空を見上げて飛んでいる飛行機を見ると、子供から「あれはなんで飛んでるの?」と聞かれることってありませんか?私も子供たちと公園にいる時によく聞かれます。でも、実は空を飛ぶものには「飛行機」と「グライダー」という違いがあるんです。同じように空を飛んでいるように見えても、実はその仕組みは全然違うんですよ。
この記事では、飛行機とグライダーの違いを、小学生の子供にも分かりやすく説明できるように詳しく解説していきます。きっと読み終わる頃には、子供への説明も上手にできるようになりますよ!
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飛行機とグライダーの基本的な違い
飛行機の特徴
飛行機は、エンジンやプロペラによって推力を発生させて自分の力で空を飛ぶことができる航空機です。一番大きな特徴は、やっぱりエンジンがついていることです。
私たちが普段空港で見かける旅客機は、ジェットエンジンという強力なエンジンがついています。このエンジンが空気を吸い込んで、燃料と混ぜて燃やすことで、後ろから勢いよく噴き出す力を使って前に進んでいるんです。
小さな飛行機だと、プロペラが回ってその風で前に進むタイプもあります。どちらにしても、自分で動力を作り出して飛んでいるのが飛行機の特徴です。
グライダーの特徴
グライダーは飛行機と異なり、エンジンなどの動力を用いずに『滑空』し、上昇気流を利用することで、長時間、長距離のフライトをすることができます。
簡単に言うと、グライダーはエンジンがない飛行機のことです。でも「落ちているだけ」というわけではありません。実はとても巧妙な仕組みで空を飛んでいるんです。
グライダーは上昇気流という、下から上に向かって流れる空気の流れを利用して飛んでいます。鳥が羽ばたかずにふわりと浮いているのと同じような原理ですね。
飛び立ち方の違い
飛行機の離陸方法
飛行機は自分でエンジンを動かして、滑走路を走って加速し、十分なスピードが出たら自分の力で飛び上がることができます。これが一番わかりやすい違いかもしれません。
空港で見る大きな旅客機も、小さなプロペラ機も、みんな自分でエンジンを回して「ブォーン」という音を立てながら飛び立っていきますよね。
グライダーの離陸方法
グライダーは地上から飛び立つときには曳航機とよばれる飛行機あるいはウインチという曳航装置とグライダーとをワイヤーでつなげ、ある程度の高度まで引き上げてもらう必要があります。
つまり、グライダーは自分では飛び上がることができないので、他の力を借りて空まで運んでもらうんです。
一番よく使われる方法は、エンジンのついた小さな飛行機(曳航機)にワイヤーでつながれて、一緒に空まで引っ張り上げてもらう方法です。十分な高度まで上がったら、ワイヤーを外してもらって、そこからは自分で滑空していきます。
もう一つの方法は、地上にあるウインチという機械にワイヤーをつないで、凧のように引っ張り上げてもらう方法もあります。
嘉手納基地にて……まさかの人生初のGALAXYを見ることができるとは😂
— ZAKU/ザク (戦闘機ウォッチ専用垢) (@ZAKU_AIRFIGHTER) August 31, 2025
大きいしめっちゃゆっくり飛んで行く姿が独特でした!
