「クラウン」という音を聞いて、どんな言葉を思い浮かべますか?実は、同じように聞こえる「クラウン」には、まったく違う意味の英単語が2つあるんです。それが「clown」と「crown」。見た目は1文字違うだけなのに、意味は正反対と言えるほど全然違います!
私も英語の勉強を子供と一緒に始めたとき、この2つの違いで混乱した経験があります。「LとRって、そんなに違うの?」と思っていましたが、実際に英語圏の人と話すようになって、この違いの大切さに気づきました。今回は、そんな「clown」と「crown」の違いについて、分かりやすく説明していきますね。
「clown」とは
“What is that?”
— elly. wtd era (@repzmore) November 10, 2025
“It’s a Clown.”#ITWelcomeToDerry pic.twitter.com/iN63FIvJ6l
「clown(クラウン)」は、「道化師」や「ピエロ」を意味する英単語です。サーカスやイベントで、面白い格好をして人々を笑わせてくれる人たちのことですね。
スペルは「c-l-o-w-n」で、真ん中に「L」が入っています。発音記号で書くと[kláun]となります。
「clown」には、道化師という基本的な意味のほかに、もうひとつ別の意味もあります。それは「おどけ者」や「ばか者」という意味。例えば、授業中にふざけている人のことを「class clown(クラスの道化役)」と呼んだりします。良い意味で使われることもあれば、ちょっと批判的な意味で使われることもある言葉なんです。
動詞としても使えて、「clown around」で「ふざける」「おどける」という意味になります。
「clown」の語源
「clown」の語源には諸説ありますが、有力なのは次の2つです。
ひとつは、「土の塊」「田舎者」「馬鹿者」という意味の英語「clod」から来ているという説。もうひとつは、古代ノルウェー語で「無骨者」を意味する「kluni」が語源だという説です。
面白い話として、昔、一番人を笑わせた人が偽物の王冠をもらうという風習があったという言い伝えもあります。偽物の王冠だから、本物の「crown」ではなく一文字違いの「clown」になった、という説もあるんですよ。
「crown」とは
Bro meeta sun wukong and gives him his crown.. 🐒👑 pic.twitter.com/g9q9oOjHTx
— Nature & Animals🌴 (@naturelife_ok) November 6, 2025
一方、「crown(クラウン)」は、「王冠」や「王位」を意味する英単語です。王様や女王様が頭に載せている、あのキラキラした冠のことですね。
スペルは「c-r-o-w-n」で、真ん中に「R」が入っています。発音記号で書くと[kráun]となります。
「crown」には王冠という意味のほかに、「頂点」や「栄冠」という意味もあります。また、歯医者さんで使う「被せ物(クラウン)」や、瓶ビールのフタも「crown」と呼ばれます。瓶のフタは、ひっくり返すと王冠みたいな形をしているからなんです。
ちなみに、トヨタの車「クラウン」も、このRを使った「crown」です。あのエンブレムは王冠ですよね。
「clown」と「crown」の発音の違い
この2つの単語、カタカナで書くとどちらも「クラウン」になってしまいますが、実際の英語の発音は全然違います。
その違いを生んでいるのが、真ん中にある「L」と「R」の音です。
「L」の発音(clown)
「L」を発音するときは、舌の先端を上の前歯の裏側(歯茎のあたり)にしっかりつけます。そこから舌を離すときに「ラ」のような音が出ます。舌が上の歯につくので、「ダ」に近い感覚もあります。
私が初めて意識して発音したとき、「こんなに舌を使うんだ!」とびっくりしました。日本語の「ラ」よりも、もっとはっきりと舌を歯茎につけるんですね。
「R」の発音(crown)
「R」を発音するときは、舌先をどこにもつけません。舌を内側に丸めるようにして、口をすぼめた状態で発音します。「ウ」の音が自然に入る感じになります。
実際に試してみると分かりますが、「R」の方が口がすぼまって、少し籠もったような音になります。一方、「L」は舌が歯につくので、もっとクリアな音になります。
私の失敗談を一つ。子供の英語教室で、「crown(王冠)」の絵を見せながら発音練習をしていたとき、うっかり「L」で発音してしまって「clown(道化師)」になってしまいました。先生に「道化師じゃなくて王冠ですよ」と優しく訂正されて、恥ずかしかったですね。でもそのおかげで、「LとRは本当に違うんだ」ということを実感できました。
間違えやすいシーン
日本人にとって、この2つの単語を間違えてしまうことは珍しくありません。実際、かなり重要な場面で間違えてしまった例もあります。
