「漏れる」「洩れる」「溢れる」――これらの言葉、読み方は似ているけれど、どう使い分けていますか？日常生活やお仕事の場面で、「あれ、どっちの漢字を使えばいいんだろう？」と迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。
私も子供たちに日記を書かせていた時、「水がもれちゃった」という文章を見て、「これは『漏れる』？『洩れる』？それとも『溢れる』？」と一緒に考えたことがあります。実は、この3つの言葉には明確な違いがあるんです。
この記事では、それぞれの言葉の意味や使い分け方を、わかりやすく丁寧に解説していきます。例文もたくさん紹介しますので、読み終わる頃にはスッキリ理解できているはずですよ！
「漏れる」とは？基本的な意味を知ろう
「漏れる」は、「もれる」と読みます。この言葉は、主に次のような場面で使われます。
液体や気体、光、音などがすきまから外へ出てしまうことを表現する言葉です。例えば、水道管にひびが入って水が外に出てしまったり、部屋の中の話し声が廊下に聞こえてしまったりする状態ですね。
具体的には、こんな使い方があります：
- ガス管からガスが漏れる
- 隣の部屋から音楽が漏れてくる
- 蛇口から水がポタポタと漏れている
- 情報が外部に漏れる
私の家でも以前、洗面所の排水管から水が漏れていたことがあって、床が濡れてしまい大変でした。このように、本来はその場所にとどまっているはずのものが、すきまや穴を通って外に出てしまう状態を「漏れる」と表現します。
また、「漏れる」にはある範囲から外れる、除外されるという意味もあります。「選考から漏れる」「リストから漏れている」といった使い方ですね。
「洩れる」とは？「漏れる」との違いは？
「洩れる」も同じく「もれる」と読みます。実は、「漏れる」と「洩れる」は基本的に同じ意味なんです。
じゃあ何が違うの？と思いますよね。大きな違いは使用される頻度と公式な場面での扱いです。
「漏れる」は常用漢字（学校で習う基本的な漢字）なので、新聞や公的な文書、教科書などでは「漏れる」が使われます。一方、「洩れる」は常用漢字表に含まれていないため、公式な文書ではあまり使われません。
ただし、昔から使われている漢字なので、文学作品や個人的な文章では「洩れる」が使われることもあります。特に、秘密や情報が外に知れてしまうという意味で使われることが多いようです。
使い分けのポイントとしては：
- 学校の宿題や公的な文書 → 「漏れる」を使う
- 個人的な文章や創作 → どちらを使ってもOK
- 迷ったら → 「漏れる」を使っておけば間違いなし
私が子供たちに教える時も、基本的には「漏れる」を使うように伝えています。常用漢字を使う習慣をつけることで、将来どんな場面でも困らないからです。
「溢れる」とは？「漏れる」との明確な違い
さて、ここからが本題です。「溢れる」は「あふれる」と読みます。「もれる」ではありません！
「溢れる」は、容器などがいっぱいになって、その外にこぼれ出ることを意味します。「漏れる」との大きな違いは、すきまや穴から少しずつ出るのではなく、量が多すぎて外に出てしまうという点です。
具体的な例を見てみましょう：
- コップに水を入れすぎて溢れる
- 川の水が増水して堤防から溢れる
- お風呂のお湯が溢れる
- 涙が溢れる
私も料理中に鍋の水を溢れさせてしまったことが何度もあります。火にかけている間にうっかり目を離すと、グツグツと沸騰して水が鍋の外にこぼれ出てしまうんですよね。これが「溢れる」です。
また、「溢れる」には比喩的な使い方もあります：
- 笑顔が溢れる会場
- 活気に溢れた街
- 愛情に溢れた家庭
- 才能に溢れた若者
このように、感情や気力、人や物が満ちあふれている状態を表現するときにも使われます。
猫があくびする時に小さく漏れる声ってとても可愛いよね。 pic.twitter.com/1iV7HvN1mG
— 克己 (@good_tyleR18) October 6, 2025
「漏れる」「洩れる」「溢れる」の使い分け方をマスターしよう
ここまでの説明をまとめて、使い分けのコツをお伝えします。
「漏れる」を使う場面
