子どもの肌トラブルを見て「これってアトピー?それともアレルギー?」と悩んだことはありませんか。私も子どもたちの肌に赤いプツプツができた時、違いがよく分からずに不安になった経験があります。実は、アトピーとアレルギーは似ているようで全く違うものなんです。今回は、この2つの違いを分かりやすく解説します。
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アトピーって何?基本的な特徴を理解しよう
アトピーとは体質的な要因によって引き起こされる皮膚炎で、かゆみを伴う湿疹が主な症状で、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な病気です。正式には「アトピー性皮膚炎」と呼ばれています。
アトピー性皮膚炎の特徴は以下の通りです:
皮膚の「バリア機能」が低下して、炎症が起きやすくなることや、皮膚から水分が失われやすくなることから乾燥肌の患者さんが多いことも大きな特徴です。
我が家の上の子も、赤ちゃんの頃から肘の内側や膝の裏に赤い湿疹ができやすく、保湿を怠ると一気に悪化してしまいます。良くなったかと思うとまた出てくるという繰り返しが、まさにアトピー性皮膚炎の典型的な症状でした。
アトピー性皮膚炎ができやすい場所
アトピー性皮膚炎は、特定の場所にできやすいという特徴があります。肘の内側、膝の裏、足首の前、首のまわり(9歳以下は頬を含む)のどこかに皮膚のかゆい状態がでたことがある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性が高いです。
アレルギーとは?免疫システムの過剰反応
一方で、アレルギーは免疫の過剰反応による症状です。体が異物から身を守るための免疫システムに異常が生じ、体が過剰に反応し、さまざまな症状を起こしてしまうことを指します。
アレルギーには様々な種類があり、皮膚だけでなく、呼吸器や消化器にも症状が現れることがあります。例えば:
- 花粉症(くしゃみ、鼻水、目のかゆみ)
- 食物アレルギー(じんましん、腹痛、下痢)
- 接触性皮膚炎(かぶれ)
私自身も春になると花粉症の症状に悩まされますが、これもアレルギー反応の一つなんですね。
アレルギーの種類と症状の出方
アレルギー反応は、皮膚反応がでるまでの時間などによりI型~IV型に大別されます。I型アレルギーは即時型アレルギーとも呼ばれ、IgEといった抗体が関与しています。
アトピーとアレルギーの関係性
ここで重要なのは、アトピー性皮膚炎の方がアレルギー疾患を併発することも珍しくありませんということです。アトピー性皮膚炎は代表的なアレルギー疾患のひとつとされています。
つまり、アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種でもあるのです。アトピー性皮膚炎は、これらのうちI型・Ⅳ型アレルギーの要素が混在しているとされています。
アトピー素因とは
「アトピー素因」とは①家族歴・既往歴(気管支喘息,アレルギー性鼻炎,結膜炎,アトピー性皮膚炎のうちいずれか,あるいは複数の疾患)または②IgE抗体を産生しやすい素因です。
私の家族も、夫が花粉症、私がアレルギー性鼻炎を持っているので、子どもたちにアトピー素因があるのは納得できます。
症状の見分け方
アトピー性皮膚炎の症状
- 慢性的なかゆみ
- 乾燥肌
- 症状の悪化と改善を繰り返す
- 特定の部位(肘の内側、膝の裏など)に症状が出る
- 皮膚の表面はきれいになっても、まだ「炎症」が皮膚の奥底に潜んでいることがある
その他のアレルギー症状
- 特定の物質(アレルゲン)に触れた時の急な反応
- じんましんのような一時的な症状
- 呼吸器症状(くしゃみ、鼻水など)
- 消化器症状(腹痛、下痢など)
アトピーでは耳たぶがよく切れやすかったり、本当に痒くなりますよね。耳周りは、血液やリンパが溜まりやすい。耳の下にある顎下腺・舌下腺・扁桃腺は免疫系の反応が出ることが多い場所なので、口腔内や喉に雑菌が多い状態だと耳の下も腫れやすくなります。 pic.twitter.com/CKR6HeKJGi
— 笹森 香納子| アトピー専門ATOPIX (@atopix_jp) July 28, 2025
日常生活でできる対策
アトピー性皮膚炎のケア
- 保湿の徹底 毎日のスキンケアが最も重要です。お風呂上りには必ず保湿剤を塗るようにしています。
- 刺激を避ける ダニや花粉、ペットの毛などの環境アレルゲンや、化粧品や金属などの接触アレルギーは皮膚を刺激し、アトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があります。
- 規則正しい生活 アトピー性皮膚炎の治療の基本は規則正しい生活や、スキンケア・外用薬です。
アレルギー全般の対策
- アレルゲンの特定と回避 何がアレルギーの原因になっているかを知ることが大切です。
- 環境整備 ダニやホコリを減らすため、こまめな掃除と換気を心がけています。
- 食生活の見直し 食物アレルギーがある場合は、該当する食品を避ける必要があります。
いつ病院に行くべき?
