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「天皇」と「総理大臣」の違いをわかりやすく解説!

仕事・学校

ニュースでよく聞く「天皇陛下」と「総理大臣」。どちらも日本にとって重要な存在ですが、実は役割や権限が全く違うことをご存知ですか?

学校で習ったはずなのに、いざ説明しようとすると「あれ、どう違うんだっけ?」と戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。私も子供に「天皇陛下と総理大臣、どっちが偉いの?」と聞かれて、うまく答えられずに困ったことがあります。

この記事では、天皇と総理大臣の違いを小学生でもわかるように、やさしく丁寧に解説していきます。それぞれの役割や選ばれ方、具体的な仕事内容まで、身近な例を交えながらお伝えしますね。

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天皇とは何か?その役割と地位

天皇は、日本国憲法第1条で「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定められています。簡単に言えば、天皇は日本という国そのものを表す存在なんです。

「象徴」というのは、目に見えないものを表す印のようなもの。たとえば、ハートマークが「愛」を表すように、天皇陛下は「日本」という国を表しているのです。

天皇の具体的な仕事内容

天皇陛下の主なお仕事は「国事行為」と呼ばれるものです。憲法で定められた、国の儀式的な行為を行います。

具体的には次のようなものがあります。

  • 内閣総理大臣を任命すること(国会が選んだ人を正式に任命する儀式)
  • 最高裁判所の長官を任命すること
  • 法律や条約を公布すること(国民に知らせること)
  • 国会を召集すること
  • 外国の大使や公使を接受すること
  • 栄典(勲章など)を授与すること

これらの行為は、すべて内閣の助言と承認に基づいて行われます。つまり、天皇陛下が独自の判断で何かを決定することはできません。政治的な権力は一切持っていないんです。

私が印象に残っているのは、オリンピックの開会式で天皇陛下が開会宣言をされる場面です。あれも国事行為の一環で、国を代表して行う大切な儀式なんですよね。子供と一緒にテレビで見ながら、「日本の象徴として、世界中の人に日本を代表してご挨拶されているんだよ」と説明しました。

総理大臣とは何か?その権限と責任

一方、総理大臣(正式には内閣総理大臣)は、日本の政治を実際に動かす責任者です。内閣のトップとして、国の政策を決定し、実行していく役割を担っています。

総理大臣の具体的な仕事内容

総理大臣の仕事は多岐にわたります。

  • 他の国務大臣を任命・罷免すること(クビにすることもできる)
  • 閣議を主宰し、内閣の方針を決定すること
  • 法律案や予算案を国会に提出すること
  • 行政各部(各省庁)を指揮監督すること
  • 国会で政策について説明し、質問に答えること
  • 外交交渉を行い、条約を締結すること
  • 記者会見を開き、国民に政策を説明すること

総理大臣は実質的な政治権力を持ち、日々さまざまな政策を決定しています。経済対策、外交問題、災害対応など、国民生活に直結する重要な判断を下すのが総理大臣の仕事です。

私も夫と一緒にニュースを見ていると、「総理大臣って本当に大変な仕事だよね」とよく話します。毎日のように記者会見があって、難しい質問にも即座に答えなければならない。国民の代表として、その責任の重さは計り知れません。

天皇と総理大臣の選ばれ方の違い

両者の違いは、選ばれ方にも大きく表れています。

天皇の継承方法

天皇の地位は世襲制です。皇室典範という法律で定められた順序に従って、皇族の中から継承されます。選挙で選ばれるのではなく、生まれながらにしてその役割を担う運命にあるのです。

天皇になるかどうかを本人が選ぶことはできません。また、天皇や皇族は選挙権も被選挙権も持っていません。政治から完全に距離を置いた存在なんです。

総理大臣の指名方法

対して総理大臣は、国会で指名されます。まず国民が選挙で国会議員を選び、その国会議員たちが総理大臣を指名するという間接的な選び方です。

衆議院と参議院でそれぞれ指名が行われ、意見が異なる場合は衆議院の意見が優先されます。指名された人は、天皇陛下による任命式(親任式)を経て、正式に総理大臣に就任します。

この仕組みを子供に説明するとき、私は「学級委員を選ぶのに似てるよ」と例えました。クラスのみんなで投票して決めるように、国民が選んだ国会議員が総理大臣を選ぶんだよ、と。すると「なるほど!」と納得してくれました。

政治権力の有無という決定的な違い

天皇と総理大臣の最も大きな違いは、政治権力を持っているかどうかです。

天皇は政治的権能を持たない

日本国憲法第4条には「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」と明記されています。

つまり、天皇陛下は政治的な決定を一切行えません。法律を作ることも、政策を決めることも、予算を使うことも、すべて内閣(総理大臣と大臣たち)が決定します。天皇陛下はその決定を形式的に承認する儀式を行うだけなんです。

総理大臣は実質的な政治権力の中心

一方、総理大臣は日本の政治の実質的なトップです。内閣を率いて政策を決定し、実行に移す権限を持っています。

たとえば新型コロナウイルス対策でも、緊急事態宣言を出すかどうか、どんな支援策を行うかなど、すべて総理大臣を中心とした内閣が決めていました。国民生活に直接影響を与える決定を下せるのは総理大臣なんです。

子育て支援策についても、私たち母親が恩恵を受けている児童手当の増額などは、すべて総理大臣が率いる内閣が決めた政策です。私たちの日常生活に直結する決定をしているのが総理大臣だと実感しますよね。

どちらが「偉い」のか?

