「笠を着る」と「威を借りる」、どちらも似たような意味に感じる言葉ですが、実はちょっと違います。
この記事では、二つの言葉の意味や使い方、例文をやさしく解説します。読み終わったら、似ているけど違う言葉の使い分けがバッチリできるようになります!
笠を着るってどんな言葉?
「笠を着る」とは、自分以外の誰かの権力や地位、立場を利用して、他の人に対して偉そうにしたり、無理なことを言ったりすることを指します。たとえば、会社で上司の力を借りて部下に命令したり、学校で生徒会長の立場を使って他の生徒に指示を出したりするときに使われます。
「笠を着る」は、自分の力ではなく、他の人の力や立場を「盾」にして、相手を押さえつけようとするニュアンスが強い言葉です。しかも、その立場や権力は自分で勝ち取ったものではなく、誰かのおかげや偶然の力で持っている場合が多いです。だから、周りから見ると「本当はそんなに偉くないのに、偉そうにしてる」と感じることが多く、あまり良い意味では使われません。
たとえば、「部長は社長の信頼を笠に着て、みんなに無理なお願いをしている」や「生徒会長の立場を笠に着て、他のクラスの人に命令をしている」という使い方があります。
反知性主義は嫌いだが、学歴肩書を笠に着るだけで手を動かさない奴も嫌い。
— 鯖缶トマト (@saba10ma10) April 28, 2025
ちゃんと動ける人、物を作れる人はそれだけでも尊敬。
威を借りるってどんな言葉?
「威を借りる」は、「虎の威を借る狐」ということわざでよく知られている言葉です。意味は、「自分には力がないのに、強い人の力を頼りにして、他の人を威嚇したり威張ったりすること」です。
たとえば、自分よりも強い人がいるときに、その人の名前や立場を出して「私はあの人の味方だぞ」とアピールして、他の人を脅したり、自分の言うことを聞かせようとするときに使います。
「威を借りる」も「笠を着る」も、どちらも「他人の力を利用して威張る」という意味でとても似ています。でも、「威を借りる」の方が知っている人が多く、よく使われる言葉です。
例文を挙げると、「彼は上司の威を借りて、みんなに強く出ている」や「虎の威を借る狐のように、自分の力ではないのに偉そうにしている」という使い方があります。
語源や由来を知ろう
「笠を着る」の「笠」は、昔の人が雨や日差しから身を守るために使っていた帽子のようなものです。この「笠」を身にまとうことで、自分自身の力ではなく、他の人の権力や立場に守られているイメージが生まれました。だから、「笠を着る」という言葉ができたのです。
一方、「威を借りる」は中国の昔話「虎の威を借る狐」が由来です。狐は虎よりも弱いのに、虎の後ろにいることで他の動物たちに怖がられて、自分が強いフリをしたというお話です。この話から、「威を借りる」ということわざが生まれました。
阪神ファンがオリファンに不人気球団どうとか煽ってるけど、人気なのは阪神球団様で、オマエが人気者ではないよ?虎の威を借りるなよ。
— エブリデイ頭上から猫 (@SACHIYAtakatuki) June 15, 2025
実際の体験談
私も会社で「笠を着る」人を見たことがあります。ある先輩は、部長との仲が良いことを自慢して、他の人に無理な仕事を押し付けていました。本当はその先輩自身に大きな権限があるわけではなく、部長の信頼を利用しているだけでした。みんなも「また部長の名前を出してるな」とイヤな気持ちになっていました。
また、学生時代には「威を借りる」人もいました。生徒会長の友達が、生徒会長の名前を使って他の生徒に命令したり、偉そうにしていたことがありました。本当はその友達自身は何も権限を持っていないのに、生徒会長の立場を利用して威張っていたのです。
どちらも「自分の力じゃなくて、他の人の力を利用して偉そうにする」という点では同じですが、使う場面やニュアンスが少し違うと感じました。
使い分けをマスターしよう
「笠を着る」と「威を借りる」は、どちらも他人の力を利用して威張ることを表しますが、使い分けはこんな感じです。
「笠を着る」は、自分の立場や権限、または他の人の権力や地位を利用して威張ることを指します。自分の力ではなく、誰かの力を借りているというニュアンスが強いです。批判的な意味で使われることが多いです。
「威を借りる」は、強い人の力を頼りにして威張ることを指します。ことわざ「虎の威を借る狐」で有名で、一般的に「威を借りる」の方がよく知られています。
どちらも「自分の力じゃなくて、他の人の力を利用して偉そうにする」という意味なのは同じですが、「笠を着る」は自分の立場や権限も含めて使われることがあるのに対し、「威を借りる」は純粋に「強い人の力を頼りにする」という意味で使われることが多いです。
似ているけど違う言葉も知ろう
「笠を着る」や「威を借りる」と同じように、似ているけど意味が少し違う言葉は他にもあります。たとえば、「人の褌で相撲を取る」という言葉も「他人の力を利用して自分の利益を得る」という意味です。また、「便乗する」も「他の人の力や機会に乗っかって自分が得をする」という意味で使われます。
どれも「自分の力じゃなくて、他の人の力を利用する」という点では似ていますが、使う場面やニュアンスが少しずつ違います。
例文で違いをチェック
ここで、実際の例文を見てみましょう。
「笠を着る」の例文
- 「課長は社長の信頼を笠に着て、みんなに無理な仕事を押し付けている」
- 「生徒会長の立場を笠に着て、他のクラスに命令をしている」
- 「親の立場を笠に着て、先生に無理なお願いをする」
「威を借りる」の例文
- 「彼は上司の威を借りて、みんなに強く出ている」
- 「虎の威を借る狐のように、自分の力じゃないのに偉そうにしている」
- 「先輩の名前を出して、後輩に威を借りている」
このように、どちらも「他の人の力を利用して威張る」という意味ですが、「笠を着る」は自分の立場や権限も含めて使われることが多いです。
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「笠を着る」と「威を借りる」は、どちらも「自分の力じゃなくて、他の人の力を利用して威張る」という意味でとても似ています。でも、「笠を着る」は自分の立場や権限も含めて使われることが多く、「威を借りる」は純粋に「強い人の力を頼りにする」という意味で使われることが多いです。どちらも批判的な意味で使われることが多いので、自分がそうならないように気をつけたいですね。