メジャーリーグ(MLB)を観戦していると、「ア・リーグ」と「ナ・リーグ」という言葉をよく耳にしますよね。大谷翔平選手がエンゼルスからドジャースに移籍したとき、「ア・リーグからナ・リーグへ」って報道されていましたが、正直なところ「何が違うの?」って思った方も多いのではないでしょうか。
実は私も子供たちと一緒に野球中継を見ているとき、「ママ、この2つって何が違うの?」って聞かれて、答えられなくて困った経験があります!今は2022年からルールがほぼ統一されて、昔ほど大きな違いはなくなったんですが、それでもリーグごとの特徴や歴史はしっかり残っているんですよ。
この記事では、ア・リーグとナ・リーグの違いについて、野球初心者の方でも分かりやすく解説していきます。これを読めば、試合観戦がもっと楽しくなること間違いなしです!
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「ア・リーグ」とは
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ア・リーグ(アメリカンリーグ)は、正式名称を「アメリカン・リーグ・オブ・プロフェッショナル・ベースボール・クラブズ」といいます。
もともとは1900年にマイナーリーグだった「ウェスタンリーグ」が名前を変えたもので、翌1901年にメジャーリーグとして正式にスタートしました。つまり、ナ・リーグよりも後にできた「後発組」なんですね。
現在は東地区、中地区、西地区の3つに分かれ、合計15チームが所属しています。代表的なチームには、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、シアトル・マリナーズなどがあります。ちなみに、ア・リーグには唯一カナダに本拠地を持つトロント・ブルージェイズも所属しているんですよ!
ア・リーグは昔から「パワフルな野球」「打撃重視」というイメージが強く、ホームランがバンバン出る派手な試合展開が特徴的でした。これは後ほど説明する「指名打者制度(DH制)」を1973年にいち早く導入したことが大きく影響しています。
「ナ・リーグ」とは
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ナ・リーグ(ナショナルリーグ)の正式名称は「ナショナル・リーグ・オブ・プロフェッショナル・ベースボール・クラブズ」です。
こちらは1876年に設立された、なんと世界最古のプロスポーツリーグなんです!148年以上の歴史を持つ、まさに「野球の元祖」ですね。当時は賭博や八百長が横行していたナショナル・アソシエーションの問題を解決するため、より厳格で倫理的な組織として誕生しました。
ナ・リーグもア・リーグと同じく、東地区、中地区、西地区に分かれた15チーム制です。有名なチームには、ロサンゼルス・ドジャース、サンフランシスコ・ジャイアンツ、シカゴ・カブスなどがあります。全15チームすべてがアメリカ国内に本拠地を構えているのも特徴です。
ナ・リーグは長年「伝統的な野球」「戦略重視」というスタイルを守ってきました。2021年まで投手も打席に立つルールを続けていたため、投手の打撃や代打のタイミングなど、緻密な作戦が試合の見どころでした。
2つのリーグの最大の違いは「DH制度」だった
ア・リーグとナ・リーグの最も大きな違い、それは長年にわたって「指名打者制度(DH制)」の有無でした。
DH制とは、「投手の代わりに打撃専門の選手が打席に立てる」というルールのこと。ア・リーグでは1973年にこの制度を導入したため、投手は守備だけに専念でき、代わりにパワーヒッターが打席に立てるようになったんです。これによって試合での得点が増え、観客も喜ぶエンターテイメント性の高い野球になりました。
一方、ナ・リーグは2021年まで投手も打席に立つ伝統的なスタイルを守り続けました。投手は打撃が苦手な選手が多いので、送りバントで走者を進める作戦や、ここぞというタイミングでの代打起用など、監督の采配が試合を左右する「頭脳戦」が展開されていたんです。
