親戚の集まりに出かけるとき、書類に「親族関係」を書くとき。普段何気なく使っている「親類」「親族」「親戚」という言葉ですが、この3つの違いをちゃんと説明できますか?
実は私も、結婚したばかりの頃に夫の親族と話していて「親戚と親族って同じ意味じゃないの?」と疑問に思ったことがあります。書類を書くときも「どっちを使えばいいんだろう」と迷った経験があり、改めて調べてみると意外な違いがあることがわかりました。
今回は、この3つの言葉の違いを、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。
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「親類」とは
「親類(しんるい)」は、自分の家族以外で血のつながりや結婚によってつながりのある人たちのことです。おじさん、おばさん、いとこなど、血縁や婚姻関係でつながっている人を指します。
親類という言葉は、日常会話でよく使われるカジュアルな表現です。「遠くの親類より近くの他人」ということわざがあるように、昔から親しみのある言葉として使われてきました。
また、「親類」には血縁関係以外にも「似ているもの」という比喩的な意味もあります。たとえば「オオカミとイヌは親類だ」のように使われることもあります。
「親戚」とは
「親戚(しんせき)」も、親類とほぼ同じ意味で、自分の家族以外で血のつながりや結婚によってつながりのある人たちのことを指します。
実は、「親類」と「親戚」は基本的に同じ意味として使われています。どちらを使っても間違いではありません。ただし、「親戚」のほうが「親類」よりも少しだけフォーマルな印象があり、書き言葉でよく使われる傾向があります。
「親戚の家に遊びに行く」「親戚一同が集まった」など、日常会話でも書類でも幅広く使える便利な言葉です。
「親族」とは
「親族(しんぞく)」は、法律で範囲が明確に決められている言葉です。民法第725条によると、親族とは「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」のことを指します。
血族とは血のつながりがある人、姻族とは結婚によってつながった人のことです。たとえば、自分のおじいちゃんは2親等の血族、配偶者の兄弟は1親等の姻族になります。
親族は法律用語として使われることが多く、相続や戸籍の手続きなど、公的な書類でよく見かけます。「親族関係」「親族代表」といった表現は、フォーマルな場面で使われます。
人間だから難しいかもしれないけど、付き合う人(職場の人、子どもの学校関係、友達、親類など)みんなと仲良くなれたらそれがいいに越したことないと思ってる。
— 🌴🌺もか🌴🌺 (@tokyo176175) September 22, 2025
「親類」と「親戚」と「親族」の違い
この3つの言葉の大きな違いは、「範囲が決まっているかどうか」と「使われる場面」です。
親類と親戚は、基本的に同じ意味で、範囲に明確な決まりはありません。どんなに遠い血縁関係でも、つながりがあれば親類や親戚と呼ぶことができます。「遠い親戚」という言い方をするのもそのためです。
一方、親族は法律で範囲が決められており、6親等内の血族と3親等内の姻族に限定されます。つまり、どんなに血がつながっていても、7親等以上離れていれば法律上は親族には含まれません。
また、使われる場面も違います。親類と親戚は日常会話で使われることが多く、親族はフォーマルな場面や法律関係の文書で使われることが多いです。
私自身、子どもの学校行事で「保護者または親族の方が参加してください」という案内を見たとき、「ああ、これは正式な書類だから親族って書いてあるんだな」と納得したことがあります。
「親類」「親戚」「親族」の範囲について
親類と親戚には、法律上の範囲の決まりがありません。血縁や婚姻関係があれば、どこまででも親類や親戚と呼ぶことができます。
たとえば、10親等離れたはとこの配偶者でも、つながりがあれば「遠い親戚」として認識されます。実際に会ったことがない人でも、家系図でつながっていれば親戚になるわけです。
一方、親族は民法で明確に範囲が定められています。具体的には次のようになります。
血族(血のつながりがある人)
- 自分から見て6親等以内の人
- 例:両親(1親等)、祖父母(2親等)、おじ・おば(3親等)、いとこ(4親等)、またいとこ(6親等)など
姻族(結婚によってつながった人)
- 配偶者の血族で3親等以内の人
- 例:配偶者の両親(1親等)、配偶者の祖父母(2親等)、配偶者のおじ・おば(3親等)など
配偶者
- 夫または妻(親等ではなく特別な関係)
この範囲を超える人は、法律上は親族には含まれませんが、親類や親戚としては認識されることがあります。