横田基地だとこの飛行機が間近で見れるのか…… pic.twitter.com/8kDNG4uQhg
飛行の仕組みの違い
飛行機の飛行原理
飛行機は常にエンジンが動いているので、燃料がある限り前に進み続けることができます。そして翼の形の工夫によって、空気の流れを利用して浮上する力(揚力)を作り出しています。
エンジンで前に進む力があるので、山を越えたり、悪天候でも比較的安定して飛ぶことができます。目的地に向かって真っ直ぐ飛んでいけるのも、エンジンがあるからです。
グライダーの飛行原理
グライダーはエンジンがないので、基本的には高いところから低いところに向かって滑空していきます。でも、ただ落ちているだけではありません。
上昇気流を捉えることで高度を稼ぎ、さらに遠く高く飛翔することが出来ます。これがグライダーの一番すごいところです。
上昇気流というのは、太陽で温められた地面から上に向かって流れる空気の流れのことです。グライダーはこの流れを見つけて、その中でくるくると回りながら高度を上げていくんです。
私が子供の頃に体験したグライダー飛行では、パイロットさんが「今、上昇気流に入ったよ」と教えてくれて、実際にグングンと高度が上がっていく感覚を味わうことができました。エンジンがないのに上昇していく不思議な感覚は、今でも忘れられません。
飛行時間と距離の違い
飛行機の飛行能力
飛行機は燃料がある限り、何時間でも飛び続けることができます。大きな旅客機なら10時間以上飛び続けることも珍しくありません。
また、エンジンがあるので、目的地に向かって最短距離で飛んでいくことができます。天候が悪くても、ある程度は強引に飛ぶことができるのも飛行機の特徴です。
グライダーの飛行能力
グライダーは軽く10分以上は飛行できますが、上昇気流の状況によって飛行時間は大きく変わります。
上昇気流が強い日には数時間飛び続けることもできますし、上昇気流が弱い日には30分程度で着陸しなければならないこともあります。
飛行距離も天候次第で、高度が10mあれば300~500mは前進が可能ですが、熟練したパイロットと良い条件が揃えば、数百キロメートルも飛ぶことができます。
操縦の難易度の違い
飛行機の操縦
飛行機の操縦は、エンジンがあるので比較的安定しています。スピードが落ちそうになったらエンジンの力を上げればいいし、高度を上げたければエンジンの力で上昇することができます。
もちろん、安全に飛ぶためには専門的な知識と技術が必要ですが、エンジンがあることで「困ったときの選択肢」が多いんです。
グライダーの操縦
グライダーの操縦は、自然の力を読む技術が必要です。上昇気流がどこにあるか、風の流れはどうなっているか、天候はどう変化していくかを常に考えながら飛ばなければなりません。
エンジンがないので、一度高度を失ってしまうと、上昇気流を見つけられなければそのまま着陸するしかありません。そのため、飛行機よりも自然との対話が重要になってきます。
私の友人でグライダーパイロットの資格を持っている人がいるのですが、「グライダーは自然と一体になって飛ぶスポーツみたいなもの」と言っていました。確かに、天候や風を読む技術が飛行機以上に重要になりそうですね。
用途と目的の違い
飛行機の主な用途
飛行機は移動手段として使われることがほとんどです。人を運ぶ旅客機、荷物を運ぶ貨物機、農業で使う農薬散布機、災害時の救助機など、様々な目的で使われています。
「A地点からB地点まで確実に移動する」ということが飛行機の一番の目的です。だからこそ、エンジンという確実な動力が必要なんですね。
グライダーの主な用途
グライダーは主にスポーツや趣味として楽しまれています。競技としてのグライダーもあり、決められたコースをどれだけ早く飛べるか、どれだけ遠くまで飛べるかを競います。
また、飛行訓練の一環としても使われています。エンジンに頼らずに飛ぶ技術を身につけることで、より深い飛行技術を学ぶことができるからです。
最近では観光目的で、美しい景色を楽しみながらグライダーに乗れるサービスもあります。エンジン音がしないので、風切り音だけを聞きながら静かに空を飛ぶ体験ができるんです。
安全性の違い
飛行機の安全システム
飛行機にはエンジンがあるので、何か問題が起きても自分の力で安全な場所まで飛んでいくことができます。また、現代の飛行機には様々な安全装置がついていて、トラブルが起きても対処できるようになっています。
大型の旅客機なら、エンジンが一つ故障しても、残りのエンジンで安全に着陸できるように設計されています。
グライダーの安全への配慮
グライダーはエンジンがないので、一見危険に思えるかもしれません。でも実は、グライダーにはグライダーならではの安全対策があります。
まず、グライダーは軽くて丈夫に作られているので、万が一の時でも比較的安全に着陸できるように設計されています。また、パイロットは常に「緊急着陸できる場所」を頭に入れながら飛んでいます。
