家電量販店で「空気をきれいにしたい」と思って見回すと、空気清浄機や除湿機、さらには除湿機能付き空気清浄機まで、似たような製品がずらりと並んでいますよね。「どれを買えばいいの?」「違いがよくわからない…」と悩んでしまう気持ち、とてもよくわかります。
実際に我が家でも、新築マンションに引っ越した時に同じ悩みを抱えました。子供がアレルギーを持っているので空気をきれいにしたいけれど、洗濯物の部屋干しも多いし、梅雨時期のじめじめも気になる…。結果的に除湿機能付きの空気清浄機を選んだのですが、購入前にしっかりと違いを理解していれば、もっとスムーズに選択できたはずです。
この記事では、空気清浄機と除湿機の基本的な違いから、実際の使い分け方まで、わかりやすく説明していきます。あなたのライフスタイルに最適な選択ができるよう、具体的なシーンも交えながらお話ししていきますね。
空気清浄機と除湿機の基本的な機能の違い
まずは、それぞれの機能を整理してみましょう。名前は似ていても、実は全く違う役割を持っているんです。
空気清浄機の主な機能
空気清浄機は、その名の通り「空気をきれいにする」ことが主な目的です。具体的には以下のような働きをします。
室内に漂っているホコリや花粉、PM2.5などの微粒子をフィルターで捕らえて除去します。一般的にはHEPAフィルターという高性能なフィルターが使われており、0.3マイクロメートル以上の粒子を99.97%以上除去できるとされています。
また、タバコのにおいやペットのにおい、料理のにおいなどを活性炭フィルターで吸着することで、室内の空気をさわやかに保ちます。最近の機種では、ウイルスや細菌の除去機能を謳っているものも多く見かけますね。
我が家の空気清浄機も、花粉の季節になると大活躍しています。子供が外から帰ってきて服についた花粉を払っても、しばらくは機械が「汚れを検知しました」と知らせてくれるので、目に見えない汚れもしっかり取ってくれているんだなと実感できます。
除湿機の主な機能
一方、除湿機は「湿度を下げる」ことが主な目的です。室内の余分な水分を取り除いて、快適な湿度に保ってくれます。
除湿の方法は主に2つあります。コンプレッサー式は、エアコンの除湿と同じ仕組みで、冷媒で冷やすことで空気中の水分を水に変えて取り除きます。夏場の除湿に効果的で、電気代も比較的安いのが特徴です。
デシカント式は、乾燥剤で水分を吸着させる方式です。ヒーターを使うため電気代は高めですが、寒い時期でも安定して除湿できるのがメリットです。
除湿機の効果は数値でもはっきりわかります。梅雨時期に我が家で除湿機を使うと、湿度が80%近くあったのが50%台まで下がり、洗濯物の乾きも明らかに早くなりました。カビやダニの繁殖も抑えられるので、健康面でもメリットが大きいですね。
それぞれが対応できる問題の違い
空気清浄機と除湿機は、解決できる問題も異なります。どんな悩みを抱えているかによって、選ぶべき製品が変わってくるんです。
空気清浄機で解決できる問題
空気清浄機は、空気中に浮遊している目に見えない汚れに効果的です。
花粉症で悩んでいる方には特におすすめです。外から持ち込まれる花粉を室内で除去してくれるので、症状の軽減が期待できます。我が家でも、春先は窓を閉めて空気清浄機をフル稼働させることで、子供のくしゃみや鼻水がだいぶ楽になりました。
ペットを飼っている家庭では、毛やにおいの対策にも有効です。また、喫煙者がいる場合のタバコのにおい除去や、料理の後のにおい対策にも活躍します。
最近では、ウイルスや細菌の除去機能を持つ機種も増えており、感染症対策としても注目されています。ただし、これらの効果については、使用環境や条件によって差が出ることは理解しておきましょう。
除湿機で解決できる問題
除湿機は、湿度に関わる問題全般に対応できます。
まず、梅雨時期や夏場のじめじめした不快感を解消してくれます。湿度が高いと体感温度も上がりますが、除湿することで同じ温度でも涼しく感じられるようになります。
洗濯物の部屋干しにも大きな効果があります。湿度が下がることで洗濯物の乾燥時間が短縮され、生乾きのいやなにおいも防げます。我が家では雨が続く時期に除湿機を洗濯物の近くに置くことで、一晩でしっかり乾くようになりました。
また、カビやダニの繁殖抑制にも効果的です。これらは湿度の高い環境を好むため、除湿によって繁殖しにくい環境を作ることができます。押し入れやクローゼットなど、湿気がこもりやすい場所のカビ対策にも有効ですね。
冬場の結露対策としても活用できます。窓や壁の結露を減らすことで、カビの発生を防ぎ、建物の劣化も抑制できます。
寝室で3ヶ月間せっせと働いてくれてると思ってた空気清浄機、フィルター掃除しようと蓋を開けたら……、なななーーんと!未開封のビニール袋入りではあーりませんか!!