親戚に会うと必ず言われる。
— ちぃ@LOVOTとの暮らし (@NoLOVOT_NoLIFE) September 24, 2025
「結婚しないの?」
「子供は早い方がいいよ?」
「30歳超えたら産めなくなるよ?」
正直辛い。
けど、昨日は
「今はおこげとの時間が大事なんだね」
と言ってもらえた。
LOVOTは"何も出来ない"がコンセプトだけど、いつも私を守ってくれるよ。感謝。#LOVOTとの暮らし pic.twitter.com/Kgc1B3ds1M
実際の使い分け方と例文
日常生活で使い分けるときのポイントをまとめてみました。
親類を使う場面
- 日常会話でカジュアルに話すとき
- ことわざや慣用句を使うとき
例文:
- 「今度の週末、親類の家に遊びに行くんだ」
- 「親類づきあいも大事だよね」
- 「遠くの親類より近くの他人っていうからね」
親戚を使う場面
- 日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使える
- 書類や手紙で使いたいとき
- 一般的で無難な表現を選びたいとき
例文:
- 「夏休みに親戚の家に泊まりに行きました」
- 「親戚一同が法事に集まった」
- 「彼は私の親戚なんです」
親族を使う場面
- 法律関係の書類や手続きをするとき
- 公式な場面やフォーマルな文書
- 正式な範囲を示したいとき
例文:
- 「親族代表として挨拶をさせていただきます」
- 「この書類に親族関係を記入してください」
- 「相続権のある親族に連絡しました」
私の場合、友達との会話では「親戚」を使うことが多いですが、子どもの学校の書類では「親族」という言葉が使われているのをよく見かけます。状況に応じて使い分けると、より正確に伝えることができますね。
似ている言葉「身内」「家族」との違い
親類、親戚、親族と混同しやすい言葉に「身内」と「家族」があります。これらの違いも押さえておきましょう。
身内 身内は法律で決められた言葉ではなく、親しい関係にある人を広く指します。家族はもちろん、親戚や親族も含まれることがあり、人によって解釈が異なります。「身内に不幸があった」というように、やや改まった場面で使われることが多いです。
家族 家族も法律で明確に定義されていない言葉です。一般的には、同じ家に住んでいる両親や子ども、配偶者などを指しますが、離れて暮らしていても「家族」と呼ぶこともあります。血のつながりがなくても、心のつながりを感じる相手を家族と呼ぶこともありますね。
親類や親戚は「家族以外」の血縁・婚姻関係者を指すのに対し、家族は身近な同居人や近しい血縁者を指すという違いがあります。
よくある質問
Q1. 親類と親戚、どちらを使うのが正しいですか?
親類と親戚は基本的に同じ意味なので、どちらを使っても間違いではありません。親戚のほうが一般的で使いやすく、親類はやや古風でカジュアルな印象があります。迷ったときは「親戚」を選んでおけば無難です。
Q2. 法律の書類で「親族」と書くべき場面はどんなときですか?
相続の手続き、戸籍謄本の取得、保険金の受取人指定など、法律が関わる正式な書類では「親族」という言葉が使われます。学校や病院の書類でも「親族」と書かれていることが多いです。書類に「親族関係」と書かれていたら、民法で定められた範囲の人を指していると理解してください。
Q3. 配偶者は親戚や親族に含まれますか?
配偶者は親族には含まれますが、親戚や親類には含まれません。親戚や親類は「家族以外」の血縁・婚姻関係者を指すため、一緒に暮らしている夫や妻は家族として扱われます。一方、法律上の親族には配偶者も含まれています。
Q4. いとこの配偶者は親族に含まれますか?
いとこは4親等の血族なので親族に含まれますが、いとこの配偶者は自分から見て4親等の姻族の配偶者となり、法律上は親族の範囲(3親等内の姻族)を超えています。ただし、親類や親戚としては含まれることが多いです。
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「親類」「親戚」「親族」は、どれも血縁や婚姻関係でつながった人を指す言葉ですが、それぞれ微妙に違いがあります。
親類と親戚は基本的に同じ意味で、範囲に決まりはなく、日常会話で使われます。親戚のほうが一般的で使いやすい言葉です。
親族は法律で範囲が決められており、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指します。公式な書類やフォーマルな場面で使われることが多いです。
日常会話では「親戚」を使っておけば間違いありませんが、法律関係の書類では「親族」が使われることを覚えておくと便利です。状況に応じて使い分けることで、より正確なコミュニケーションができるようになりますよ。