それに、グライダーはゆっくりと飛ぶので、急激な動きが少なく、実は安全性の高い航空機なんです。
免許と訓練の違い
飛行機の免許取得
飛行機のパイロットになるには、専門的な訓練を受けて国家試験に合格する必要があります。エンジンの操作、計器の読み方、航空法規など、覚えることがたくさんあります。
旅客機のパイロットになるには、さらに長期間の訓練と厳しい試験をクリアしなければなりません。
グライダーの免許取得
グライダーなら誰でも免許を取得することが出来ますので、比較的チャレンジしやすいスカイスポーツです。
もちろん安全に飛ぶための知識と技術は必要ですが、飛行機のパイロット免許よりも取得しやすく、多くのグライダークラブで訓練を受けることができます。
今日は近場でデート❤️
— あみゅれ (@amyu_kokotto) August 23, 2025
生島足島神社⛩️からの諏訪大社⛩️
ジェラート🍨食べて
霧ケ峰高原へグライダー🛫見て
温泉♨️入って
締めのラーメン🍜
盛り沢山で楽しいデートでした
また行こうね🧡 pic.twitter.com/uBbEpemU4w
環境への影響の違い
飛行機の環境負荷
飛行機はエンジンで燃料を燃やして飛ぶので、どうしても排気ガスが出てしまいます。特に大型の旅客機は、長距離を飛ぶためにたくさんの燃料が必要です。
最近では、より燃費の良いエンジンや、将来的には電気で動く飛行機の開発も進んでいて、環境への配慮が進んでいます。
グライダーの環境負荷
グライダーはエンジンがないので、飛行中は全く排気ガスが出ません。とても環境に優しい航空機と言えるでしょう。
ただし、空まで引っ張り上げてもらうための曳航機は燃料を使いますが、それでも飛行機と比べると環境への負荷はずっと少ないです。
体験談:実際に乗ってみて感じた違い
私は以前、子供たちと一緒にグライダーの体験飛行に参加したことがあります。飛行機とは全く違う体験でした。
まず驚いたのは、とても静かなことです。飛行機だとエンジンの音がうるさいですが、グライダーは風切り音しかしません。鳥になったような感覚で、とても気持ちよかったです。
それから、パイロットさんが上昇気流を探している時の集中した様子も印象的でした。「あ、ここに上昇気流がある」と言って、グライダーをくるくると回しながら高度を上げていく技術は、まさに職人技でした。
子供たちも「なんでエンジンがないのに上がっていくの?」と不思議そうでしたが、自然の力を使って飛んでいることを説明すると、とても興味深そうに聞いていました。
モーターグライダーという中間的存在
動力滑空機(モーターグライダー)と呼ばれる動力を備えたグライダーもあります。これは飛行機とグライダーの中間のような存在です。
モーターグライダーは小さなエンジンがついていて、離陸の時や緊急時にはエンジンを使うことができます。でも、普段の飛行はエンジンを止めて、グライダーと同じように滑空して飛びます。
これなら、他の飛行機に引っ張ってもらわなくても自分で離陸できるので、より手軽にグライダー飛行を楽しむことができます。
子供への説明のコツ
子供に飛行機とグライダーの違いを説明する時は、身近なものに例えると分かりやすいです。
「飛行機は車みたいに、エンジンがあって自分で進むことができる。グライダーは自転車で坂道を下る時みたいに、最初に誰かに押してもらったら、あとは自分でバランスを取りながら進んでいく」
こんな風に説明すると、子供でも理解しやすいと思います。
また、「鳥はなんで羽ばたかなくても飛んでいられるの?」という疑問から入ると、上昇気流の話も自然に理解してもらえます。
グライダーはウインチで索を高速で巻き取り凧揚げのような感じで空に上げます。
— 飛行機・滑空機大好き人間 (@ask21ja2326) August 24, 2025
空に上がったら曳航索を切り離して上昇気流を探して上昇気流にのって高度を上げて高度を速度に変換して次の上昇気流を探しに行きます。 pic.twitter.com/NeYApNmIxK
飛行機とグライダーを見分ける方法
空を飛んでいる時に、飛行機とグライダーを見分けるポイントがあります。
まず音です。飛行機はエンジン音がしますが、グライダーはとても静かです。ただし、高い空を飛んでいる時は、飛行機でも音が聞こえないことがあります。
見た目では、翼の形と長さが違います。グライダーは翼がとても長くて細く、飛行機よりもスマートな形をしています。これは、少しでも長く飛び続けるために、空気の流れを効率よく利用できるような形になっているからです。
また、飛び方も違います。飛行機は比較的まっすぐ飛んでいきますが、グライダーは上昇気流を探しながら、時々くるくると回りながら飛んでいることがあります。
よくある質問
Q1. グライダーはどのくらいの距離を飛べるの?
