日常生活やビジネスシーンでよく耳にする「探求」と「追求」。どちらも「たんきゅう」「ついきゅう」と読み、何かを求める意味を持っていますが、実は使い分けが必要な言葉なんです。
私自身、子供たちに「なぜ勉強するの?」と聞かれたとき、「知りたいことを探求する心が大事だよ」と答えたことがあります。でも後で考えると、「追求」の方が適切だったかも…?なんて悩むことがありました。同じように、この2つの言葉の違いに迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。
今回は、「探求」と「追求」の違いを分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、もう使い分けに迷うことはありません!
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「追求」「追究」「追及」の違い!正しい使い分けと覚え方
「探求」とは
TLに万年筆を好きになりはじめた方の投稿が流れてくる。買いはじめた頃の自分を思い出して楽しい。
— おうし♉︎(文房具) (@taurustationery) October 13, 2025
万年筆の探求はメーカー、字幅、インク、紙、個体差などの要素が絡み合い底なしの沼である😎 pic.twitter.com/rPnpfBfOAt
探求とは、ある物事を手に入れようとして、探し求めることを意味します。「探」という漢字には「探す」「さがす」という意味があり、目的のものを見つけるまで、探し続けるというニュアンスがあります。
探求は、より個人的、主観的な動機に基づいて何かを深く追い求める行為を指します。自分自身の興味や関心、情熱から生まれる探し求める姿勢が「探求」なのです。
「探求」を使う場面
探求は、まだ見つかっていないものを自ら探していく場面で使います。例えば:
- 真理の探求
- 美の探求
- 自分の生き方を探求する
- 理想の暮らしを探求する
- 新しい価値観を探求する
私の友人は、子育てをしながら「自分らしい働き方」を探求し続けています。会社員、フリーランス、在宅ワークなど、いろいろな働き方を試しながら、自分にぴったりの形を探している姿は、まさに「探求」の姿勢だと感じます。
「探求心」という言葉
「探求心」とは、物事に興味を持って、追いかけ求める気持ちを意味します。子供が「なんで?」「どうして?」と次々と質問してくる様子は、まさに探求心の表れですね。
我が家の子供たちも、虫を見つけては図鑑で調べたり、料理のお手伝いで「なんで水は沸騰するの?」と聞いてきたり。そんな探求心を大切に育てていきたいと思っています。
「追求」とは
ブランドサイト制作において、必ずしも使いやすさを追求するのが正解かという疑問を持っています🌀
— 清野 剛|東京ウェブ㍿ (@keyouknow) October 19, 2025
人気順ソートなどの便利な機能は、ユーザーに親切である一方、ブランド側がそこまで歩み寄るべきか。
ユーザーの利便性を優先するか、あえて合わせさせないブランドの姿勢を貫くべきか…とか。
追求とは、目的のものを手に入れるため、どこまでも粘り強く追いかけ求めることです。「追」という漢字には「追いかける」という意味があり、目標に向かってどこまでも追い続けるというニュアンスがあります。
追求は、誰もが求めているポジティブなものに対して使われます。利益、幸福、理想、夢など、具体的な目標を追いかけ続ける姿勢を表す言葉です。
「追求」を使う場面
追求は、明確な目標があり、それを手に入れるために努力し続ける場面で使います。例えば:
- 利益の追求
- 幸福の追求
- 快適さを追求したデザイン
- 品質を追求した商品
- 理想の追求
お店で「使いやすさを追求した調理器具」という表示を見かけることがありますよね。これは、メーカーが「使いやすさ」という明確な目標に向かって、何度も改良を重ねてきたことを表しています。
私自身、家事の効率化を追求してきた結果、時短テクニックをいくつも見つけることができました。掃除道具の配置を工夫したり、料理の作り置きを活用したり。「もっと楽にできないか」という明確な目標があったからこそ、いろいろな方法を試すことができたんです。
「探求」と「追求」の違い
では、「探求」と「追求」の違いを整理してみましょう。
意味の違い
探求は、美や真理のような、どちらかと言うと求めても容易には得られないものに対して使われます。一方、追求は、より具体的で手に入れられる可能性のあるものに使われます。
探求は「探す」プロセスに重点があり、追求は「追いかける」姿勢に重点があると言えます。
使い分けのポイント
探求を使う場合:
- まだ見つかっていないものを探している
- 個人的な興味や関心から生まれる行動
- 抽象的なもの、答えがすぐに見つからないもの
追求を使う場合:
- 明確な目標がある
- その目標に向かって粘り強く努力する
- 具体的なもの、達成可能なもの
「利潤追求」や「幸福追求の権利」などと使いますが、「利潤探求」や「幸福探求の権利」などとは使いません。これは、利益や幸福といった具体的な目標を追いかける場合は「追求」を使うというルールがあるからです。
英語ではどう違う?
