書類に押すアレ、何て呼んでいますか?「印鑑を押して」「はんこください」「印章が必要」など、色々な言い方がありますよね。実は私も子どもの学校書類で「印鑑」という言葉を使っていたのですが、夫から「それ、正確には違うよ」と指摘されてびっくり!
これまで何となく同じものだと思って使っていたこの3つの言葉、実は正式には違う意味を持っているんです。でも日常生活では区別せずに使われているのも事実。そこで今回は、知っているようで知らない「印鑑」「印章」「はんこ」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
ビジネスシーンや役所の手続きで恥をかかないためにも、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「印鑑」とは?
新しい印鑑ができました🐻 pic.twitter.com/KPacbv6KTC
— 内科医くま🐻@万博通期ロス勢 (@kuma1206) December 4, 2025
ここが一番混同されやすいポイントです。実は「印鑑」は、印章を押したときに紙に残る朱肉の跡、つまり印影のうち、特に役所や銀行に登録されたものを指す言葉なんです。
もともと「印鑑」という言葉の由来は、印章が本物かどうかを見分けるために使われていた台帳を「鑑(かがみ)」と呼んでいたことにあります。この台帳には本物の印影が記録されていて、書類に押された印影と見比べて真偽を確かめていました。その台帳を「印鑑」と呼ぶようになり、やがて登録された印影そのものも「印鑑」と呼ばれるようになったんです。
つまり正確には、役所に実印として登録した印影や、銀行に届け出た銀行印の印影が「印鑑」ということになります。
でも現代では、印章本体を「印鑑」と呼ぶことが一般的になってしまい、お店でも「印鑑販売」なんて看板をよく見かけますよね。これは厳密には正しくないけれど、言葉は時代とともに変化するものなので、今ではどちらの意味でも使われています。
ちなみに印章店は「はんこ屋」「印章店」とは名乗っても、「印鑑屋」や「印鑑店」とは名乗らないそうです。やはりプロの方は本来の意味を大切にされているんですね。
「印章」とは?
印章とは、簡単に言えば手に持って押すあの物体そのもののことです。木や竹、石、象牙、金属、合成樹脂などでできた棒状のもので、先端に名前や絵が彫られているアレですね。
つまり、お店で売られている、手に取れる実物が「印章」です。「印」や「判」「印判」とも呼ばれることがあります。
私がよく使っている宅配便の受け取り用のものも、銀行に登録しているものも、すべて物体としては「印章」と呼ぶのが正しいんです。章という字は「模様のある印」という意味があり、勲章や徽章にも同じ漢字が使われているんですよ。
ちなみに法令では「印章」という言葉が正式に使われています。印章店で国家資格を持つ職人さんは「一級印章彫刻技能士」と呼ばれるんだそうです。
「はんこ」とは?
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— きのこ社 (@kinokosya) December 10, 2025
脱力系はんこ屋【ぐう印舎】より
🥺 ぐうたらはんこ【ほめてほしい】
正直に言おう。ほめられたいのだ。 大したことしてなくても、褒めてほしい日はある。
自意識がめげる前に、自分で評価を押し上げる。 このスタンプが欲しいのは「成果」より**「承認」**です🦊 pic.twitter.com/iWbpIoZFA4
「はんこ」は印章とまったく同じものを指す、いわば印章の通称です。ひらがなで「はんこ」、カタカナで「ハンコ」、漢字で「判子」と書きますが、実は「判子」という漢字は当て字なんです。
はんこという言葉の語源には諸説ありますが、有力なのは江戸時代の「版行(はんこう)」という言葉が変化したという説です。版行とは、木の板に文字や絵を彫って印刷する版画のこと。この「はんこう」が音変化して「はんこ」になったと言われています。
ちなみに、私の祖父母世代は「はんこう」と言うこともあったそうで、地方によっては今でもその呼び方が残っているところもあるみたいです。
面白いのは、法令では「印章」は使われるけれど、「はんこ」や「判子」という言葉は正式には使われないということ。でも一般的には「はんこ」という呼び方が一番親しみやすく、日常会話ではよく使われていますよね。
3つの言葉の正しい使い分け方
それぞれの違いがわかったところで、どう使い分ければいいのでしょうか。
正式な意味では次のようになります。
- 印鑑:紙に残る印影のうち、登録されたもの
- 印章・はんこ:手に持つ物体そのもの
なので正確に言うなら、「この書類に印章を押してください」「ここにはんこを押してください」が正しく、「印鑑を押してください」は厳密には間違いということになります。押すのは物体であって、印影ではないですからね。
でも実際のところ、ビジネスシーンや日常生活では「印鑑を押してください」という表現が広く浸透しています。私も役所や銀行で「印鑑をお持ちですか」と聞かれることが多いです。
現代では、どの言葉を使っても大きな問題になることはほとんどありません。ただ、本来の意味を知っておくと、ちょっとした豆知識として話のネタになりますし、正式な文書を作成する際には正しい表現を選べるようになりますよね。
印鑑・印章・はんこの種類
せっかくなので、私たちが日常的に使っている印章の種類についても触れておきましょう。
認印は、宅配便の受け取りや書類の確認など、日常的に一番使う印章です。100円ショップでも買えて、特に登録の必要はありません。私も玄関先に置いてあって、宅配便が来たらすぐ押せるようにしています。
銀行印は、銀行や信用金庫などの金融機関に届け出をした印章です。口座開設のときや、預金を引き出すときなどに使います。私は通帳と一緒に大切に保管していますが、認印と兼用している人もいるようです。ただ、セキュリティ面を考えると分けた方が安心ですね。
実印は、市区町村の役所に印鑑登録をした印章のことです。不動産の売買や車の購入、ローン契約など、人生の大きな契約で必要になります。印鑑登録証明書とセットで使うことで、法的な効力を持つとても重要なものです。私も結婚したときに作りましたが、滅多に使わないからこそ保管場所を忘れないようにしています。
角印は、主に会社で使われる四角い印章です。見積書や請求書など、会社の日常業務で押されているのを見たことがあるかもしれません。
シャチハタは印鑑?はんこ?
