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「製品」と「商品」の違い!意味や使わけを具体例で解説

生活・文化

「この新しい『製品』がおすすめです」と「この『商品』がおすすめです」の違い、きちんと説明できますか?

日常生活でよく使う「製品」と「商品」ですが、実はそれぞれに明確な意味の違いがあります。お店で働いている人、企業で営業をしている人、そして正しい日本語を身につけたいすべての人にとって、この2つの言葉の違いを理解することはとても大切です。

私も昔は何となく使い分けていましたが、仕事で「弊社の製品を商品として扱わせていただきます」という文章を見た時に、改めてその意味の深さを感じました。

この記事では、「製品」と「商品」の基本的な違いから、具体的な使い分け方、そして実際の例文まで詳しく解説していきます。

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「製品」の意味とは?

製品の基本的な定義

「製品」とは、原料や材料を加工して作られた品物のことです。つまり、何かの材料を使って人の手によって作り出されたものが「製品」と呼ばれます。

ポイントは「作る」ことに焦点を当てた言葉だということです。製造工程があって、その結果できあがったものが製品なのです。

製品の具体例

  • 自動車メーカーが工場で組み立てた車
  • 食品メーカーが原料から作ったパンやお菓子
  • 電機メーカーが製造したテレビや冷蔵庫
  • 化粧品メーカーが開発したスキンケア用品
  • 製薬会社が研究開発した薬

これらはすべて、原料や部品から「製造」されたものなので「製品」と呼ばれます。

製品が使われる場面

製品という言葉は、主に製造業や開発の現場でよく使われます。例えば:

  • 「新製品の開発が完了しました」
  • 「品質の高い製品を作ることが目標です」
  • 「この製品は特許技術を使用しています」

このように、作る側の視点から使われることが多いのが特徴です。

「商品」の意味とは?

商品の基本的な定義

「商品」とは、販売するために作られ、あるいは仕入れて陳列されたもの(財物)のことです。売買の対象となるものが「商品」と呼ばれます。

重要なのは「売る」ことに焦点を当てた言葉だということです。製造されたかどうかは関係なく、売買の対象になっているかどうかが基準となります。

商品の具体例

  • スーパーマーケットに並んでいる野菜や果物
  • デパートで販売されている洋服
  • 本屋さんで売られている書籍
  • 不動産会社が扱っている土地や建物
  • 銀行の金融商品(預金、保険など)

「金融商品」などというように、形のないサービスや権利についても用いられる語です。これが商品の大きな特徴の一つです。

商品が使われる場面

商品という言葉は、販売や流通の現場でよく使われます。例えば:

  • 「この商品は人気が高くてよく売れています」
  • 「新しい商品を店頭に並べました」
  • 「お客様にとって魅力的な商品を提供したい」

このように、売る側や買う側の視点から使われることが多いのが特徴です。

「製品」と「商品」の根本的な違い

視点の違い

最も大きな違いは「視点」です:

  • 製品:作る側(製造側)の視点
  • 商品:売る側・買う側(流通側)の視点

同じ品物であっても、製造工程に着目すると「製品」となり、流通過程に着目すると「商品」になります。

対象範囲の違い

「商品」は「製品」を含む概念ですが、「商品」になるのは「製品」だけであるとは限りません。

例えば:

  • 農家が育てた野菜 → 製造していないので「製品」ではないが、売られると「商品」になる
  • 漁師が取った魚 → 製造していないので「製品」ではないが、市場では「商品」として扱われる

一方で、工場で作られた食品は「製品」でもあり、店頭に並ぶと「商品」でもあります。

簿記・会計での区別

ビジネスの世界では、この違いがより明確に現れます:

簿記会計においても、商品は加工せずに販売するものを指し、製品は加工して販売するものを指します。

つまり:

  • 商品:仕入れてそのまま販売するもの
  • 製品:原料を仕入れて加工してから販売するもの

実際の使い分け方と例文

メーカーの視点から

自社工場で製造し、販売まで行っているメーカーの場合、同じ品物でも、工場で出来上がった段階は「製品」であるが、市場に販売される段階には「商品」となります。

例文:

  • 「工場で新しい【製品】の製造が完了しました」
  • 「その【製品】を【商品】として来月から販売開始します」

小売店の視点から

他社製品を仕入れて販売する場合は、仕入れ先の他社工場にある段階では「他社製品」であるが、仕入れて販売する段階には「自社商品」となります。

例文:

  • 「あのメーカーの【製品】を仕入れることにしました」
  • 「当店では様々な【商品】を取り扱っております」

日常会話での使い分け

製品を使う場面:

  • 「日本の【製品】は品質が高いと評判です」
  • 「この会社は革新的な【製品】を開発しています」
  • 「家電【製品】の省エネ性能が向上しています」

商品を使う場面:

  • 「この【商品】はセール対象です」
  • 「人気の【商品】はすぐに売り切れてしまいます」
  • 「お客様のニーズに合う【商品】をご紹介します」

間違いやすいポイントと注意点

よくある間違い

  1. 農産物を「製品」と呼ぶ
    • ×「この野菜は地元の製品です」
    • ○「この野菜は地元の商品です」(または「地元産の野菜です」)
  2. サービスを「製品」と呼ぶ
    • ×「当社の保険製品をご検討ください」
    • ○「当社の保険商品をご検討ください」
  3. 製造業で販売段階のものを「製品」と呼ぶ
    • △「店頭の製品をご覧ください」
    • ○「店頭の商品をご覧ください」

私の体験談

以前、ある企業の営業資料を作成していた時のことです。「弊社の製品は高品質で…」と書いていたのですが、実際にはその会社は他社から仕入れた商品を販売する業務が中心でした。

上司から「ここは『商品』の方が適切だよ」と指摘され、改めて製品と商品の違いの重要性を実感しました。特にビジネスシーンでは、この区別を正しくすることで、より的確なコミュニケーションができるようになります。

業界別の使い分け事例

製造業

  • 工場での製造段階:「新しい【製品】のテストを行っています」
  • 営業・販売段階:「お客様に【商品】の魅力をお伝えします」

小売業

  • 仕入れ段階:「メーカーの【製品】を仕入れました」
  • 販売段階:「お客様におすすめの【商品】をご案内します」

IT業界

  • 開発段階:「新しいソフトウェア【製品】を開発中です」
  • 販売段階:「クラウド【商品】のラインナップを拡充しました」

よくある質問

Q1. 農産物は製品と商品のどちらですか?

農業や漁業における生産物は製造加工された物ではありませんが、店頭に並ぶと「商品」になります。

野菜や果物、魚などは自然から収穫・漁獲したものなので「製品」ではありません。しかし、市場で売買されるときは「商品」として扱われます。

ただし、野菜を加工してサラダにしたり、魚を加工して缶詰にしたりすると、それらは「製品」になります。

Q2. ハンドメイド作品は製品ですか?商品ですか?

手作りのアクセサリーや陶器などは、材料を加工して作られているので「製品」と呼ぶことができます。そして、それを販売する場合は「商品」としても扱われます。

つまり、同じものが製作者の視点では「製品」、販売者・購入者の視点では「商品」になるのです。

Q3. デジタルコンテンツは製品と商品のどちらですか?

アプリやゲーム、電子書籍などのデジタルコンテンツは、開発・制作段階では「製品」、販売段階では「商品」として扱われることが一般的です。

ただし、形のないサービスについては「商品」として表現されることが多いです。例えば「音楽配信サービス」や「動画配信サービス」は「サービス商品」と呼ばれます。

Q4. 中古品は製品と商品のどちらですか?

中古品は、既に製造された製品が再び売買の対象になったものなので、基本的には「商品」として扱われます。

「中古商品」「リサイクル商品」という表現が一般的で、「中古製品」という言い方はあまり使われません。これは、中古品が製造段階ではなく、流通・販売段階に焦点を当てた概念だからです。

英語での表現の違い

日本語の「製品」と「商品」の区別は、英語でも似たような概念があります:

  • 製品 = Product(プロダクト)
  • 商品 = Goods(グッズ)、Merchandise(マーチャンダイズ)、Commodity(コモディティ)

ただし、英語では「Product」が商品の意味でも使われることが多く、日本語ほど厳密に区別されていない場合もあります。

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まとめ

「製品」と「商品」の違いをもう一度整理すると:

製品(せいひん)

  • 原料や材料を加工して作られた品物
  • 製造・開発の視点から使われる言葉
  • 「作る」ことに焦点を当てている
  • 例:新製品、家電製品、医薬品

商品(しょうひん)

  • 売買の対象となる品物やサービス
  • 販売・流通の視点から使われる言葉
  • 「売る・買う」ことに焦点を当てている
  • 例:店頭商品、金融商品、人気商品

同じ物でも、見る視点や状況によって「製品」にも「商品」にもなります。製造段階では「製品」、販売段階では「商品」として扱われることが多いのです。

日常会話では厳密に区別する必要はありませんが、ビジネスシーンや正式な文書では、適切な使い分けができると、より正確で印象の良いコミュニケーションができるでしょう。

この違いを理解しておけば、仕事や日常生活でより適切な日本語を使えるようになります。ぜひ参考にしてみてください。