- すきまや穴から液体・気体・音・光などが出る時
- 情報や秘密が外に知れてしまう時
- 選考や範囲から外れる時
例文：
- 水道管から水が漏れている
- 会議の内容が外部に漏れてしまった
- 彼女は候補者リストから漏れていた
「洩れる」を使う場面
- 基本的には「漏れる」と同じ意味で使える
- 個人的な文章や文学作品で使うことが多い
- 公的な文書では「漏れる」を使うのが一般的
例文：
- 秘密が洩れてしまわないよう注意した
- 部屋の隙間から光が洩れている
- 情報が洩れる心配はない
「溢れる」を使う場面
- 容器などがいっぱいになって外にこぼれる時
- 人や物が入りきらずにはみ出す時
- 感情や気力が満ちている状態を表現する時
例文：
- バケツから水が溢れてしまった
- 会場は観客で溢れていた
- 子供たちの元気が溢れている
見分けるポイント
簡単に見分ける方法があります！
「少しずつ出る」なら → 漏れる・洩れる 「いっぱいになって出る」なら → 溢れる
例えば：
- ペットボトルのキャップが緩んでいて少しずつ水が出る → 「漏れる」
- コップに注ぎすぎて水が縁から流れ出る → 「溢れる」
この違いを意識すると、グッと使い分けやすくなりますよ。
実生活での使用例をチェック！
日常生活で実際にどう使われているか、シーン別に見てみましょう。
家庭での場面
漏れる・洩れる：
- 「あれ？冷蔵庫から水が漏れてる！」
- 「ガスコンロから少しガスが漏れているみたい」
- 「子供部屋から笑い声が漏れ聞こえてくる」
溢れる：
- 「洗濯機の水が溢れちゃった！」
- 「炊飯器からご飯が溢れてる」
- 「花瓶に水を入れすぎて溢れた」
私の家では、子供がお風呂に入っている時にお湯を出しっぱなしにして、浴槽から溢れさせてしまったことがあります。慌てて止めに行きましたが、床が水浸しになってしまいました。これはまさに「溢れる」の典型的な例ですね。
ビジネス・職場での場面
漏れる・洩れる：
- 「機密情報が社外に漏れないよう注意してください」
- 「会議の予定が漏れている」
- 「顧客リストから一部の名前が漏れていました」
溢れる：
- 「会場は来場者で溢れかえっている」
- 「受付には問い合わせが溢れています」
- 「彼はやる気に溢れている」
子供にもわかる簡単な覚え方
お子さんに説明する時は、こんな風に教えてあげると理解しやすいですよ。
「漏れる」の覚え方： 「水」という漢字が入っているね。水がちょっとずつポタポタと出ちゃうイメージだよ。穴やすきまから少しずつ出るのが「漏れる」。
「溢れる」の覚え方： 「益」という字が入っているよ。コップやお風呂がいっぱいいっぱいで、これ以上入らない！ってなって外にあふれ出すのが「溢れる」だよ。
私も子供たちに教える時、実際にコップに水を入れて見せました。少しずつポタポタ落ちる様子と、縁からザーッと流れ出る様子を実際に見せると、「あ、違う！」とすぐに理解してくれましたよ。
間違えやすいポイントと注意点
ここでは、よくある間違いや注意したい点を紹介します。
間違いやすい例1：「溢れる」を「もれる」と読んでしまう
「溢れる」は「あふれる」です。「もれる」ではありません！漢字を見た瞬間に「もれる」と読んでしまう方が時々いますが、これは間違いです。
間違いやすい例2：すべて「漏れる」で統一してしまう
「コップから水が漏れた」と書いてしまうケースです。コップから水が出た場合、すきまから少しずつ出たのか、いっぱいになって外にこぼれたのかで使う言葉が変わります。
- すきま・穴から → 「漏れる」
- いっぱいで → 「溢れる」
間違いやすい例3：「洩れる」を無理に使おうとする
「洩れる」は常用漢字ではないため、学校の宿題や公的な文書では「漏れる」を使いましょう。無理に「洩れる」を使おうとすると、かえって不自然になることがあります。
間違いやすい例4：比喩表現での混同
「喜びが溢れる」とは言いますが、「喜びが漏れる」とは通常言いません。感情が満ち満ちている状態を表現する時は「溢れる」を使います。
架純ちゃんみたいに、年齢を重ねる度に外見も中身も魅力溢れる女性になれますように…✨️#有村架純 pic.twitter.com/rFLxwbnjpq
