「あの人いいなぁ」って思う気持ちを言葉にするとき、「嫉妬」と「羨望」、どちらを使えばいいか迷ったことはありませんか?実は、この2つの言葉には大きな違いがあるんです。日常生活の中で誰もが感じる「うらやましい」という気持ちですが、その感情の中身によって使い分けが必要なんですよね。
私も子育て中、周りのママ友が素敵に見えて複雑な気持ちになることがあります。「あの人みたいになりたい」と思うときもあれば、つい「ずるい」なんて感じてしまうときも…。そんな自分の気持ちを整理するためにも、この2つの言葉の違いを知っておくと役立ちますよ。
この記事では、「嫉妬」と「羨望」の意味の違いや使い分け方を、具体的な例文とともにわかりやすく解説していきます。
「嫉妬」とは?
「嫉妬(しっと)」とは、自分よりも優れている人や恵まれている人を見て、うらやみ、ねたむ気持ちのことです。「妬む(ねたむ)」という言葉が含まれているように、どちらかというとネガティブな感情を表す言葉なんですね。
特に、「嫉妬」には相手を憎らしく思う気持ちや、「相手がうまくいかなければいいのに」という悪意が含まれることもあります。また、恋愛関係で使われることが多く、「恋人が他の人と仲良くしているのを見て嫉妬する」といった、愛情に関する妬みを表すときによく使われます。
私の友人の話ですが、職場で同期が先に昇進したとき、「おめでとう」と言いながらも心の中では「なんで私じゃないの」というモヤモヤした気持ちが消えなかったそうです。これこそが「嫉妬」の感情なんですよね。
「嫉妬」の例文
- 彼が他の女性と楽しそうに話しているのを見て、嫉妬してしまった
- 友達の成功に嫉妬して、素直に喜べない自分がいる
- 嫉妬深い性格を直したいと思っている
- 元カレの幸せそうな様子を見て、嫉妬心が湧いてきた
- 同僚の出世に嫉妬を感じてしまい、自己嫌悪に陥った
「羨望」とは?
のあさんに羨望のまなざしを向けるダークイルミネイト✨✨👀👀 pic.twitter.com/2r4qOXQ1uo
— ユニ (@ymzakana_) September 23, 2025
「羨望(せんぼう)」とは、自分よりも優れている人や恵まれている状況を見て、「自分もあのようになりたい」とうらやましく思う気持ちのことです。
「嫉妬」と大きく違うのは、相手を憎むというよりも、「憧れ」に近い前向きな感情が含まれているという点です。相手の素晴らしさを認めて、自分もそうなりたいと願う、比較的ポジティブな気持ちを表す言葉なんですね。
私自身、公園で子供たちを上手にまとめている先輩ママを見かけたとき、「あんなふうに余裕を持って子育てできたらなぁ」と思うことがあります。これは相手を妬むというよりも、純粋に「素敵だな、自分もそうなりたい」という羨望の気持ちなんだと思います。
「羨望の眼差し(まなざし)」「羨望の的(まと)」といった表現もよく使われます。
「羨望」の例文
- 彼女の美しさは、いつも周囲から羨望の眼差しを集めている
- 海外で活躍する先輩は、私たちの羨望の的だ
- 高級車に乗る成功者を羨望の思いで見つめた
- 才能あふれる友人に羨望の気持ちを抱く
- 理想的な家庭を築いている姉に、羨望を感じずにはいられない
「嫉妬」と「羨望」の違いを比較
では、「嫉妬」と「羨望」の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
感情の質が違う
最も大きな違いは、感情の質です。「羨望」は「憧れ」に近い前向きな気持ちを含みますが、「嫉妬」は「妬み」や「憎しみ」といったネガティブな感情を含みます。
羨望は「あの人のようになりたい」という自分に向けられた願望ですが、嫉妬は「あの人ばかりずるい」という相手に向けられた否定的な感情なんです。
使われる場面が違う
「嫉妬」は特に恋愛や愛情に関する場面でよく使われます。「彼氏が他の女性と話していて嫉妬した」「夫に嫉妬する」といった使い方ですね。これは「やきもち」とも言い換えられます。
一方、「羨望」は能力や才能、成功、美しさなど、幅広い対象に使えます。人だけでなく、「あの街は羨望の地だ」といった場所にも使えるんですよ。
心理学的な違い
臨床心理学の観点から見ると、「嫉妬」は三者関係の中で生じる感情とされています。例えば、「友達のAさんばかりが先生に可愛がられていてずるい」というように、自分・相手・第三者という関係性の中で生まれる気持ちです。
対して「羨望」は二者関係で生じる感情です。相手の優れた点を直接的に見て、「自分もそうなりたい」と思う気持ちなんですね。
相手への態度が違う
羨望を感じている場合は、相手のことを素晴らしいと認めています。だから「あの人みたいになりたい」と前向きに努力しようという気持ちになれます。
しかし嫉妬の場合は、相手の幸せや成功を素直に喜べず、時には「失敗すればいいのに」とさえ思ってしまうことがあります。これが嫉妬の怖いところですよね。
日常での使い分け方のポイント
実際の会話の中で、どう使い分ければいいのでしょうか?
