会議で「前年比120%です」と報告したら、上司から「それって増減率は?」と聞かれて、一瞬フリーズしてしまった経験はありませんか?私も周りの人たちに聞けずにモヤモヤしたことがあります。
ビジネスの現場でも日常生活でも、数字を使う機会は意外と多いですよね。でも、「増減率」「成長率」「前年比」って、似ているようで実は全然違うんです。この記事では、それぞれの意味や計算方法、使い分けのポイントを小学生でも分かるくらい簡単に解説していきます!
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「前年比」「昨年比」「昨対比」の違いはある?正しい使い分け
コロナの影響がほぼない2020年度入試と2025年度入試(暫定)で、私立大学の志願者数を比較した。平均成長率も出したが、基本的には増減数が大事。
— 盛本圭一/MORIMOTO Keiichi (@MORIMOTOlab) February 1, 2025
関西学院、爆増している。手前が凹みすぎだったか。他は明治が大きく増加。この間、18歳人口が8万人減少していることに注意(平均成長率 -1.4%)。 pic.twitter.com/fsIPkZFyHB
「増減率」とは
増減率とは、前の期間と比べてどれくらい増えたか(または減ったか)をパーセントで表したものです。プラスになれば増加、マイナスになれば減少を意味します。
計算式はこちらです。
増減率(%)=(今年の数値 − 前年の数値)÷ 前年の数値 × 100
例えば、去年の売上が100万円で、今年が120万円だった場合を見てみましょう。
(120万円 − 100万円)÷ 100万円 × 100 = 20%
この場合、「増減率は20%」または「20%増加」と表現します。前年と比べて20%分増えた、ということですね。
私がよく使うのは、スーパーの特売チラシを見る時です。「前回より30%増量!」なんて書いてあると、どれくらいお得なのか一目で分かりますよね。これが増減率の考え方なんです。
増減率は、変化の大きさを直感的に理解しやすいので、報告資料やプレゼンでよく使われます。特に「どれくらい伸びたか」「どれくらい減ったか」を強調したい時に便利です。
「成長率」とは
成長率は、ビジネスや経済の世界で企業や市場がどれくらい成長しているかを表す指標です。基本的な考え方は増減率とほぼ同じで、前の期間と比べてどれくらい伸びたかをパーセントで示します。
成長率(%)=(今年の数値 − 前年の数値)÷ 前年の数値 × 100
計算式を見ると、「あれ?増減率と同じじゃない?」と思いますよね。実は、数学的には同じ計算方法なんです。
じゃあ何が違うのかというと、使われる場面と意味合いが違います。成長率は主に「企業の売上高」や「市場規模」など、ビジネスの成長を測る時に使われます。一方、増減率はもっと広い意味で、増加も減少も含めて「変化の割合」全般を指します。
例えば、「売上高成長率15%」と言えば、企業が順調に伸びているというポジティブなニュアンスがあります。でも「売上の増減率マイナス5%」と言えば、減少したことを示しています。成長率は基本的にプラスの伸びを表現する時に使われることが多いんです。
私の夫が会社で「今期の成長率目標」という言葉をよく口にしていますが、これは「どれくらい伸ばすか」という前向きな目標を表しているんですね。
「前年比」とは
前年比は、今年の数値が前年の数値の何倍になっているかを表す指標です。増減率や成長率とは表現の仕方が根本的に違うので、ここが一番混同しやすいポイントです。
前年比(%)= 今年の数値 ÷ 前年の数値 × 100
例えば、去年の売上が100万円で、今年が120万円だった場合、
120万円 ÷ 100万円 × 100 = 120%
この場合、「前年比120%」と表現します。つまり、前年の1.2倍になったということです。
ここで注意してほしいのが、前年比120%は「20%増えた」という意味ではなく、「前年の120%の規模になった」という意味だということ。前年を100%として、それに対して今年は何%なのかを示しているんです。
私が以前混乱したのは、「前年比120%」と聞いて「120%も増えたの!?」と思ってしまったこと。でも正しくは、増えたのは20%分なんです。前年比から100を引いた数字が、実際の増減率になります。
前年比は、前の年と比べて「今どの位置にいるのか」を基準100として相対的に表現するのに便利です。決算報告書やニュースなどでよく見かける表現ですね。
