どんな街に住みたい?」と聞くと「賑やかな街」「おしゃれな街」など雰囲気で答えることが多い気がします。

実際の使い分け方を例文で学ぼう

では、具体的な使い分けを例文で見ていきましょう。

「町」を使う例文

  • 私の住んでいる町は、とても静かで落ち着いています
  • 週末は町内会の清掃活動があります
  • 隣町まで自転車で行ってきました
  • この町で生まれ育ったので愛着があります
  • 町長選挙が来月行われます

これらの例文では、生活の場としての地域や、行政区分としての意味で「町」が使われていますね。

「街」を使う例文

  • 週末は繁華街でショッピングを楽しみました
  • この街の夜景は本当に美しい
  • 駅前の商店街は毎日賑わっています
  • 街灯の灯りが幻想的でした
  • おしゃれな街並みに憧れます

こちらの例文では、賑やかさや雰囲気、風景の描写として「街」が使われています。

私が子どもに説明する時は、「お家や学校がある場所の話をする時は『町』、お店がたくさんあって賑やかな場所の話をする時は『街』だよ」と言っています。もちろん厳密には違う場合もありますが、子どもにはこれでだいたい理解してもらえました。

どっちを使えばいい?迷った時の判断基準

実際に文章を書く時、どちらを使うか迷うことってありますよね。そんな時の判断基準をいくつかご紹介します。

行政や地名に関することなら「町」

市町村、町役場、町長など、行政に関わる言葉には必ず「町」を使います。また「〇〇町」という地名も「町」です。これは間違えようがないですね。

賑やかさを表現したいなら「街」

「賑やかな」「活気がある」「おしゃれな」といった形容詞と一緒に使う時は「街」がぴったりです。その場所の雰囲気や印象を伝えたい時ですね。

迷ったら「町」が無難

実は多くの国語辞典では「町」と「街」を明確に区別していません。だから、どうしても迷った時は「町」を使っておけば、大きな間違いにはなりません。

ただし、明らかに繁華街や商店街など、賑やかな場所を指している時は「街」の方が適切です。その場の状況や文脈に応じて判断しましょう。

「ちょう」と「がい」の読み方の違いも知っておこう

ところで、「町」と「街」には訓読み以外の読み方もありますよね。

「町」を「ちょう」と読む時は、主に行政区分や単位を表します。「○○町(ちょう)」という地名や、「一町(いっちょう)」という距離の単位などですね。

一方「街」を「がい」と読む時は、「市街地」「繁華街」「街路」など、主に都市部の賑やかな地域を指す言葉に使われます。

音読みにした時の方が、実は意味の違いがはっきりするんです。「ちょう」は行政的、「がい」は都市的という感じですね。

漢字の成り立ちから見る「町」と「街」

それぞれの漢字がどうやって生まれたのかを知ると、さらに理解が深まります。

「町」の成り立ちは先ほど少し触れましたが、「田」と「丁」という部分から成り立っています。田んぼを丁字に区切る道、つまりあぜ道が元々の意味でした。

そこから、区切られた土地、さらには人が集まって住む区画へと意味が広がっていったんですね。だからこそ、行政区画としての意味が強いんです。

「街」は「行」という部分(道を表す)と「圭」という部分から成り立っています。「圭」は十字路を意味していたと言われていて、道が交差する場所、つまり人や物が行き交う賑やかな場所を表していたんです。

漢字の成り立ちを知ると、なぜそれぞれの漢字が今のような使い方をされているのか、納得できますよね。

「まち」をひらがなで書く場合もある

実は、「まち」をあえてひらがなで書く場合もあるんです。

どちらの漢字を使うか判断が難しい時、あるいは柔らかい印象を出したい時に、ひらがなで「まち」と書くことがあります。

例えば子ども向けの絵本や、優しい雰囲気を出したい文章では、あえてひらがなを選ぶこともありますね。

「まち」とひらがなで書くことで、「町」と「街」の両方の意味を含ませることもできます。固有名詞以外で、特に使い分けを意識しない場合は、ひらがなという選択肢もあることを覚えておくと便利ですよ。

よくある質問

Q1. 「この町が好き」と「この街が好き」、どちらが正しいですか?

どちらも間違いではありませんが、ニュアンスが少し違います。「この町が好き」は生まれ育った地域や、自分が住んでいる地域全体への愛着を表現する時によく使われます。一方「この街が好き」は、その場所の雰囲気や街並み、賑やかさなど、感覚的な魅力を表現する時に使われることが多いです。例えば森高千里さんの名曲「この街」は、故郷の情景や雰囲気を歌っているため「街」が使われているんですね。

Q2. 住所を書く時は「町」と「街」、どちらですか?

住所を書く時は必ず「町」です。「○○町△丁目」というように、住所表記は行政区分なので「街」を使うことはありません。これは間違えないように注意が必要ですね。履歴書や公的な書類では特に気をつけましょう。

Q3. 「まちづくり」は漢字でどう書けばいいですか?

一般的には「まちづくり」とひらがなで書くことが多いです。なぜなら「まちづくり」は、行政的な意味での地域開発と、雰囲気づくりや活性化という両方の意味を含むことが多いからです。どちらか一方に限定しない場合は、ひらがなが無難ですね。ただし、正式な行政文書などでは「町づくり」と漢字で書かれることもあります。

Q4. 子どもの作文で「まち」を使う時、どう教えればいいですか?

お子さんには「住んでいるところや地名の話をする時は『町』、お店がたくさんあって賑やかな場所の話をする時は『街』」と教えるとわかりやすいです。また、迷った時は「町」を使えば間違いが少ないことも伝えてあげましょう。低学年の場合は、ひらがなで「まち」と書いても全く問題ありません。

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まとめ

「街」と「町」の違いについて詳しく見てきましたが、いかがでしたか?

簡単におさらいすると、「町」は行政区分や生活する地域を指す言葉で、「街」は賑やかな場所や雰囲気を表現する言葉です。

「町」を使う場面は、市町村などの行政、住所、町内会など地域コミュニティに関すること。「街」を使う場面は、商店街や繁華街など賑やかな場所、街並みや雰囲気を描写する時です。

迷った時は「町」を選ぶのが無難ですが、明らかに賑やかさや活気を表現したい時は「街」を選びましょう。

この違いを知っておけば、文章を書く時はもちろん、子どもに聞かれた時もスムーズに説明できますね。私も子どもたちに説明できるようになって、ちょっと鼻が高かったです(笑)。

日本語には同じ読み方でも意味が違う言葉がたくさんあります。だからこそ奥深くて面白いんですよね。これからも一緒に日本語の面白さを発見していきましょう!