こんなときは「羨望」を使おう
- 相手の才能や成功を純粋に素晴らしいと思うとき
- 「あの人のようになりたい」という前向きな気持ちがあるとき
- 相手のことを尊敬していて、憧れの気持ちがあるとき
- 自分も努力しようという前向きな気持ちになれるとき
例:「あの先輩の仕事ぶりには羨望の念を抱かずにはいられない。私も頑張ろう!」
こんなときは「嫉妬」を使おう
- 相手の幸せや成功を素直に喜べないとき
- 「なんであの人ばかり」という不公平感があるとき
- 恋愛で「やきもち」を焼いているとき
- 相手への負の感情(妬み、憎しみ)があるとき
例:「彼が他の女性と仲良くしているのを見て、嫉妬してしまった」
私の経験では、同じ相手に対しても、自分の心の状態によって「羨望」と「嫉妬」の両方を感じることがあります。調子がいいときは「素敵だな」と羨望を抱けるのに、疲れているときは「いいなぁ、ずるい」と嫉妬してしまったり…。自分の感情を正直に見つめることが大切だなと思います。
ここまで魚に嫉妬したことはないな pic.twitter.com/fVa7Qls8jw
— チーズinかにたま (@reitaaalk) September 28, 2025
「嫉妬」「羨望」と似た言葉
他にも似たような意味を持つ言葉があるので、整理しておきましょう。
憧れ(あこがれ)
「憧れ」は、理想の人や状態に強く惹かれる気持ちです。「羨望」よりもさらにポジティブで、「うらやましい」という気持ちよりも「素敵だな」という純粋な好意が強い言葉です。
例:「アナウンサーに憧れて、この道を選んだ」
妬み(ねたみ)
「妬み」は「嫉妬」とほぼ同じ意味で、相手を憎らしく思う気持ちを表します。「嫉妬」よりも直接的でストレートな表現です。
例:「彼女の成功を妬む気持ちが消えない」
やきもち
「やきもち」は、恋愛関係における嫉妬を表すカジュアルな言葉です。「嫉妬」よりも軽い印象で、可愛らしいニュアンスがあります。
例:「彼が他の子と話しているのを見て、ちょっとやきもちを焼いちゃった」
羨む(うらやむ)
「羨む」は「羨望」の動詞形で、同じような意味です。ただし「羨む」は日常会話でよく使われる、よりカジュアルな表現です。
例:「友達の新しい車を羨んでしまった」
こんな場面での使い分け方
具体的なシチュエーションで、どちらを使うべきか見てみましょう。
友人が結婚したとき
- 「素敵な結婚式だったね。羨望の眼差しで見ていたよ」→前向きで祝福している
- 「友達の幸せそうな姿に嫉妬してしまう」→素直に喜べない自分がいる
職場で同僚が昇進したとき
- 「彼の努力は羨望に値する。私も頑張ろう」→相手を認めて自分も頑張る
- 「なぜ彼ばかり評価されるのか、嫉妬を感じる」→不公平感がある
SNSで友人の投稿を見たとき
- 「海外旅行の写真、羨望のまなざしで見ちゃった!」→軽い気持ちで楽しんでいる
- 「充実した生活を見せつけられて嫉妬する」→比較して落ち込んでいる
子育て中の私としては、SNSを見ていて「素敵だな」と思うか「なんで私ばかり大変なの」と思うかで、自分の心の状態がわかる気がします。疲れているときほど嫉妬を感じやすいので、そういうときは一度SNSから離れるようにしています。
よくある質問
Q1: 羨望にも憎しみの感情は含まれるの?