以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科やアレルギー科を受診することをおすすめします:
- かゆみが強くて夜眠れない
- 市販薬を使っても改善しない
- 症状が悪化している
- 広い範囲に症状が出ている
我が家では、子どもの症状が気になった時は迷わず小児科や皮膚科に相談しています。専門医に診てもらうことで、適切な治療法を教えてもらえるので安心です。
治療方法の違い
アトピー性皮膚炎の治療
- ステロイド外用薬
- 保湿剤
- 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)
- 重症例では免疫抑制剤や生物学的製剤
その他のアレルギー治療
- 抗ヒスタミン薬
- ステロイド薬
- アレルゲン免疫療法(減感作療法)
- エピペン(重篤なアレルギー反応時)
久々に実家に帰ったらめっちゃ生姜猫を飼い始めてました。
— 川﨑 生姜猫 (@kawasaki_menmen) July 29, 2025
僕は、猫アレルギーなので絶対に克服しようと思います。 pic.twitter.com/iXuv4W6Srm
子育てママの体験談
実際に子どもがアトピー性皮膚炎と診断された時、最初は「アレルギーかもしれない」と思っていました。でも、医師から詳しく説明を受けて、アトピー性皮膚炎がアレルギー疾患の一つであることを知りました。
大切なのは、自己判断せずに専門医に相談することです。適切な診断を受けることで、子どもに合った治療法を見つけることができました。
よくある質問
Q1:アトピーは遺伝するの?
アレルギーの病気を持つ家族がいる場合や自身にぜん息やアレルギー性鼻炎などのアレルギーがある人、またはアレルギーの原因となるIgE抗体をつくりやすい素因(アトピー素因)を持つ人がなりやすい傾向があります。遺伝的な要素はありますが、必ず発症するわけではありません。
Q2:大人になってからもアトピーは続く?
アトピー性皮膚炎は子どもの頃に発症することが多いですが、大人になっても続く場合があります。また、大人になってから初めて発症することもあります。
Q3:アトピーとアレルギーは同時に起こる?
アトピー性皮膚炎は多様なアレルギー疾患と関連が非常に深い疾患であると言えます。実際に、アトピー性皮膚炎の人が他のアレルギー疾患も併発することは珍しくありません。
Q4:市販薬で治療できる?
軽度の症状であれば市販薬も有効ですが、慢性的な症状や重度の症状の場合は、必ず医師に相談してください。適切な診断と治療が重要です。
Q5:完治は可能?
アトピー性皮膚炎は慢性疾患ですが、適切な治療とケアにより症状をコントロールすることは十分可能です。多くの場合、成長とともに症状が改善していきます。
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アトピーとアレルギーの主な違いは以下の通りです:
- アトピー性皮膚炎:体質的要因による慢性的な皮膚炎で、症状の悪化と改善を繰り返す
- アレルギー:免疫システムの過剰反応による様々な症状で、皮膚以外にも症状が現れる
ただし、アトピー性皮膚炎もアレルギー疾患の一種であり、両者は密接に関係しています。大切なのは、症状が気になった時は自己判断せず、専門医に相談することです。
適切な診断と治療、そして日常的なケアを続けることで、症状をコントロールして快適な生活を送ることができます。一人で悩まず、医師や同じ悩みを持つ人たちと相談しながら、上手に付き合っていきましょう。