よくある質問が「天皇と総理大臣、どっちが偉いの?」というものです。

実は、この質問には明確な答えがありません。なぜなら、両者は全く異なる役割を持っているからです。

天皇は「日本国の象徴」として、政治を超えた存在です。国旗や国歌と同じように、日本という国そのものを表す存在なので、「偉い」「偉くない」という尺度では測れません。

総理大臣は「国民の代表」として、政治的な責任を負う存在です。国民から選ばれた国会議員によって指名され、国民のために政治を行います。

形式的には、総理大臣を任命するのは天皇陛下です。親任式では、総理大臣が天皇陛下に最敬礼をします。また、諸外国では天皇陛下を国家元首として扱っています。

しかし実質的な政治権力は総理大臣が持っています。日本は「国民主権」の国ですから、主権者である国民の代表が総理大臣だと言えます。

「どちらが偉いか」ではなく、「それぞれ異なる重要な役割を担っている」と理解するのが正しいでしょう。

責任の所在の違い

もう一つの重要な違いは、責任の所在です。

天皇は責任を負わない

天皇陛下が行う国事行為には、すべて「内閣の助言と承認」が必要です。そして憲法第3条には「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ」と書かれています。

つまり、天皇陛下が何かをされても、その責任は内閣(総理大臣)が負うのです。天皇陛下ご自身は政治的な責任を一切負いません。

総理大臣は国会と国民に責任を負う

対して総理大臣は、自分の決定に対して大きな責任を負います。国会で説明責任を果たさなければならず、国民からの批判にもさらされます。

政策が失敗すれば支持率が下がり、場合によっては内閣不信任案が可決されて総辞職に追い込まれることもあります。日本は議院内閣制を採用しているため、総理大臣は常に国会(ひいては国民)からの信任を必要とするのです。

私が政治のニュースを見ていて思うのは、総理大臣は本当に厳しい立場だということです。どんな決定をしても必ず賛否両論があり、批判を受けます。それでも国のために決断を下し続ける姿には、立場を超えて敬意を感じますね。

国内外での役割の違い

国内と国際社会における役割にも違いがあります。

天皇の役割

国内では、天皇陛下は国民統合の象徴として、様々な式典や行事に参加されます。国会開会式でのおことば、全国植樹祭や国民体育大会へのご臨席など、国民と触れ合う機会を大切にされています。

国際的には、天皇陛下は国家元首として扱われます。外国を訪問される際には元首としての礼砲21発で迎えられます。外国の大使や公使を接受されるのも、外交上の儀礼として重要な役割です。

私の両親の世代は、天皇陛下が各地を訪問される様子をとても大切に感じていたようです。「天皇陛下がいらっしゃる」というだけで、地域全体が明るくなったと聞いたことがあります。

総理大臣の役割

総理大臣は、国内では政策を決定・実行し、国会で説明します。また、記者会見を通じて国民に直接語りかけることも重要な役割です。

国際的には、各国の首脳と対等な立場で外交交渉を行います。G7サミットなどの国際会議に出席し、日本の立場を主張し、他国と協議します。条約の締結や経済連携協定の交渉など、実質的な外交を担うのは総理大臣です。

最近では、総理大臣が外国を訪問して首脳会談を行う様子がよくニュースになりますよね。私も子供と一緒に見ながら、「これが日本のために交渉しているんだよ」と説明しています。

任期と在職期間の違い

天皇と総理大臣では、その地位にある期間も大きく異なります。

天皇の在位期間

天皇の地位には任期がありません。基本的には生涯その役割を担います。ただし、2019年には上皇陛下(当時の天皇陛下)が生前退位をされ、現在の天皇陛下が即位されました。これは特例法によって実現したもので、天皇ご自身の強い希望があったからこそ可能になりました。

天皇の地位は世襲ですから、誰がいつ天皇になるかはあらかじめ決まっています。選挙で選ばれるわけではないので、「任期」という概念がないんです。

総理大臣の在任期間

総理大臣には憲法上の明確な任期はありませんが、実質的には国会の信任が続く限りその地位にあります。

衆議院議員の任期は4年ですが、解散があればそれより短くなります。また、参議院で問責決議が可決されたり、衆議院で内閣不信任案が可決されたりすれば、総理大臣は総辞職するか衆議院を解散するかを選ばなければなりません。