私が初めてMLBの試合を観たとき、投手がバットを振ってる姿を見て「え?投手も打つの!?」って驚いた記憶があります。日本のプロ野球では当たり前の光景ですが、当時ア・リーグではまったく見られない光景だったんですよね。
しかし!2022年からはナ・リーグでもDH制が正式に導入され、現在は両リーグとも同じルールで試合が行われるようになりました。これを「ユニバーサルDH」と呼びます。つまり、今はルール上の大きな違いはほとんどなくなったということなんです。
リーグの歴史と成り立ちの違い
ナ・リーグとア・リーグは、そもそも誕生の経緯が全く違います。
ナ・リーグは1876年に、プロ野球界の混乱を整理するために設立されました。当初は8チームでスタートし、シカゴ・カブスやアトランタ・ブレーブス(当時はボストン・レッドストッキングス)などが創設メンバーとして参加していました。アメリカのプロ野球の礎を築いた、まさに「本家本元」なんです。
一方、ア・リーグは元々ナ・リーグ傘下のマイナーリーグだった「ウェスタンリーグ」が前身です。1900年に「アメリカンリーグ」と改名し、翌1901年にバン・ジョンソン会長の主導で「メジャーリーグ宣言」を行いました。
面白いのは、当初ア・リーグとナ・リーグは激しいライバル関係、というより敵対関係にあったということ!ア・リーグはナ・リーグのスター選手をより高い年俸で次々と引き抜き、ナ・リーグが進出していない都市に積極的に球団を作りました。この「ベースボール・ウォー」と呼ばれる争いは、野球界を二分する大問題になったんです。
でも、この対立は長く続きませんでした。1903年に両リーグは和解協定を結び、お互いをメジャーリーグとして認め合うことに。そして、各リーグの優勝チームが年間王者を決める「ワールドシリーズ」が創設されました。これが現在のMLB二大リーグ制の始まりなんですね。
子供と野球の歴史を調べていたとき、「昔はライバル同士だったんだね!でも仲良くなってよかったね」って言われて、確かにそうだなって思いました。今では協力し合って、一緒に野球界を盛り上げているのが素敵ですよね。
チーム構成と地理的な違い
現在、ア・リーグとナ・リーグはそれぞれ15チームずつ、合計30チームで構成されています。各リーグは東地区、中地区、西地区の3地区に分かれ、各地区に5チームが所属しています。
地理的な配置を見ると、ア・リーグには東海岸の人気チームが多いです。ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックスなど、伝統的な強豪チームが集まっているのが特徴的ですね。また、ア・リーグには唯一カナダに本拠地を構えるトロント・ブルージェイズがあります。ブルージェイズの試合では、アメリカ国歌だけでなくカナダ国歌も演奏されるんですよ!
一方、ナ・リーグは西海岸に強豪チームが多く集まっています。ロサンゼルス・ドジャース、サンフランシスコ・ジャイアンツなどは、西海岸を代表する人気球団です。ナ・リーグの全15チームは、すべてアメリカ国内に本拠地があります。
面白いのは、2013年までチーム数がア・リーグ14球団、ナ・リーグ16球団とバラバラだったこと。でも、ヒューストン・アストロズがナ・リーグからア・リーグに移籍したことで、やっと両リーグ15球団ずつの均等な編成が実現したんです。
私が家族で旅行したとき、たまたまドジャースタジアムの近くを通ったんです。子供たちが「あ!野球場だ!」って大興奮。実際に見ると、球場ごとに全然雰囲気が違って、まるでテーマパークを巡ってるみたいで楽しかったですよ。
プレースタイルと試合の雰囲気の違い
2022年以降はルールが統一されましたが、それでも両リーグには独特のプレースタイルや雰囲気の違いが残っています。
ア・リーグは伝統的に「パワー野球」「打撃重視」のスタイルです。DH制を長年採用してきた影響で、ホームランを打てる強打者が多く集まり、派手で点の入りやすい試合展開になる傾向があります。ニューヨーク・ヤンキースのような球団は、まさにこのパワフルなスタイルの象徴ですね。試合を見ていると、バンバンホームランが飛び出して「おお~!」ってなることが多いです。