グライダーの飛行距離は、天候条件とパイロットの技術によって大きく変わります。初心者なら数キロメートル程度ですが、熟練したパイロットと良い気象条件が揃えば、数百キロメートルも飛ぶことができます。
世界記録では1000キロメートルを超える距離を飛んだグライダーもあるんですよ。エンジンがなくても、自然の力をうまく使えばこんなに遠くまで飛べるなんて、すごいですよね。
Q2. グライダーの方が飛行機より危険なの?
エンジンがないから危険に思えるかもしれませんが、実はグライダーは安全性の高い航空機です。ゆっくりと飛ぶので急激な動きが少なく、軽くて丈夫に作られているので、万が一の時も比較的安全に着陸できます。
また、グライダーのパイロットは常に緊急着陸できる場所を考えながら飛んでいるので、安全への意識がとても高いんです。
Q3. グライダーは雨の日でも飛べるの?
グライダーは悪天候では飛行できません。雨の日はもちろん、風が強すぎる日や雲が低い日も飛行を控えます。
これは危険だからというより、グライダーは上昇気流を利用して飛ぶので、天候が悪いと上昇気流が発生せず、楽しく飛ぶことができないからです。そのため、グライダーは天気の良い日のスポーツと言えるでしょう。
Q4. 子供でもグライダーに乗れるの?
多くのグライダークラブでは、中学生以上から体験飛行ができるところが多いです。ただし、体重制限があったり、保護者の同意が必要だったりします。
グライダーの操縦免許は16歳から取得できるので、高校生になれば本格的にグライダーを始めることもできます。将来、お子さんが興味を持ったら、一緒にチャレンジしてみるのも素敵な体験になりそうですね。
Q5. グライダーと飛行機、どちらが先に作られたの?
実は、人類が初めて空を飛んだライト兄弟の飛行機よりも前に、グライダーでの飛行実験が行われていました。エンジンのない状態で「どうやったら空を飛べるか」を研究していたんです。
その研究の成果があって、後にエンジンを搭載した飛行機が作られるようになりました。つまり、グライダーは飛行機の「お兄さん」みたいな存在なんです。
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飛行機とグライダーの一番大きな違いは、エンジンがあるかないかです。飛行機はエンジンで自分の力で飛び、グライダーは上昇気流という自然の力を利用して飛びます。
どちらも空を飛ぶ素晴らしい航空機ですが、飛行機は確実な移動手段として、グライダーは自然と一体になって飛ぶスポーツとして、それぞれ違った魅力があります。
子供に説明する時は、「飛行機は車みたいに自分で進める、グライダーは自転車で坂道を下るみたいに、最初の力をもらったら後は自分でバランスを取って進んでいく」と伝えると分かりやすいでしょう。
空を見上げた時に、今度は「あれは飛行機かな?グライダーかな?」と子供と一緒に考えてみると、きっと空への興味がもっと深まりますよ。