増減率・成長率・前年比の違いを分かりやすく整理
ここまでの説明をまとめて、3つの違いをはっきりさせましょう。
計算式の違い
- 増減率・成長率:(今年 − 前年)÷ 前年 × 100
- 前年比:今年 ÷ 前年 × 100
表現の違い
前年100万円、今年120万円の場合を例にすると、
- 増減率:20%増加(プラス20%)
- 成長率:20%(伸び率として表現)
- 前年比:120%(前年の1.2倍)
ここで大切なのは、「前年比120%」と「増減率20%」は同じ状況を指しているということです。表現方法が違うだけなんです。
私は家計簿をつける時、「今月の食費は先月比110%」と書いていましたが、これは「先月より10%増えた」という意味だと理解できるようになりました。数字を見る目が変わると、家計管理もしやすくなりますよ。
増減率と前年比の使い分け方のポイント
では、実際にどのように使い分ければいいのでしょうか?シーン別に見ていきましょう。
増減率(成長率)を使う場面
増減率や成長率は、変化の大きさを強調したい時に使います。
「前年と比べて売上が30%増加しました」という表現は、「30%も伸びた!」という印象を与えられます。プレゼンや営業報告で成果をアピールしたい時にぴったりです。
また、マイナスの変化も「増減率マイナス5%」「5%減少」と分かりやすく表現できます。減少した事実をしっかり伝えたい時に便利ですね。
前年比を使う場面
前年比は、基準を明確にして比較したい時に使います。
「前年比150%を達成」という表現は、前年を100%として1.5倍になったことを示します。企業の業績報告や統計データでよく使われる表現です。
特に、複数の年度を比較する時は前年比が便利です。「2023年は前年比105%、2024年は前年比110%」のように、年ごとの推移を追いやすくなります。
私の経験では、PTAの活動報告で「昨年比」という言葉を使った方が、保護者の皆さんにとって分かりやすかったという実感があります。「昨年を基準として考えてください」という意味が伝わりやすいんですね。
書類選考で一番目につくのは「自己PRより職務経歴の具体性」です。
— かおり | NEXT採用担当 (@recruit_kk) October 1, 2025
“何ができる人なのか”がパッと伝わらない職務経歴書は、本当に惜しい。
例えば「営業をしていました」だけだと弱いですが、
「法人営業として新規開拓◯社、年間売上を前年比120%に伸ばした」となると、一気に印象が変わります。…
増減率・成長率・前年比の計算例と間違いやすいポイント
ここで、よくある間違いをいくつか紹介します。私も実際にやってしまったミスなので、同じ失敗をしないよう注意してくださいね。
よくある間違い1:前年比と増減率を混同する
「前年比120%増加」という表現は間違いです。正しくは「前年比120%」または「20%増加」のどちらかです。
前年比120%というのは、すでに「前年の120%になった」という意味なので、さらに「増加」をつけると二重表現になってしまいます。
よくある間違い2:マイナスの場合の表現
前年100万円、今年80万円の場合、
- 増減率:マイナス20%(20%減少)
- 前年比:80%
前年比がマイナスになることはありません。数字が減った場合でも、前年比は100%より小さい数字で表現します。
よくある間違い3:小数点以下の扱い
計算結果が割り切れない場合、小数点以下をどこまで表記するか迷いますよね。一般的には、小数第一位まで表記し、第二位以下を四捨五入することが多いです。
例えば、増減率が15.67%の場合、「約15.7%増加」と表現するのが一般的です。
実際のビジネスシーンでの使用例
ここで、実際の会議やメールでどのように使われるか、具体例を見てみましょう。
営業報告での使用例
「今期の売上高は前年比115%を達成しました。増減率で見ると15%の伸びとなり、目標の成長率10%を上回る結果となっております。」
この文章では、3つの言葉を使い分けています。前年比で全体像を示し、増減率で実際の伸び幅を説明し、成長率で目標との比較をしています。
資料作成での表現例
表やグラフに数字を載せる時は、どの指標を使うかで読み手の印象が変わります。
「売上推移」という表を作る場合、前年比を使えば基準年度との比較が分かりやすくなります。一方、「年度別成長率」という表を作れば、各年度でどれくらい伸びたかが一目で分かります。
私が保育園の予算説明資料を作った時、前年比で表現したら「あまり変わってないね」という反応でしたが、増減率で「15%増加しました」と表現したら、変化の大きさが伝わりやすくなりました。