羨望には、基本的には「憧れ」や「自分もそうなりたい」という前向きな気持ちが中心にあります。ただし、少しだけ「うらやましい」という複雑な気持ちが含まれることもあります。それでも、嫉妬のように「相手が失敗すればいい」という悪意まではありません。羨望は相手を認めた上での感情なので、ポジティブな要素が強い言葉だと覚えておくといいでしょう。
Q2: 嫉妬は恋愛にしか使えないの?
嫉妬は恋愛以外にも使える言葉です。「同僚の出世に嫉妬する」「友人の才能に嫉妬する」といったように、仕事や友人関係でも使えます。ただし、恋愛における嫉妬は特に強い感情として扱われることが多く、「やきもち」という言葉に言い換えられることもあります。恋愛でも恋愛以外でも、相手を妬む気持ちがあれば「嫉妬」を使うことができます。
Q3: 羨望と憧れの違いは何?
羨望と憧れは似ていますが、微妙な違いがあります。憧れは純粋に「素敵だな」「かっこいいな」と思う気持ちで、「うらやましい」という感情はあまり含まれません。一方、羨望には「うらやましい」「自分もそうなりたい」という、自分と比較する気持ちが含まれています。憧れのほうがより純粋で、羨望のほうが少し現実的な感情と言えるでしょう。
Q4: 嫉妬深い性格を直すにはどうすればいい?
嫉妬深い性格を和らげるには、いくつかの方法があります。まず、他人と自分を比較しすぎないこと。SNSを見る時間を減らしたり、自分の良いところに目を向けたりすることが大切です。また、嫉妬を感じたときに「今、私は嫉妬しているな」と自分の感情を認めることも重要です。感情を否定せず受け入れることで、少しずつコントロールできるようになります。さらに、相手の努力や背景を理解しようとすることで、嫉妬が羨望や尊敬に変わることもあります。
Q5: 羨望の的になるってどういう意味?
「羨望の的(まと)」とは、多くの人からうらやましがられる存在という意味です。「的」は「目標」や「注目の中心」を表す言葉なので、「羨望の的になる」は「みんなから憧れられる存在になる」ということです。例えば「彼女の美しさは羨望の的だ」というように使います。これは褒め言葉として使われることが多く、ポジティブな表現です。
まとめ
「嫉妬」と「羨望」の違いについて、詳しく見てきました。
簡単にまとめると、羨望は「あの人みたいになりたい」という憧れに近い前向きな気持ちで、嫉妬は「あの人ばかりずるい」という妬みや憎しみを含むネガティブな気持ちです。羨望は相手を認めていますが、嫉妬は相手に対する否定的な感情が含まれているんですね。
また、嫉妬は恋愛関係でよく使われるのに対し、羨望は才能や成功など幅広い場面で使えるという違いもあります。
日常生活の中で誰もが感じる「うらやましい」という気持ち。その感情が前向きなのか後ろ向きなのかで、使う言葉を選んでみてください。そして、できれば嫉妬ではなく羨望の気持ちを持てるように、自分の心を整えていけたらいいですよね。
私自身、子育てや日常生活の中で、ついつい周りと比べて落ち込んでしまうことがあります。でも、そんなときこそ「今の自分」を大切にして、他人の素敵なところは素直に認める。そんな心の持ち方を意識していきたいなと思っています。
この記事が、あなたの心の中のモヤモヤを整理する手助けになれば嬉しいです。