— あ み (@a__k0213) October 11, 2025
よくある質問
Q1：「漏れる」と「洩れる」、どちらを使うべき？
基本的には「漏れる」を使っておけば間違いありません。「漏れる」は常用漢字なので、学校の作文、履歴書、ビジネス文書など、どんな場面でも使えます。
「洩れる」は常用漢字ではないため、公的な文書では使わない方が無難です。ただし、個人的な日記や創作文、文学的な表現をしたい時には使っても問題ありません。
迷った時は「漏れる」を選んでおけば、間違いや誤解を避けられます。
Q2：「水が漏れる」と「水が溢れる」の違いは？
「水が漏れる」 は、容器や配管に穴やすきまがあって、そこから少しずつ水が外に出ている状態です。例えば、水道管のひび割れから水がポタポタと落ちている場合などです。
「水が溢れる」 は、容器に水がいっぱいになりすぎて、縁を越えて外にこぼれ出ている状態です。例えば、コップに水を入れすぎて縁から流れ出ている場合などです。
ポイントは、水の出方です。少しずつなら「漏れる」、いっぱいになって外に出るなら「溢れる」と覚えましょう。
Q3：「情報が溢れる」という表現は正しい？
はい、正しい表現です！ただし、「情報が漏れる」とは意味が異なります。
「情報が漏れる」 は、秘密や機密情報が外部に知られてしまうことを意味します。例えば、「顧客情報が漏れてしまった」というように、本来外に出てはいけない情報が出てしまう場合です。
「情報が溢れる」 は、情報の量が非常に多く、あふれかえっている状態を表現します。例えば、「インターネット上には情報が溢れている」というように、情報量の多さを表現する時に使います。
状況に応じて使い分けましょう。
Q4：「涙が漏れる」と「涙が溢れる」はどう違う？
「涙が漏れる」 という表現は、あまり一般的ではありません。涙がポロポロと少しずつこぼれる様子を表現したい場合でも、通常は「涙がこぼれる」や「涙が流れる」と表現します。
「涙が溢れる」 は、感情がいっぱいになって、目から涙があふれ出る状態を表現します。「嬉しくて涙が溢れた」「感動して涙が溢れる」といった使い方が自然です。
涙に関しては、「溢れる」や「こぼれる」「流れる」といった言葉を使うのが一般的です。
Q5：子供に教える時のコツは？
実際に見せて教えるのが一番効果的です！
例えば、ペットボトルに小さな穴を開けて水を入れると、穴から少しずつ水が出てきます。これが「漏れる」です。
次に、コップに水をどんどん注いでいくと、縁を越えて水が流れ出ます。これが「溢れる」です。
実際に目で見せることで、言葉だけで説明するよりもずっと理解しやすくなります。私も子供たちにこの方法で教えたところ、すぐに違いを理解してくれました。
また、日常生活の中で「あ、今お風呂から水が溢れそうだよ」「蛇口から水が漏れてるね」と声をかけて、実際の場面で言葉を使うことも大切です。
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「漏れる」「洩れる」「溢れる」の違い、しっかり理解できましたか？
最後にポイントをまとめます：
- 「漏れる」 は、すきまや穴から液体・気体・音・光などが少しずつ外に出ること。情報が外に知れることも表現できる。常用漢字なのでどんな場面でも使える。
- 「洩れる」 は、「漏れる」と基本的に同じ意味。ただし常用漢字ではないため、公的な文書では「漏れる」を使う方が無難。個人的な文章や創作では使ってもOK。
- 「溢れる」 は、容器などがいっぱいになって外にこぼれ出ること。人や物が入りきらない状態や、感情・気力が満ちている状態も表現できる。「あふれる」と読む。
簡単な見分け方は：
- 少しずつポタポタ出る → 「漏れる」「洩れる」
- いっぱいになって外に出る → 「溢れる」
日常生活の中で意識して使い分けることで、自然と正しい使い方が身につきますよ。私も子供たちと一緒に、普段の生活の中でこれらの言葉を意識して使うようにしています。
最初は難しく感じるかもしれませんが、この記事を参考にしながら少しずつ練習していけば、きっと自信を持って使い分けられるようになるはずです！
