病院に行くとき、「症状を教えてください」と聞かれたり、「○○疾患の疑いがあります」と説明されたりしますよね。でも、「症状」と「疾患」って、実際のところどう違うのでしょうか?
実は私自身、母が病気になったとき、お医者さんの説明を聞いていて混乱した経験があります。「症状はこうですが、疾患としては違うものかもしれません」と言われたとき、「え、症状と疾患って違うの?」と思ったのを覚えています。
この記事では、医学的な観点から見た症状と疾患の根本的な違いを、日常の会話でも正しく使い分けられるよう、わかりやすく解説していきます。専門用語を使わずに、小学生のお子さんでも理解できるような言葉で説明していくので、安心して読み進めてくださいね。
症状とは何か?体が感じる「お知らせサイン」
症状とは、簡単に言うと「体が私たちに送ってくる『何かおかしいよ』というお知らせ」のことです。
症状は自覚的なものと他覚的なものとに大別され、自ら感ずる異常感を訴える場合は愁訴、自覚症状といい、医師の診察によって確かめられる異常は他覚症状あるいは所見というとされています。
症状の具体例
自分で感じる症状(自覚症状)
- 頭が痛い
- 熱がある
- お腹が痛い
- 息が苦しい
- めまいがする
- だるい、疲れやすい
お医者さんが見つける症状(他覚症状)
- 血圧が高い
- 体温が38度ある
- 皮膚に発疹が出ている
- 心拍数が早い
- リンパ節が腫れている
私の友人の例でお話しすると、彼女は「朝起きると頭がガンガン痛む」という症状で病院に行きました。これは彼女自身が感じている自覚症状ですね。お医者さんが検査をすると、血圧が異常に高いことがわかりました。これは他覚症状です。
疾患とは何か?病気の正式な「診断名」
一方、疾患とは「お医者さんが検査や診察の結果、『これが原因ですね』と特定できた病気の正式な名前」のことです。
疾患とは、医学的な診断のように生物学的に説明できるもので、より客観的な見方によるものとされています。つまり、症状という「お知らせサイン」をもとに、お医者さんが原因を調べて正式に名前をつけたものが疾患なのです。
疾患の具体例
- 高血圧症
- 糖尿病
- 胃潰瘍
- 肺炎
- 心房細動
- アトピー性皮膚炎
先ほどの友人の例に戻ると、「朝の頭痛」という症状と「血圧が高い」という検査結果から、お医者さんは「本態性高血圧症」という疾患だと診断しました。
症状と疾患の決定的な違いとは?
ここが最も大切なポイントです。症状と疾患の違いを理解するには、以下の3つの観点から考えるとわかりやすいです。
1. 誰が判断するかの違い
症状:
- 患者さん本人が感じるもの(「痛い」「苦しい」など)
- 医療機器で測定できるもの(「熱が38度」「血圧が高い」など)
疾患:
- お医者さんが専門知識と検査結果をもとに診断するもの
- 医学的な根拠に基づいて正式に名前がつけられるもの
2. 具体性の違い
症状:
- 「お腹が痛い」「熱がある」など、比較的単純な表現
- 体の不調を直接的に表現したもの
疾患:
- 「急性胃腸炎」「インフルエンザA型」など、具体的で専門的な名前
- 原因や治療法が明確になっているもの
3. 時系列の違い
症状:
- 病気の初期段階で現れるもの
- 疾患が確定する前から存在する
疾患:
- 症状や検査結果を総合して、後から確定するもの
- 診断がついてから使われる正式名称
私自身の体験談をお話しすると、数年前に胸が苦しくなって病院に行ったことがあります。最初は「胸の痛み」と「息苦しさ」という症状だけでした。でも、心電図やレントゲン、血液検査を受けた結果、「不整脈」という疾患だと診断されたのです。
日常会話での正しい使い分け方法
実際の生活で症状と疾患を正しく使い分けるコツをご紹介します。
病院で使う場面
症状について話すとき:
- 「昨日から熱の症状が続いています」
- 「腰痛の症状がひどくて」
- 「この症状はいつから始まりましたか?」
疾患について話すとき:
- 「糖尿病という疾患と診断されました」
- 「家族に心疾患の病歴があります」
- 「この疾患の治療法を教えてください」
家族や友人との会話で
症状の話:
- 「最近、頭痛の症状が気になって」
- 「風邪の症状が出てきたみたい」
疾患の話:
- 「定期検診で高血圧症って言われた」
- 「母が心疾患で通院してるの」
私の経験では、症状は「今感じている不調」について話すとき、疾患は「お医者さんに診断された病気」について話すときに使い分けると自然です。
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よくある間違いと注意点
1. 「坐骨神経痛」は症状?疾患?
