街を歩いていると、会社名に「○○工業」や「○○興業」と書かれた看板を見かけることがありますよね。どちらも「こうぎょう」と読むので、同じ意味だと思っていませんか?実は、この2つの言葉は全く違う意味を持っているんです。
私も以前、子供と一緒に街を歩いていたとき、「ママ、この会社とあの会社、どっちも『こうぎょう』って書いてあるけど、何が違うの?」と聞かれて、ちょっと困ってしまった経験があります。そこで改めて調べてみたら、意外と深い意味の違いがあることがわかりました!
今回は、「工業」と「興業」の違いを、誰でもわかりやすく解説していきます。会社名を見ただけで、その会社がどんな仕事をしているか予想できるようになりますよ。
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「工業」とは
「工業」とは、原材料を加工して製品を作り出す産業のことです。簡単に言えば、「ものづくり」をしている業種を指します。
例えば、鉄を加工して自動車の部品を作る会社、木材から家具を製造する会社、プラスチックを成型して日用品を作る会社など、何かを「作る」仕事をしている会社が「○○工業」という名前を使うことが多いんです。
工業は大きく分けて「重化学工業」と「軽工業」の2種類があります。重化学工業は鉄鋼や機械、化学製品など重いものや大きなものを作る産業、軽工業は繊維製品や食品など比較的軽いものを作る産業を指します。
「工業」を使った例文
- 「父は地元の金属工業の会社で働いています」
- 「この地域は自動車工業が盛んです」
- 「工業製品の品質が向上している」
- 「日本は工業立国として発展してきた」
私の住んでいる地域にも「○○工業」という社名の会社がたくさんありますが、工場を持っていて、実際に何かを作っている会社ばかりです。トラックで製品を運び出している様子を見ると、「あぁ、これが工業なんだな」と実感します。
「興業」とは
一方、「興業」とは、新しく事業を起こすことや、産業を盛んにすることを意味します。こちらは特定の業種を指すのではなく、「事業を立ち上げる」という行為や、「ビジネスを発展させる」という意味合いが強い言葉なんです。
もともと「興業」は、明治時代の「殖産興業」という政策から使われるようになった言葉で、国の産業を発展させるという意味がありました。そのため、「○○興業」という社名は、「この会社は新しい事業を興して、産業を盛り上げていきますよ」というメッセージが込められているとも言えます。
現代では、運送業、芸能事務所、娯楽施設の運営など、幅広い業種の会社が「興業」という名前を使っています。有名なところでは「吉本興業」がありますね。お笑い芸人さんが所属する会社として知られていますが、これも「芸能という産業を盛り上げる」という意味が込められているんです。
「興業」を使った例文
- 「明治政府は殖産興業政策を推進した」
- 「彼は興業家として新しいビジネスを次々と立ち上げている」
- 「興業銀行が地域経済の発展を支えた」
- 「この会社は多角的な興業を展開している」
ちなみに、「興業」と似た言葉で「興行」という言葉もあります。これは映画や演劇、コンサートなど、観客を集めて入場料を取るイベントを開催することを指す言葉です。「興業」と「興行」は混同しやすいので注意が必要ですね。
「工業」と「興業」の具体的な違い
ここで、2つの言葉の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
意味の違い
工業: 原材料を加工して製品を生産する産業 興業: 新しく事業を起こすこと、産業を盛んにすること
工業は「物を作る」ことに焦点が当たっているのに対し、興業は「事業を起こす・発展させる」という行為に焦点が当たっています。
業種の違い
工業: 製造業、建設業など、工場を持って製品を作る業種が中心 興業: 業種を問わず、運送業、娯楽施設、芸能事務所など幅広い分野
工業は基本的に「ものづくり」に関連する業種に限定されますが、興業は特定の業種に限定されません。
会社名から推測できること
○○工業: 何かを製造している会社である可能性が高い。工場を持っていて、金属加工や機械製造などを行っている ○○興業: 新しい事業展開をしている会社、または多角的なビジネスを行っている可能性がある
実際、近所で見かける「○○工業」の会社は、外から見ても工場らしい建物があって、機械の音が聞こえてきたりします。一方で「○○興業」の会社は、オフィスビルだったり、事業内容が多岐にわたっていたりすることが多い印象です。
簿記2級の勉強頑張ってる✍🏻
— ゆんにゃむ (@yu_82m) October 10, 2025
連結会計苦手だったけどやっと克服できたから、今日は工業やる pic.twitter.com/6w5wfyicQ2
会社名での使い分け方
では、実際に会社を設立するとき、どちらの名前を使うべきなのでしょうか。
「工業」を使うべき会社
- 金属加工、機械製造などの製造業
- 建設業(土木工事、建築工事など)
- 食品加工、繊維製造など
何かを「作る」ことが主な業務内容なら、「工業」を使うのが適切です。
「興業」を使うべき会社
- 運送業、物流業
- 娯楽施設の運営
- 芸能事務所
- 多角的な事業を展開する会社