過去に、あるニュース番組で皇太子妃のことを「crown princess(皇太子妃)」と言うべきところを、「clown princess」と言ってしまったことがあったそうです。「王位の」プリンセスではなく、「道化師の」プリンセスになってしまい、ネイティブの人たちは「そんな間違いあり得ない!」と驚いたとのこと。
それくらい、英語圏の人にとっては明確に違う言葉なんですね。
覚え方のコツ
この2つを覚えるコツをいくつかご紹介します。
1. イメージで覚える
「crown」の「R」は、王冠のように丸く巻いた舌で発音する、と覚えると分かりやすいです。舌を丸めるのが「R」、と連想できますね。
「clown」の「L」は、舌を伸ばして(Long)歯につける、と覚えてもいいかもしれません。
2. 実際に声に出す
何度も声に出して練習するのが一番です。鏡を見ながら、舌の動きを確認しながら発音してみましょう。私も子供と一緒に、遊び感覚で何度も練習しました。
3. 文脈で確認する
会話の中では、文脈でどちらの意味か分かることが多いです。王様や女王の話をしているなら「crown」ですし、サーカスやお笑いの話なら「clown」ですよね。
実際の使い方と例文
「clown」の例文
- He works as a clown at the circus.(彼はサーカスで道化師として働いています。)
- Stop clowning around and focus on your work.(ふざけるのはやめて、仕事に集中して。)
- She’s the class clown and always makes everyone laugh.(彼女はクラスのムードメーカーで、いつもみんなを笑わせています。)
「crown」の例文
- The queen wore a beautiful crown.(女王は美しい王冠をかぶっていました。)
- He won the crown in the championship.(彼はチャンピオンシップで優勝しました。)
- I need to get a crown for this tooth.(この歯に被せ物をしてもらう必要があります。)
よくある質問
Q1:「clown」と「pierrot(ピエロ)」は同じものですか?
実は、厳密には違います。「pierrot(ピエロ)」はフランス語が語源で、「clown」の一種です。ピエロの特徴は、顔に涙のマークがあること。この涙は、「自分をばかにされて笑いを取っているけど、内心では悲しんでいる」という意味を表しています。
一方、「clown」には涙のマークがないことが多いです。日本では「ピエロ」という言葉が一般的ですが、英語圏では「clown」の方がよく使われます。
Q2:発音が似ているから、会話で混同されることはないのですか?
ネイティブスピーカーにとっては、「L」と「R」の音は明確に違うので、混同されることはほとんどありません。ただし、私たち日本人が発音すると、どちらも同じように聞こえてしまうことがあります。だからこそ、正しい発音を身につけることが大切なんです。
文脈で判断してくれることも多いですが、重要な場面では誤解を避けるためにも、はっきり発音するよう心がけましょう。
Q3:「clown」にはネガティブな意味もあると聞きましたが、使うときに注意が必要ですか?
はい、状況によって注意が必要です。「You’re such a clown!」は、親しい友達同士なら「あなたって面白いね!」という褒め言葉になりますが、真面目な場面では「ふざけるな」という批判になることもあります。
また、「What a clown.」と言うと、「なんてばかなんだ」という侮辱的な意味になることもあります。使う場面と相手との関係性を考えて使いましょう。
Q4:子供に英語を教えるとき、どうやってこの違いを教えればいいですか?
実際に舌の動きを見せながら、一緒に練習するのが効果的です。鏡を使って、舌が歯につくか、つかないかを目で見て確認すると分かりやすいですよ。
また、絵を描きながら覚えるのもおすすめです。王冠と道化師の絵を描いて、それぞれのスペルを書き込んで、部屋に貼っておくと自然に覚えられます。私の子供も、この方法でだいぶ覚えてくれました。
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「clown」と「crown」は、カタカナで書くとどちらも「クラウン」になってしまいますが、実際には全く違う単語です。
- clown(L):道化師、ピエロ、おどけ者。舌を歯につけて発音。
- crown(R):王冠、王位、頂点。舌を丸めて、どこにもつけずに発音。
たった1文字の違いですが、意味は正反対と言えるほど違います。道化師と王冠では、立場も役割も全然違いますよね。
英語の発音は難しいと感じるかもしれませんが、少しずつ練習していけば必ず上達します。私も最初は全然できませんでしたが、子供と一緒に楽しみながら練習していくうちに、少しずつ違いが分かるようになってきました。
この記事が、「clown」と「crown」の違いを理解する助けになれば嬉しいです。ぜひ声に出して練習してみてくださいね!