一方、ナ・リーグは「戦略野球」「投手力重視」という伝統があります。2021年まで投手も打席に立っていた影響で、送りバント、盗塁、代打のタイミングなど、細かい作戦を駆使する試合が多く見られました。ロサンゼルス・ドジャースやサンフランシスコ・ジャイアンツは、この緻密な野球の代表格です。
実際、統計を見るとア・リーグの方がホームラン数や平均得点が高い傾向にあります。対してナ・リーグは、投手の防御率が良く、守備的な試合が多いというデータもあります。
観戦しているファンの雰囲気も少し違うんですよ。ア・リーグはファミリー層や野球初心者が多く、明るくにぎやかな雰囲気。ホームランが出たときの盛り上がりはすごいです!一方、ナ・リーグには伝統を重んじるコアなファンが多く、「野球はこうあるべき」という熱い想いを持つ人が多い印象があります。
私も最初はホームランがバンバン出るア・リーグの試合の方が分かりやすくて好きだったんですが、慣れてくるとナ・リーグの緻密な駆け引きも面白くなってきました!見れば見るほど奥が深い、それが野球の魅力ですよね。
人気チームと有名選手の違い
ア・リーグとナ・リーグには、それぞれ歴史ある人気チームと伝説的な選手がいます。
ア・リーグの人気チームとしては、まず何と言ってもニューヨーク・ヤンキース!MLBで最も多くのワールドシリーズ優勝を誇る超名門です。ベーブ・ルース、ジョー・ディマジオ、デレク・ジーターなど、野球界のスーパースターを次々と輩出してきました。ライバルのボストン・レッドソックスとの「赤と青の対決」は、MLB最大の名勝負として知られています。
日本人選手では、イチロー選手、松井秀喜選手、田中将大選手、大谷翔平選手(エンゼルス時代)などがア・リーグで活躍しました。特にシアトル・マリナーズには、イチロー選手の影響で今でも多くの日本人ファンがいますよね。
ナ・リーグの人気チームでは、ロサンゼルス・ドジャースが有名です。日本人選手では野茂英雄選手、石井一久選手、前田健太選手、そして現在は大谷翔平選手と山本由伸選手が所属しています。西海岸の温暖な気候とセレブな雰囲気もあって、観光としても人気のある球団です。
シカゴ・カブスは、108年ぶりの優勝という感動的なストーリーで知られる伝統球団。サンフランシスコ・ジャイアンツは、かつてバリー・ボンズが在籍し、現在も強豪として君臨しています。
我が家では子供たちがそれぞれ好きなチームが違って、「ヤンキース派」と「ドジャース派」で分かれてるんです(笑)。試合があるときは家族みんなでワイワイ観戦して、それぞれ応援するのが楽しい時間になっています。
どっちが強い?人気はどちら?
「結局、ア・リーグとナ・リーグ、どっちが強いの?」これは長年ファンの間で議論されているテーマです!
昔は「人気のナ・リーグ、実力のア・リーグ」なんて言われていました。ナ・リーグには歴史的な人気球団が多く、ファン層も厚い。一方、ア・リーグはDH制によって打撃力が高く、パワフルな野球で観客を魅了してきました。
でも、実際のところ、どちらが強いかは時代によって変わります。例えばオールスターゲームの成績を見ると、1963年から82年まではナ・リーグが圧倒的に強く、11連勝を記録したこともありました。逆に1997年から2009年まではア・リーグが12連勝するなど、波があるんです。最近はまたナ・リーグが強くなっているという分析もあります。
ワールドシリーズの優勝回数で見ても、両リーグはほぼ互角。つまり、明確に「こっちが強い!」とは言えないんですね。むしろ、時期やチームの戦略、選手の質によって勝ったり負けたりを繰り返しているのが現実です。
人気面では、地域や世代によって好みが分かれます。ヤンキースやレッドソックスのような東海岸の伝統球団が好きな人はア・リーグを応援するでしょうし、ドジャースやジャイアンツの西海岸の雰囲気が好きな人はナ・リーグのファンになります。
私個人としては、どちらも魅力的で、優劣をつけるものではないと思っています。大切なのは、自分が「このチーム、面白い!」「この選手、かっこいい!」って思えるかどうか。そうやって応援するチームを見つけられたら、野球観戦はもっともっと楽しくなりますよ!