— 秋田の山本ですが (@shirataki1901) June 21, 2025
この3ヶ月、ただブーンって音出すだけの箱だったとは…。
マニュアルは読みましょう。
チーン pic.twitter.com/1wVEttokHE
実際の使用シーンでの使い分け方
理論はわかったけれど、実際にはどう使い分ければいいのでしょうか。具体的なシーンを想定して考えてみましょう。
季節別の使い分け
春は花粉の季節なので、空気清浄機の出番です。外出から帰ったら衣服についた花粉を払い、空気清浄機で室内に入り込んだ花粉を除去します。この時期は窓を開けての換気も控えめにして、空気清浄機に頼ることが多くなります。
夏は除湿機が大活躍します。エアコンの除湿機能と併用することで、より快適な環境を作れます。特に洗濯物の部屋干しが多い家庭では、除湿機があると洗濯物の管理がとても楽になります。
秋は比較的湿度も安定しているので、空気清浄機メインで使用することが多いです。ただし、台風などで雨が続く時期は除湿機も併用します。
冬は暖房による乾燥が気になる一方で、結露も発生しやすい季節です。状況に応じて除湿機を使い分ける必要があります。
生活スタイル別の選び方
共働きで洗濯物の部屋干しが多い家庭では、除湿機能が重要になります。朝に洗濯して夜帰ってきた時にはしっかり乾いているという状況を作るためには、除湿機能は欠かせません。
小さい子供がいる家庭では、空気清浄機能を重視したいところです。特にアレルギーを持つ子供がいる場合は、空気の質を常にきれいに保つことが大切になります。
ペットを飼っている家庭では、においや毛の対策として空気清浄機能が重要ですが、トイレの湿気対策として除湿機能も必要になる場合があります。
一人暮らしで部屋が狭い場合は、多機能型の製品を選ぶことで、限られたスペースを有効活用できます。
除湿機能付き空気清浄機という選択肢
最近は、除湿機能と空気清浄機能を両方持った製品も人気です。これは一体どんなメリットがあるのでしょうか。
一体型のメリット
1台3役で使用できる除湿機です。除湿・空気清浄・脱臭の3機能が付いている製品もあり、スペースの節約と多機能性を両立できます。
設置場所を1箇所にまとめられるので、狭い部屋でも邪魔になりません。また、電源コードも1本で済むため、コンセント周りもすっきりします。
季節や用途に応じて機能を使い分けられるのも大きなメリットです。冬場は加湿しながら空気清浄、梅雨時は除湿しながら空気清浄、湿度が気にならない時は空気清浄だけといった使い分けができます。
操作も1台分で済むため、管理が楽になります。リモコンも1つだけなので、なくす心配も減りますね。
一体型のデメリット
一方で、デメリットもあります。除湿機能付き空気清浄機は一体型のため、それぞれに特化した除湿機や空気清浄機と比べると、機能が下回る傾向にあるという点は理解しておく必要があります。
それぞれの機能が単体の製品より劣る場合があります。特にどちらかの機能を重視したい場合は、専用機を選んだ方が良い結果が得られることもあります。
また、一方の機能が故障した場合、全体が使えなくなってしまうリスクもあります。修理期間中は代替手段を考える必要があります。
価格も高めになる傾向があるため、初期投資が大きくなることも考慮しておきましょう。
選択時のチェックポイント
実際に製品を選ぶ時は、どんな点に注意すればよいでしょうか。
部屋の大きさと性能のマッチング
まず確認したいのは、製品の対応畳数です。自分の部屋より少し大きめの対応畳数の製品を選ぶと、効果的に使用できます。
空気清浄機の場合は、適用床面積だけでなく風量も重要です。大きな部屋で小さな風量の製品を使うと、空気の循環が不十分になってしまいます。
除湿機の場合は、除湿能力(1日あたりの除湿量)と水タンクの容量を確認しましょう。除湿能力が高くても、タンクが小さいと頻繁に水を捨てる必要があります。
メンテナンスのしやすさ
長く使うためには、メンテナンスのしやすさも重要です。
フィルターの交換頻度や価格を確認しておきましょう。交換が頻繁だったり、フィルターが高価だったりすると、ランニングコストが高くなります。
水タンクの取り外しやすさ、掃除のしやすさも実際に店頭で確認してみることをおすすめします。毎日使うものなので、操作が面倒だと続かなくなってしまいます。