ちなみに、よく使われる「シャチハタ」はどう呼ぶのが正しいのでしょうか。
シャチハタは正式には「インキ浸透印」と呼ばれ、朱肉を使わずにポンポンと連続で押せる便利なものです。これも物体なので、本来は「印章」や「はんこ」の一種です。
ただ、一般的な感覚としては「印鑑」というと朱肉を使うきちんとしたものを指し、「はんこ」というとシャチハタも含めた広い意味で使われることが多いですよね。
実際、重要な書類では「シャチハタ不可」「印鑑でお願いします」と書かれていることがあります。これは実用上の使い分けとして定着しているので、シチュエーションに応じて理解することが大切です。
私の体験談:印鑑登録で恥ずかしかった話
実は私、結婚して苗字が変わったときに印鑑登録に行ったのですが、そこで恥ずかしい思いをしたことがあります。
役所の窓口で「印鑑登録をお願いします」と言ったら、職員さんに「登録する印章をお持ちですか」と聞かれて、一瞬「?」となってしまったんです。そのときは何のことかわからなかったのですが、後で調べてみたら、正式には印章を登録するから「印章をお持ちですか」が正しいんですよね。
もちろん職員さんも親切に対応してくれましたが、言葉の正確な意味を知っていたら、もっとスムーズだったかもしれません。それ以来、こういう細かい言葉の違いって意外と大事なんだなと思うようになりました。
印鑑・印章・はんこに関するよくある質問
Q1:「印鑑を押してください」は間違いなの?
正確には「印章を押してください」「はんこを押してください」が正しい表現です。なぜなら、押すのは物体(印章・はんこ)であって、印影(印鑑)ではないからです。
ただし、現代では「印鑑」が印章本体を指す言葉としても広く使われているため、日常生活やビジネスシーンで「印鑑を押してください」と言っても問題になることはほとんどありません。言葉は時代とともに変化するものなので、状況に応じて使い分けるのが賢明でしょう。
Q2:お店で売っているのは「印鑑」「印章」「はんこ」どれが正しい?
正式には「印章」または「はんこ」が正しい呼び方です。お店で売られているのは物体そのものなので、「印鑑販売」は厳密には正しくありません。
実際、印章店のプロの方々は「はんこ屋」「印章店」とは名乗っても、「印鑑屋」「印鑑店」とは名乗らないそうです。しかし一般消費者には「印鑑」という言葉が浸透しているため、お店側も「印鑑」という表現を使っていることが多いのが現状です。
Q3:印鑑登録するのは「印鑑」「印章」どっち?
厳密には「印章」を役所に登録します。そして登録された印影が「印鑑」になるわけです。
ただし、一般的には「印鑑登録」という言葉が定着していますし、役所でも「実印」「銀行印」などの登録された印章を「印鑑」と呼ぶことが多くなっています。正式な意味と実際の使われ方に差があるのがこの言葉の面白いところですね。
Q4:ビジネスシーンではどう呼ぶべき?
ビジネスシーンでは、相手や状況に応じて使い分けるのが無難です。
格式を重んじる場面や正式な文書では「印章」を使うと丁寧な印象になります。一方、日常的な業務や口頭でのやりとりでは「印鑑」「はんこ」どちらを使っても問題ありません。
重要なのは、相手に伝わることと、その場の雰囲気に合わせることです。あまり神経質になりすぎず、本来の意味を知った上で柔軟に対応するのがベストでしょう。
「印鑑」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ
「印鑑」「印章」「はんこ」の違いについて解説してきました。
簡単におさらいすると、印鑑は本来、役所や銀行に登録された印影のことを指す言葉です。一方、印章とはんこは同じもので、手に持って押す物体そのものを指します。
ただし現代では、この3つの言葉の区別は曖昧になっていて、印章本体を「印鑑」と呼ぶことも一般的になっています。日常生活やビジネスシーンで、どの言葉を使っても大きな問題になることはほとんどありません。
それでも本来の意味を知っておくことで、正式な場面で適切な言葉を選べるようになりますし、ちょっとした教養として役立つこともあります。私も今回調べてみて、言葉の成り立ちや歴史を知ることができて面白かったです。
皆さんもぜひ、この豆知識を誰かに話してみてくださいね。きっと「へぇー、そうなんだ!」と驚かれますよ。