よくある質問
Q1. 今でもア・リーグとナ・リーグでルールの違いはあるの?
2022年以降、両リーグともDH制(指名打者制度)が採用されたため、現在は基本的なルールに違いはありません。かつては「ア・リーグはDH制あり、ナ・リーグはDH制なし」という大きな違いがありましたが、今は統一されています。ただし、各リーグの歴史や伝統、ファンの雰囲気などの「文化的な違い」は今でも残っていますよ。
Q2. 日本人選手が活躍しやすいのはどっち?
どちらのリーグでも日本人選手は活躍しています!ア・リーグではイチロー選手(マリナーズ)、松井秀喜選手(ヤンキース)、大谷翔平選手(エンゼルス)など。ナ・リーグでは野茂英雄選手(ドジャース)、前田健太選手(ドジャース)、大谷翔平選手(ドジャース)などが有名です。どちらのリーグかよりも、チームの環境や監督との相性、選手本人のスタイルが合うかどうかの方が重要だと思います。
Q3. ワールドシリーズってどうやって決まるの?
ワールドシリーズは、ア・リーグとナ・リーグそれぞれのチャンピオンが戦う、MLBの最終決戦です。まず各リーグでポストシーズン(プレーオフ)が行われ、各地区の優勝チームとワイルドカード(成績上位チーム)が勝ち抜き戦を行います。そこで勝ち残った各リーグのチャンピオンが、7回戦制(先に4勝した方が優勝)のワールドシリーズで対決するんです。これがMLBの頂点を決める戦いなんですね!
Q4. 応援するならどっちのリーグがおすすめ?
これは完全に好み次第です!ホームランがバンバン出る派手な試合が好きなら、伝統的にパワー野球のア・リーグがおすすめ。緻密な作戦や守備の美しさを楽しみたいなら、戦略重視のナ・リーグが面白いでしょう。ただし、2022年以降はルールが統一されたので、今は「好きな選手がいるチーム」や「応援したくなる球団」で選ぶのが一番だと思いますよ!
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ア・リーグとナ・リーグの違いについて、いかがでしたか?
簡単におさらいすると、
- ア・リーグ:1901年設立の後発リーグ。パワー野球とエンターテイメント性を追求する「革新派」
- ナ・リーグ:1876年設立の世界最古のプロスポーツリーグ。伝統と戦略を重視する「野球の本家本元」
- 最大の違い:かつてはDH制の有無だったが、2022年から両リーグとも採用して統一された
- 現在の違い:ルールはほぼ同じだが、各リーグの歴史、文化、ファンの雰囲気に独自性が残る
昔は明確なルールの違いがあったア・リーグとナ・リーグですが、今では同じルールで戦う仲間同士になりました。それでも、100年以上積み重ねてきた歴史と伝統は簡単には消えません。各リーグの個性や魅力は、今もしっかりと受け継がれているんです。
これからメジャーリーグを観戦するときは、ぜひこの違いを意識してみてください。「このチームはア・リーグらしい豪快な野球だな」とか「さすがナ・リーグ、緻密な作戦だ」とか、そんなふうに見ると、試合がもっともっと面白くなりますよ!
私も最初は「2つもリーグがあって複雑だな」って思ってましたが、知れば知るほど奥が深くて、今では子供たちと一緒に毎試合楽しく観戦しています。野球って本当に素晴らしいスポーツですよね!