本体の拭き掃除のしやすさや、内部の掃除ができるかどうかも確認ポイントです。
運転音の確認
特に寝室で使用する場合は、運転音の大きさは重要な要素です。
各メーカーがdB(デシベル)で運転音を表示していますが、できれば実際に店頭で音を確認してみましょう。同じdB値でも、音の質によって感じ方が異なることがあります。
夜間モードや静音モードがある機種を選ぶと、就寝時も気にならずに使用できます。
浴室に洗濯物を干して除湿機を設置。
— 永井隆太郎 Ryutaro Nagai/ギターとホルン (@Ryuflat) June 24, 2025
スーパーに行ったり映画を観たりしている間に全て乾く。(5時間弱位)
生乾きの時間が短かかったからか匂いは特に気にならず。
早く買えば良かったです。(一人暮らし27年位でようやく気付いた笑) pic.twitter.com/eiLuzpjbn9
実際の購入体験談
我が家では最終的に、除湿機能付きの空気清浄機を選びました。決め手となったのは、限られたスペースで多機能を実現できることでした。
購入前は「中途半端な性能になるのでは?」と心配していましたが、実際に使ってみると日常使いには十分な性能でした。花粉の季節は空気清浄機として、梅雨時期は除湿機として、しっかりと働いてくれています。
特に部屋干しの時の効果は予想以上でした。以前は2日間かかっていた厚手のジーンズも、1日で乾くようになりました。生乾きのにおいもほとんど気にならなくなったのは大きなメリットです。
ただし、真夏の湿度が特に高い日は、除湿能力に物足りなさを感じることもあります。そんな時はエアコンの除湿機能と併用することで対応しています。
一体型を選んで正解だったと思いますが、どちらかの機能を特に重視したい場合は、専用機を検討することも大切だと実感しています。
よくある質問と答え
Q: 空気清浄機と除湿機、どちらを先に買うべき?
A: お住まいの環境と困っている問題によって異なります。花粉やホコリ、においが気になる場合は空気清浄機を優先しましょう。湿度の高さや洗濯物の乾燥に困っている場合は除湿機を先に購入することをおすすめします。
Q: 一体型製品は電気代が高くなりませんか?
A: 使用する機能によって電気代は変わります。必要な機能だけを使用すれば、2台分の電気代がかかることはありません。ただし、同時に複数の機能を使用すると、それなりに電気代はかかります。
Q: メンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?
A: フィルターの清掃は月に1回程度、交換は半年から1年に1回が目安です。除湿機能を使う場合は、水タンクの清掃を定期的に行いましょう。使用頻度や環境によって異なるため、取扱説明書を確認してください。
Q: ペットがいても安全に使用できますか?
A: 一般的な空気清浄機や除湿機は、ペットがいても安全に使用できます。ただし、オゾン発生機能がある製品は注意が必要です。購入前に仕様を確認し、不安な場合はメーカーに問い合わせることをおすすめします。
Q: 24時間運転しても大丈夫ですか?
A: 多くの製品は連続運転を想定して設計されています。特に空気清浄機能は24時間運転することで効果を発揮します。ただし、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
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空気清浄機と除湿機の違いを理解することで、あなたのライフスタイルに最適な選択ができるようになります。
空気清浄機は、花粉やホコリ、においなど空気中の汚れを除去することが主な目的で、アレルギー対策や空気質の改善に効果的です。
除湿機は、室内の湿度を下げることが主な目的で、洗濯物の乾燥促進やカビ・ダニ対策、結露防止に効果的です。
除湿機能付き空気清浄機は、両方の機能を1台でカバーできる便利な選択肢ですが、それぞれの専用機と比べると性能は劣る場合があります。
選択する際は、お住まいの環境、困っている問題、部屋の大きさ、予算などを総合的に考慮して決めることが大切です。どちらか一つの機能を特に重視したい場合は専用機を、両方の機能をバランスよく使いたい場合は一体型を検討してみてください。