「足が出る」と「足を引っ張る」、どちらも「足」という言葉が入っているから同じような意味だと思っていませんか?実は、この2つの慣用句は全く異なる意味を持つんです。普段何気なく使っている言葉ですが、間違って使ってしまうと相手に誤解を与えてしまう可能性もあります。
私も以前、会社の飲み会で「今月は足を引っ張ってしまって…」と言うつもりが、「今月は足が出てしまって…」と言ってしまい、同僚に「お金のことを心配してるの?」と聞かれて恥ずかしい思いをしたことがあります。
この記事では、「足が出る」と「足を引っ張る」の正しい意味と使い分け方を、わかりやすい例文と一緒にご紹介します。これを読めば、もう間違えることはありません!
「足が出る」の意味とは?お金や秘密に関する表現
「足が出る」は主に2つの意味があります。1つは「予算または収入よりも出費が多くなる。赤字になる。」もう1つは「隠しごとが現れる。ぼろがでる。」です。
お金が足りない時の「足が出る」
最もよく使われるのが、お金に関する意味です。予定していた金額よりも多くお金を使ってしまった時に使います。
例文:
- 今月は食費が予算をオーバーして、3000円足が出てしまった
- 旅行の費用が思っていたより高くて、足が出そうだ
- 新しい洋服を買いすぎて、今月の小遣いから足が出た
秘密がバレる時の「足が出る」
あまり知られていませんが、隠していたことが露見する時にも「足が出る」を使います。
例文:
- 内緒でアルバイトをしていたが、友達に見つかって足が出た
- 完璧に見せかけていたが、ついに足が出てしまった
いっつも不思議に思ってることがあって、定期券だと振替輸送で足が出た分は補填されるけど、通常利用だと補填されないのはどういう理屈なのかね?
— ちひろ (@1993Chihiro) July 20, 2025
「足を引っ張る」の意味とは?人間関係での邪魔や妨害
「足を引っ張る」は「わざと、わざとじゃないに関わらず、人の成功を妨げる、または邪魔してしまうこと」です。チームワークや協力が必要な場面でよく使われる表現です。
意図的に邪魔をする場合
相手の成功を阻止しようと故意に妨害する時に使います。
例文:
- 彼は同僚の昇進を阻止するために、わざと足を引っ張っている
- ライバル会社が私たちのプロジェクトの足を引っ張ろうとしている
意図せずに迷惑をかける場合
本人に悪意はないけれど、結果的に迷惑をかけてしまう時にも使います。
例文:
- 新人の私がミスをして、チーム全体の足を引っ張ってしまった
- 体調不良で休んだせいで、みんなの足を引っ張ることになった
- スポーツが苦手な私は、いつもクラスの足を引っ張っている
悪口で集まった仲間は本当の仲間ではない。他人の欠点を見つけ出しては見下すような連中と関わると、永遠に自己肯定感は高まらない。そうなると、人は幸せを感じることができない。健全に努力せずに、他人の足を引っ張って生きるような連中はそのうちあなたの足を引っ張る。縁を切り捨てましょう。
— アドラー心理学サロン(アドサロ) (@PositiveSalon) July 27, 2025
なぜ「足」という言葉が使われるの?語源を解説
「足が出る」の語源
「足が出る」の語源は「着物の丈が短くて足が出る意から」来ています。着物が短すぎて足が見えてしまうように、予算が足りなくて不足分が「出てしまう」ということを表現しています。
また、お金のことを昔から「お足」と呼んでいたことから、お金が足りなくなることを「足が出る」と言うようになったという説もあります。
「足を引っ張る」の語源
「足を引っ張る」は、走っている人の足を引っ張って転ばせたり、進行を妨げたりすることから生まれた表現です。物理的に足を引っ張って邪魔をすることから、比喩的に「妨害する」「邪魔する」という意味で使われるようになりました。
実際の使い分けポイント
主語と対象の違い
- 足が出る:自分のお金や秘密について使う(主に自分の問題)
- 足を引っ張る:他人に迷惑をかける時に使う(他人への影響)
場面の違い
- 足が出る:お金の計算、家計管理、秘密の発覚など
- 足を引っ張る:チームワーク、協力関係、競争相手との関係など
感情の違い
- 足が出る:困った、予想外だった(個人的な悩み)
- 足を引っ張る:申し訳ない、邪魔をしてしまった(他人への謝罪や反省)
私の体験談:間違えて恥ずかしい思いをした話
先ほど少し触れましたが、私は会社の歓送迎会で大きな勘違いをしてしまいました。新人の頃、仕事でミスをしてしまい、「チームの足を引っ張ってしまって申し訳ありません」と言いたかったのですが、緊張していて「チームの足が出てしまって申し訳ありません」と言ってしまったんです。
先輩に「足が出るって、お金が足りなかったの?」と聞かれて、初めて自分の間違いに気づきました。その時は恥ずかしくて顔が真っ赤になりましたが、今では良い思い出です。
この経験があったからこそ、慣用句の正しい使い方の大切さを実感しています。言葉を間違えると、相手に全く違う印象を与えてしまうんですね。
子育て中に気づいた使い分けのコツ
子供と一緒に家計簿をつけている時も、この2つの表現をよく使います。「今月はおやつ代で足が出ちゃったね」と言ったり、子供が宿題を忘れて「クラスの足を引っ張らないように気をつけよう」と話したり。
子供にも分かりやすく説明するために、「足が出る」は「お金が足りなくなること」、「足を引っ張る」は「みんなの邪魔をしてしまうこと」と簡単に覚えさせています。
よくある質問
Q1:「足が出る」は必ずお金のことだけですか?
「足が出る」にはお金の意味以外に、「隠していたことがバレる」という意味もあります。ただし、現代では圧倒的にお金の意味で使われることが多いです。「秘密が足を出した」のように言うこともありますが、「バレた」「露見した」と言う方が自然です。
Q2:「足を引っ張る」はいつも悪い意味ですか?
基本的には「邪魔をする」「妨害する」という意味なので、ネガティブな表現です。ただし、「わざと」の場合と「うっかり」の場合があります。「みんなの足を引っ張らないように頑張ります」のように、謙遜や決意表明として使うこともあります。
Q3:ビジネスシーンではどちらをよく使いますか?
ビジネスシーンでは「足を引っ張る」の方がよく使われます。「プロジェクトの足を引っ張らないように」「チームの足を引っ張ってしまい申し訳ありません」など、チームワークに関する表現として頻繁に使われます。「足が出る」は予算関連の話で使われることがあります。
Q4:類似の表現はありますか?
「足が出る」の類似表現:赤字になる、予算オーバー、持ち出しになる、損をする 「足を引っ張る」の類似表現:邪魔をする、妨害する、足手まといになる、迷惑をかける
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「足が出る」と「足を引っ張る」は、どちらも「足」という言葉が入っていますが、意味は全く異なります。
**「足が出る」**は、予算をオーバーしてお金が足りなくなることや、秘密がバレることを表します。主に自分の問題について使う表現です。
**「足を引っ張る」**は、他人の邪魔をしたり、チームの妨げになったりすることを表します。人間関係や協力が必要な場面で使われる表現です。
この違いを覚えておけば、もう間違えることはありません。日常会話でも自信を持って正しく使い分けることができますね。言葉は人とのコミュニケーションを円滑にする大切なツールです。正しい使い方を身につけて、より豊かな表現力を手に入れましょう!