戦後の日本では、8年以上の長期政権を務めた総理大臣もいれば、1年足らずで退陣した総理大臣もいます。国民や国会からの支持があれば長く続けられますし、支持を失えば短期間で交代することになるのです。

国民との関係性の違い

天皇と総理大臣では、国民との関係性も異なります。

天皇と国民の関係

天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基く」と憲法に書かれています。つまり、天皇制は国民全体の意思によって支えられているのです。

天皇陛下は政治に関わらないからこそ、特定の政治的立場に偏ることなく、すべての国民の象徴でいられます。災害が起きたときなど、天皇皇后両陛下が被災地を訪問されて被災者を励まされる姿に、多くの国民が心を動かされますよね。

私も東日本大震災のとき、当時の天皇陛下のビデオメッセージに涙したことを覚えています。政治を超えた存在だからこそ、あの言葉が心に染みたのだと思います。

総理大臣と国民の関係

総理大臣は、国民が選んだ国会議員によって選ばれます。つまり、間接的には国民の代表と言えます。

ただし、総理大臣の政策には必ず賛否があります。支持する人もいれば批判する人もいます。それが民主主義の健全な姿です。総理大臣は選挙や世論調査を通じて国民の意思を確認し、それを政策に反映させる責任があります。

私自身、総理大臣の政策について夫と議論することがあります。「この政策は良いと思うけど、あれはどうかな」なんて。それができるのも、総理大臣が政治的な決定をする存在だからですよね。

よくある質問

Q1:天皇陛下は給料をもらっているの?

天皇陛下や皇族の方々は「給料」ではなく「皇族費」や「内廷費」という形で、国の予算から生活費が支給されています。これは私たちの税金から出ていますが、憲法で定められた制度の一部です。

天皇陛下や皇族の方々は職業を選ぶ自由がありませんし、私的に収入を得る活動もできません。そのため、公的な立場で活動するための費用として国が負担しているんです。ちなみに、天皇陛下は税金を納める義務はありませんが、自主的に所得税に相当する金額を納められています。

Q2:総理大臣になるにはどうすればいいの?

総理大臣になるには、まず国会議員になる必要があります。そして、国会での指名選挙で過半数の票を獲得しなければなりません。

実際には、衆議院で多数を占める政党の党首が総理大臣に選ばれることがほとんどです。ですから、まずは国会議員を目指し、政党内で実績を積み、党首になることが総理大臣への道と言えるでしょう。学歴や職歴に特別な制限はありませんが、高度な政治的判断力やリーダーシップが求められる非常に難しい役職です。

Q3:天皇陛下は何歳から天皇になるの?

天皇になる年齢に決まりはありません。皇位継承の順位が決まっているので、前の天皇が崩御されたり退位されたりした時点で、次の順位の方が年齢に関係なく即位されます。

歴史を見ると、幼い頃に即位された天皇もいれば、ある程度年齢を重ねてから即位された天皇もいらっしゃいます。現在の天皇陛下は、上皇陛下の退位に伴い、59歳で即位されました。

Q4:総理大臣は天皇陛下の命令に従わなければならないの?

いいえ、そんなことはありません。日本国憲法では、天皇陛下は「国政に関する権能を有しない」と明記されています。つまり、天皇陛下が総理大臣に何かを命令したり、政治的な指示を出したりすることはできません。

総理大臣が天皇陛下から任命を受けるのは、あくまでも憲法で定められた儀式です。実質的には国会が総理大臣を選んでいるので、総理大臣が従うのは憲法と国会(国民の代表)です。天皇陛下と総理大臣は、それぞれ独立した役割を持っているんです。

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まとめ

天皇と総理大臣の違いをまとめると、次のようになります。

天皇は日本国と日本国民統合の象徴であり、政治的権力を持ちません。世襲によって受け継がれ、憲法で定められた国事行為(儀式的な行為)のみを行います。内閣の助言と承認に基づいて行動し、政治的責任は負いません。国内外で国家元首として扱われ、国民統合の象徴として長く在位されます。

総理大臣は日本の政治の実質的なトップであり、強い政治権力を持ちます。国会で指名され、内閣を率いて政策を決定・実行します。国会と国民に対して責任を負い、支持を失えば辞任に追い込まれることもあります。実質的な外交交渉を担い、在任期間は国会の信任次第で変動します。

どちらも日本にとって欠かせない存在ですが、役割は全く異なります。天皇は政治を超えた象徴的存在として、総理大臣は政治の責任者として、それぞれが日本を支えているのです。

この記事を読んで、天皇と総理大臣の違いが少しでもクリアになったら嬉しいです。子供に聞かれたときも、自信を持って説明できますね!