普段何気なく使っている「ナルシスト」という言葉。でも、ニュースや新聞では「ナルシシスト」という表現を見かけることもありますよね。この2つの言葉、似ているけど何か違いがあるのでしょうか?
実は私も子育て中に、「うちの子、鏡ばっかり見てナルシストかも」なんて夫に言ったら、「ナルシシストって言うんじゃないの?」と返されて、混乱した経験があります。そこで今回は、この2つの言葉の違いをしっかり調べてみました!
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「ナルシスト」とは?
「ナルシスト」は、自己陶酔型の人、つまり自分のことが大好きでたまらない人のことを指します。鏡を見るたびに自分の姿にうっとりしたり、「オレってカッコいい」「私って可愛い」と思っている人を想像してもらうとわかりやすいですね。
オランダ語では「narcist(ナルシスト)」と表記され、日本では発音しやすいことから、この言葉が広く使われています。日常会話では圧倒的にこちらが使われていて、「あの人ナルシストだよね」という感じで気軽に使える言葉です。
自分の外見に自信があったり、自分の意見に絶対的な自信を持っていたり、SNSで自撮りをたくさん投稿したりする人を見て、「ナルシストだな」と表現することが多いです。
「ナルシシスト」とは?
一方で「ナルシシスト」は、もともとの英語「narcissist」に忠実な表記です。ナルキッソスのフランス読みである「Narcisse(ナルシス)」に、人を表す「ist」を付加した「Narcissist(ナルシシスト)」が本来の正しい形とされています。
意味としては「ナルシスト」と全く同じで、自己陶酔型の人、うぬぼれやさんのことを指します。ただ、新聞などのメディアでは「ナルシシスト」という表記が多く使われる傾向があります。より正式な場面や、心理学・精神医学の専門的な文脈で使われることが多い言葉です。
2つの言葉の違いは何?
結論から言うと、**「ナルシスト」と「ナルシシスト」は意味は全く同じです。**違いは表記の正式さと使われる場面だけなんです。
もともと「ナルシシスト」が正しい形でしたが、日本人が耳で聞いて発音した際に「ナルシスト」となり、こちらの方が言いやすいため日常会話で広まりました。つまり、「ナルシスト」は日本で定着した言いやすい形、というわけです。
使い分けのポイント:
- 日常会話・カジュアルな場面:「ナルシスト」
- フォーマルな文章・専門的な文脈:「ナルシシスト」
- 心理学や医学の話:「ナルシシスト」または「自己愛性パーソナリティ障害」
私の経験では、ママ友との会話で「あのパパ、ナルシストだよね」とは言いますが、「ナルシシスト」とは言いません。逆に、子供の発達について専門家に相談する時などは、「ナルシシズム」という言葉を使うこともあります。
他人から見たらナルシストらしい💜 pic.twitter.com/K6GKrbq07A
— 莉奈 (@konorina0615) October 17, 2025
言葉の由来:ギリシャ神話のナルキッソス
「ナルシスト」も「ナルシシスト」も、ギリシャ神話に登場する美少年「ナルキッソス」が語源になっています。
ナルキッソスは非常に美しい若者でしたが、多くの女性の愛を拒絶しました。そんな彼に神が罰を与え、水面に映る自分の姿に恋をしてしまいます。鏡を見たことがなかったナルキッソスは、それが自分だとは気づかず、叶わぬ恋に苦しみながら次第にやつれ、やがて死んでしまいました。
この悲しい物語から、自分自身を愛し過ぎる人のことを「ナルシスト(ナルシシスト)」と呼ぶようになったんですね。ちなみに、ナルキッソスの亡骸があった場所には水仙の花が咲いていたと言われ、水仙の花言葉にも「ナルシスト」という意味があります。
ナルシストとナルシシズムの関係
「ナルシスト(ナルシシスト)」という言葉を理解するには、「ナルシシズム」という概念も知っておくと便利です。
ナルシシズム(narcissism)とは、自己を愛したり、自己を性的な対象とみなす状態を言います。つまり、「ナルシシズム」は心の状態を表す言葉で、その状態にある人のことを「ナルシスト」や「ナルシシスト」と呼ぶわけです。
関係性をまとめると:
- ナルシシズム:自己愛という心理状態
- ナルシスト/ナルシシスト:ナルシシズムを持っている人
具体的な使い方と例文
「ナルシスト」を使った例文
- 「彼は鏡を見るたびに髪型を直している、本当にナルシストだよね」
- 「SNSに自撮りばかり投稿する彼女は、ちょっとナルシスト入ってるかも」
- 「自分のことをイケメンだと思っているナルシストな同僚がいる」
- 「息子が最近鏡ばかり見て、ナルシストになってきたみたい」