特定の製造に限定されない、幅広い事業展開をする会社なら「興業」が適しています。
ただし、会社名は法律的には自由に決められるので、「○○興業」という名前でも製造業を行っても問題ありません。逆に「○○工業」でも製造以外の事業をしてもOKです。あくまで「一般的な傾向」として理解しておくといいですね。
漢字の意味から理解しよう
言葉の違いをもっと深く理解するために、漢字の意味を見てみましょう。
「工業」の漢字
工: 「物を作る人」という意味。のみやさしがねなどの工具を表す形から生まれた漢字 業: 「わざ」「しごと」という意味
つまり、「物を作る仕事」というのが「工業」の本来の意味なんです。
「興業」の漢字
興: 「力を合わせて物を持ち上げる」様子を表し、「おこす」「はじめる」という意味 業: 「わざ」「しごと」という意味
「仕事を起こす」「事業を始める」というのが「興業」の本来の意味です。
漢字の成り立ちを知ると、なぜこの2つの言葉がこんなに違う意味を持つのか、納得できますよね。
厚木に国際興業バス走ってた✨️ pic.twitter.com/Jyr2BfmyDY
— ココエボ (@cocoevo1123) October 16, 2025
私の体験談:2つの違いを実感した出来事
実は私、以前パートの仕事を探していたとき、この2つの違いをあまり意識していませんでした。
ある日、「○○工業」という会社の事務職の求人を見つけて応募したんです。てっきりオフィスワークだと思っていたら、面接で「工場内の事務所での勤務になります」と言われてびっくり!工場特有の音や匂いがある環境での仕事だったんです。
もちろん悪いことではないんですが、「工業」という言葉の意味をちゃんと理解していれば、もっと心の準備ができていたなと思いました。それ以来、会社名をしっかり見て、その会社がどんな業種なのか想像するようになりました。
子供にも「『工業』は物を作る会社、『興業』は色々な事業をしている会社だよ」と教えたら、「へぇ、同じ『こうぎょう』でも全然違うんだね!」と興味を持ってくれました。言葉の違いを知ることって、社会の仕組みを理解することにもつながるんですよね。
よくある質問
Q1. 「工業」と「興業」、どちらが一般的ですか?
会社名としては「工業」の方が圧倒的に多く使われています。日本は製造業が盛んな国なので、「○○工業」という社名の会社をよく見かけるんです。特に地方の中小企業では、金属加工や機械製造を行う「工業」系の会社が地域経済を支えています。
一方、「興業」は比較的少ないですが、運送業や娯楽関連の業種で使われることが多いです。
Q2. 「興業」と「興行」の違いは何ですか?
これもよく混同される言葉ですね!「興業」は事業を起こすことですが、「興行」は映画や演劇、コンサートなどの催し物を開催することを指します。
例えば「映画興行」「地方興行」というように使います。観客を集めて入場料を取るイベントが「興行」です。吉本興業は「興業」ですが、そこが主催するお笑いライブは「興行」と呼ぶこともできます。紛らわしいので、しっかり区別して覚えましょう!
Q3. 会社名に「工業」や「興業」をつけないといけないルールはありますか?
いいえ、特にルールはありません。会社名は基本的に自由に決められます。ただ、「○○工業」「○○興業」という名前をつけることで、その会社の業種や事業内容を相手に伝えやすくなるというメリットがあります。
最近では「○○テック」「○○ラボ」など、カタカナを使った社名も増えていますし、完全にオリジナルの造語を使う会社も多いです。伝統的な製造業なら「工業」、幅広い事業展開をする会社なら「興業」を選ぶという傾向はありますが、絶対的なルールではありません。
Q4. 子供に説明するときはどう言えばいいですか?
「工業」は「物を作る会社」、「興業」は「色々な仕事をしている会社」と説明するとわかりやすいです。
例えば、「工業の会社は、車の部品を作ったり、お菓子の箱を作ったり、家具を作ったりしているんだよ。興業の会社は、荷物を運んだり、楽しいイベントを開いたり、色々なことをしているんだよ」と具体例を出すと理解しやすいでしょう。
実際に街を歩いているときに看板を見つけたら、「あの会社は何を作っているんだろうね?」と一緒に考えてみるのも楽しいですよ。
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「工業」と「興業」は、どちらも「こうぎょう」と読みますが、意味は全く違います。
工業: 原材料を加工して製品を生産する産業。「ものづくり」の会社。工場を持ち、何かを製造している。
興業: 新しく事業を起こすこと、産業を盛んにすること。特定の業種に限定されず、幅広いビジネスを展開する会社。
会社名を見ただけでも、その会社がどんな仕事をしているのか、ある程度予想できるようになりますね。街で「○○工業」や「○○興業」という看板を見かけたら、ぜひこの違いを思い出してみてください!
また、似た言葉で「興行」もありますが、これは催し物を開催することを指します。3つの「こうぎょう」を使い分けられるようになると、ちょっと賢くなった気分になれますよ。
言葉の違いを知ることは、社会の仕組みを理解することにもつながります。これからも、日常の中で出会う言葉に興味を持って、その意味や違いを調べてみると面白い発見があるかもしれませんね!