増減率がマイナスになる場合の注意点
売上や業績が下がった時、どう表現すればいいか迷いますよね。
減少した場合の正しい表現
前年100万円、今年70万円の場合、
- 増減率:マイナス30%(30%減少)
- 前年比:70%
「30%減少しました」という表現の方が、「前年比70%でした」よりも変化の大きさが伝わりやすいですね。ただし、ネガティブな印象を和らげたい時は、前年比を使う方が適切な場合もあります。
赤字から黒字への変化
前年がマイナス50万円(赤字)、今年がプラス30万円(黒字)という場合、成長率や増減率を計算することはできません。マイナスの数値を基準にパーセント計算すると、数学的におかしな結果になってしまうからです。
こういう場合は、「前年の赤字50万円から今年は黒字30万円に転じました」というように、具体的な金額で表現する方が分かりやすいです。
私の夫の会社でも、部署の業績が赤字から黒字に転換した時、「成長率◯%」という表現ではなく、「黒字化達成」という言い方をしていました。状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切なんですね。
よくある質問(Q&A)
Q1:前年比150%と増減率50%は同じ意味ですか?
はい、同じ状況を指しています。前年比150%というのは、前年の1.5倍になったという意味で、前年を基準(100%)として50%増えたということです。つまり増減率で表現すると50%増加となります。
計算式で確認すると、
- 前年比:今年 ÷ 前年 × 100 = 150%
- 増減率:(今年 − 前年)÷ 前年 × 100 = 50%
前年比から100を引くと増減率になる、と覚えておくと便利ですよ。
Q2:成長率と増減率は完全に同じものですか?
数学的な計算方法は同じですが、使われる場面が少し違います。成長率は主にビジネスや経済の分野で、企業や市場が伸びている様子を表す時に使われます。基本的にプラスの成長を指すことが多いです。
一方、増減率はもっと広い意味で使われ、増加も減少も両方含みます。「増減率マイナス10%」という表現はありますが、「成長率マイナス10%」はあまり使いません。代わりに「前年比90%」や「10%減少」と表現することが多いです。
Q3:前年比が100%未満の時はどう表現すればいいですか?
前年比が100%未満の場合、前年より減少したことを意味します。
例えば前年比85%の場合、「前年比85%」と表現するか、「15%減少」「増減率マイナス15%」と表現します。
報告の場面では、状況に応じて使い分けましょう。減少の事実をはっきり伝えたい時は「15%減少」、前年との比較を重視したい時は「前年比85%」という具合です。
Q4:複数年にわたる成長率はどう計算すればいいですか?
複数年の成長率を見たい場合、「年平均成長率(CAGR)」という指標を使います。単純に各年の成長率を足して割るのではなく、複利計算の考え方を使います。
例えば3年間で売上が100万円から150万円になった場合、年平均成長率を計算すると約14.5%になります。これは毎年約14.5%ずつ成長したのと同じペースということです。
長期的なトレンドを見る時は、この年平均成長率が便利ですが、計算がやや複雑なので、専用の計算ツールやエクセルの関数を使うと楽ですよ。
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「増減率」「成長率」「前年比」は似ているようで、実は表現方法や使う場面が違います。最後にポイントをおさらいしましょう。
増減率・成長率は、前年と比べてどれくらい増えたか(減ったか)をパーセントで表します。変化の大きさを強調したい時に便利です。計算式は(今年−前年)÷前年×100です。
前年比は、今年が前年の何倍になったかをパーセントで表します。前年を100%として相対的な位置を示すのに便利です。計算式は今年÷前年×100です。
同じ数字でも、「前年比120%」と言うのと「20%増加」と言うのでは印象が変わります。報告する相手や状況に応じて、適切な表現を選ぶことが大切です。
私自身、この違いを理解してから、家計管理や保護者会での資料作りがスムーズになりました。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度理解してしまえば簡単です。ぜひ日常生活やお仕事で使ってみてくださいね。