「ナルシシスト」を使った例文
- 「彼のナルシシスト的な性格が、人間関係に影響を与えている」
- 「心理学の授業で、ナルシシストの特徴について学んだ」
- 「新聞記事に、ナルシシスト傾向のある政治家について書かれていた」
- 「専門家によると、ナルシシストは他人への共感が苦手な傾向がある」
私の周りでは、ママ友との会話では「ナルシスト」、学校の先生や専門家と話す時は「ナルシシスト」を使うことが多いです。子供の心理面について相談する時などは、正式な言い方の方が安心感がありますよね。
ナルシストな人の特徴
言葉の違いがわかったところで、実際にナルシストな人にはどんな特徴があるのでしょうか?身近にいるかもしれない「ナルシストな人」の特徴を見ていきましょう。
根拠のない自信を持っている
ナルシストな人は、「オレならできる」「私は特別」という根拠のない自信に満ちています。失敗した経験があっても、「たまたまだ」「周りが悪かった」と考えがちです。
自分の話ばかりする
会話の中心が常に自分。「私はこう思う」「私はこうした」と自分の話題ばかりで、他人の話にはあまり興味を示しません。私の知り合いにも、どんな話題でも必ず自分の話に持っていく人がいて、正直疲れることがあります。
見た目にこだわる
外見を常に気にしていて、鏡を頻繁にチェックしたり、ブランド品や高級品を好んだりします。「人からどう見られるか」をとても重視しているんですね。
目立ちたがり屋
注目されることが大好きで、声が大きかったり、派手な行動をとったりします。SNSでも積極的に投稿して、「いいね」の数を気にするタイプが多いです。
プライドが高い
自分の非を認めにくく、批判されることを極端に嫌います。たとえ軽いいじりでも、自分がバカにされたと感じると怒ってしまうことも。
よくある質問
Q1:ナルシストとナルシシスト、どちらを使えばいいの?
友達との会話やカジュアルな場面では「ナルシスト」で大丈夫です。発音しやすいですし、みんなに伝わりやすいからです。ただし、論文やレポート、専門的な文章を書く時は「ナルシシスト」を使った方が適切です。新聞や公式な文書では「ナルシシスト」が使われることが多いので、フォーマルな場面では正式な表記を選びましょう。
Q2:「ナルシズム」という言い方もありますが、これも同じ意味ですか?
「ナルシズム」は「ナルシシズム」の短縮形で、意味は同じです。ただし、正式には「ナルシシズム」の方が正確な表記です。「ナルシズム」は日常会話ではよく使われますが、心理学や医学の分野では「ナルシシズム」という言葉が使われます。「シ」が1つ減っているだけで、どちらも自己愛という心理状態を指す言葉です。
Q3:ナルシストは悪いことなの?
ナルシストというと、なんとなくネガティブなイメージがありますよね。でも、必ずしも悪いことばかりではありません。適度な自己愛は、自信を持って物事に取り組むために必要です。ただし、自己愛が強すぎて他人への配慮がなくなったり、現実が見えなくなったりすると、人間関係にトラブルが生じることがあります。バランスが大切なんですね。
Q4:自分がナルシストかどうか、どうやってわかりますか?
自分の外見や能力に自信を持つこと自体は悪いことではありません。ただし、「他人の話を聞かない」「自分の間違いを認められない」「常に自分が一番だと思っている」などの特徴が複数当てはまる場合は、少しナルシスト傾向があるかもしれません。大切なのは、自分を愛しながらも他人を尊重できるかどうかです。もし周りの人との関係がうまくいっていないなら、一度振り返ってみるといいかもしれませんね。
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「ナルシスト」と「ナルシシスト」は、意味は全く同じで、どちらも自己陶酔型の人、うぬぼれやさんのことを指します。違いは表記の正式さと使われる場面だけです。
ポイントをおさらい:
- 意味は同じ:どちらも自分を愛し過ぎる人のこと
- ナルシスト:日常会話で使いやすい、日本で定着した形
- ナルシシスト:原語に忠実な正式な表記、メディアや専門分野で使われる
- 由来:ギリシャ神話の美少年ナルキッソスから
- 使い分け:カジュアルなら「ナルシスト」、フォーマルなら「ナルシシスト」
子育てをしていると、子供が自分の容姿を気にし始める時期があって、「ナルシストかな?」と思うこともあります。でも、自分を大切にすることと、ナルシストになることは別物。健全な自己愛を持ちながら、他人も尊重できる人になってほしいですね。
言葉の使い分けに迷ったら、この記事を思い出してください。友達との会話では気軽に「ナルシスト」、ちょっとかしこまった場面では「ナルシシスト」を使えば、バッチリですよ!