坐骨神経痛は、坐骨神経の領域が痛くなる症状のことを指します。多くの人が病名だと思いがちですが、実は症状なんです。坐骨神経痛という症状の原因となる疾患(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など)が別にあるのです。
2. 「○○症」という名前の扱い
「高血圧症」「糖尿病」「肺炎」などは疾患です。一方で、「○○痛」「○○不全感」などは症状を表すことが多いです。
3. 医療従事者との会話での注意点
セラピストがよく勘違いを起こすもの、それは症状と病気です。この2つを混同してしまっている方がとても多くいらっしゃいますとあるように、医療現場でも混同されることがあります。正確な情報のやり取りのためにも、違いを理解しておくことは大切です。
保険や書類での使い分けポイント
生命保険の申告書
症状欄:
- 現在感じている不調(「腰痛」「頭痛」「息切れ」など)
- 検査で見つかった数値異常(「血圧が高い」「血糖値が高い」など)
既往歴・疾患歴欄:
- 正式に診断された病名(「高血圧症」「2型糖尿病」など)
- 過去に患った病気の正式名称
健康診断書
健康診断では、検査結果として症状が記録され、それをもとに医師が疾患の診断や疑いを記載します。
私が会社の健康診断を受けた際、血圧が高いという「症状」が見つかり、産業医から「高血圧症の疑い」という「疾患の可能性」を指摘されました。その後、専門医を受診して正式に「本態性高血圧症」という「疾患」の診断を受けました。
医療現場でのコミュニケーションを円滑にする方法
お医者さんに症状を伝えるコツ
- いつから:「3日前から」「昨夜から」
- どこが:「右のおなかが」「左胸が」
- どんな風に:「ズキズキ」「キリキリ」
- どのくらい:「歩けないほど」「仕事に支障がある程度」
診断結果を理解するポイント
お医者さんから「○○という疾患です」と説明されたら:
- 疾患名を正確にメモする
- 今ある症状との関係を確認する
- 治療法や今後の見通しを聞く
私の母が心疾患と診断されたとき、最初は病名が難しくて理解できませんでした。でも、「今の息切れという症状は、この心疾患が原因で起きています」と説明してもらうことで、症状と疾患の関係がクリアになりました。
【自律神経】
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顔周りの抜け毛や白髪の増加は《自律神経》の乱れが関係あります
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よくある質問
Q1: 症状があっても疾患がないことはありますか?
はい、よくあることです。例えば、ストレスによる頭痛や一時的な胃の不調など、症状はあっても特定の疾患が見つからない場合があります。また、検査の結果、「心配のない範囲の症状」と判断されることもあります。
私も以前、動悸という症状で病院に行ったことがありますが、検査の結果は正常で、「疾患はないが、疲労による一時的な症状」と診断されました。
Q2: 疾患があっても症状がないことはありますか?
あります。これを「無症候性疾患」と呼びます。高血圧症や糖尿病の初期段階では、疾患はあっても自覚症状がないことが多いです。だからこそ、定期的な健康診断が大切なのです。
Q3: 同じ疾患でも症状が人によって違うのはなぜですか?
疾患の重症度、個人の体質、生活習慣、年齢などによって症状の現れ方は変わります。例えば、同じ風邪でも、発熱する人もいれば咳だけの人もいます。
Q4: 「病気」「疾患」「疾病」は同じ意味ですか?
基本的には同じ意味ですが、使われる場面が異なります。「病気」は日常会話で、「疾患」は医学的な文脈で、「疾病」は公的な文書や統計で使われることが多いです。
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症状と疾患の違いをまとめると、以下のようになります:
症状:
- 体が感じる「不調のサイン」
- 患者さん自身が感じたり、検査で測定できる異常
- 「頭痛」「発熱」「血圧上昇」など
- 疾患を見つけるための手がかり
疾患:
- お医者さんが診断した「病気の正式名称」
- 医学的根拠に基づいて確定された診断名
- 「高血圧症」「糖尿病」「肺炎」など
- 治療の対象となる病気
この違いを理解しておくことで、医療機関でのコミュニケーションがスムーズになり、自分の健康管理もより適切に行えるようになります。
私自身、この知識があったおかげで、家族の病気のときにお医者さんの説明をより正確に理解でき、適切な質問もできるようになりました。皆さんも、症状を感じたときは遠慮せずに医療機関を受診し、疾患の早期発見・早期治療を心がけてくださいね。
症状は体からの大切なメッセージです。それを正しく受け取り、適切な医療を受けることで、健康な毎日を過ごしていきましょう。