探求は英語で「Quest」、探究は「Inquiry」に対応します。「Quest」と聞くと、ゲームで冒険しながら何かを探す「クエスト」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。まさに、探し求める旅のようなイメージですね。
一方、追求は英語で「Pursuit」に近いニュアンスです。目標を追いかけ続けるという積極的な姿勢を表します。
「探求」と「追求」の例文
実際の使い方を例文で確認してみましょう。
「探求」の例文
- 彼女は自分らしい生き方を探求している
- 芸術家たちは常に新しい表現方法を探求し続けている
- 子供の探求心を大切に育てることが重要だ
- 真理の探求は、人類が古くから続けてきた営みである
- 彼は幸せとは何かを探求する旅に出た
「追求」の例文
- 企業は利益の追求だけでなく、社会貢献も考えるべきだ
- 使いやすさを追求したキッチン用品が人気を集めている
- アスリートは常に最高のパフォーマンスを追求している
- このレストランは味の追求にこだわり続けている
- 私たちには幸福を追求する権利がある
実際に書いてみると、違いがよく分かりますね。「探求」は個人的な内面の探索、「追求」はより具体的な目標達成というイメージです。
「探求」と「追求」を混同しやすい理由
なぜこの2つの言葉は混同しやすいのでしょうか。
音が似ている
「たんきゅう」と「ついきゅう」。声に出して読むと、とても似ていますよね。特に会話の中では聞き分けるのが難しいこともあります。
意味が重なる部分がある
どちらも「何かを求める」という基本的な意味は同じです。そのため、文脈によってはどちらを使っても通じてしまうことがあります。
例えば、「知識を探求する/追求する」という場合、どちらも使えそうに思えます。でも、厳密に言えば:
- 知識を探求する: まだ知らない知識を探し求める
- 知識を追求する: より深い知識を粘り強く求め続ける
というニュアンスの違いがあるんです。
実生活での使い分け体験談
私自身、この2つの言葉の使い分けを意識するようになったのは、ある出来事がきっかけでした。
子供が学校で「将来の夢」について作文を書いたとき、「パティシエになって美味しいケーキを追求したい」と書いていました。先生からは「探求の方がいいかもしれませんね」とコメントがありました。
最初は「どっちでもいいのでは?」と思ったのですが、よく考えると:
- 美味しいケーキという明確な目標があるなら「追求」
- まだ見ぬ新しい味を探し求めるなら「探求」
という違いがあることに気づきました。子供と一緒に辞書を引いて調べたのは、いい学びの機会になりました。
また、私がハンドメイド作品を作っているとき、「自分らしい作風を探求している」と言っていたのですが、友人から「もう作風は確立されているんだから、追求じゃない?」と指摘されたことも。確かに、私にはもう「こういうものを作りたい」という明確な方向性があったので、「追求」の方が適切だったんですね。
関連する言葉「追究」「追及」について
ちなみに、同じ「ついきゅう」と読む言葉には、「追究」と「追及」もあります。簡単に紹介しておきましょう。
「追究」とは
追究とは、不明確なことを、どこまでも深く調べきわめることを意味します。主に学問や研究の場面で使われます。
例: 原因を追究する、真相を追究する
「追及」とは
追及とは、欠点や失敗などを、どこまでも問いただすことを意味します。責任を問う場面で使われます。
例: 責任を追及する、疑惑を追及する
4つの「きゅう」の使い分けは本当に難しいですが、それぞれ明確な違いがあるんですね。
よくある質問
Q1. 「探求心」と「追求心」はどう違いますか?
「探求心」は、物事に興味を持って、追いかけ求める気持ちのことです。新しいことや未知のことに対する好奇心を表します。
一方、「追求心」は、明確な目標に向かって粘り強く求め続ける姿勢を表します。探求心によって新たな知識を求め、追求心によってそれを諦めずに粘り強く求めていくというイメージです。
例えば、子供が「これって何?」と興味を持つのが探求心、それを図鑑で調べ続けたり実際に試してみたりするのが追求心と言えるでしょう。
Q2. ビジネスシーンではどちらを使うべきですか?
ビジネスシーンでは、「追求」を使うことが多いです。なぜなら、ビジネスでは「利益の追求」「品質の追求」「効率の追求」など、明確な目標があることがほとんどだからです。
ただし、新規事業や商品開発など、まだ答えが見えていない段階では「新しい価値を探求する」という表現も使えます。状況に応じて使い分けましょう。
Q3. 履歴書や自己PRで使う場合は?
履歴書や自己PRでは、自分がどんな姿勢で物事に取り組むかを表現するために使います。
- 「探求心が強い」: 新しいことへの好奇心、学ぶ意欲をアピール
- 「追求心が強い」: 目標達成への粘り強さ、完璧を目指す姿勢をアピール
どちらを使うかは、あなたがどんな強みを伝えたいかによって決めましょう。
Q4. 子供に説明するならどう教えればいい?
子供には、こんな風に説明するのがおすすめです。
「探求」は、宝探しのようなもの。どこにあるか分からない宝物を探している状態だよ。
「追求」は、マラソンのようなもの。ゴールという明確な目標があって、そこに向かって走り続けることだよ。
身近な例を使って説明すると、子供も理解しやすくなります。
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「探求」と「追求」、どちらも何かを求める姿勢を表す言葉ですが、使い分けが大切です。
探求:
- まだ見つかっていないものを探し求めること
- 個人的な興味や関心から生まれる行動
- 抽象的なもの、答えがすぐに見つからないものに使う
- 例: 真理の探求、自分らしさを探求する
追求:
- 明確な目標に向かって粘り強く追いかけ求めること
- 具体的で達成可能なものに使う
- 利益、幸福、品質など、ポジティブな目標に使う
- 例: 利益の追求、使いやすさを追求する
言葉の使い分けは難しいですが、意味を理解すれば自然と使えるようになります。この記事が、あなたの「探求」と「追求」の使い分けの助けになれば嬉しいです。日常生活でも、ぜひ意識して使ってみてくださいね!

