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「デスマーチ」と「ブラック企業」の違い!意味と使い分けを解説

仕事・学校

会社の労働環境について話す時に、「デスマーチ」や「ブラック企業」という言葉を耳にすることがありますよね。どちらも「過酷な働き方」を連想させる言葉ですが、実はこの2つには明確な違いがあるんです。

私自身も、以前働いていた職場で同僚から「今のプロジェクト、完全にデスマーチ状態だよね」と言われたことがあります。その時は「ブラック企業ってこと?」と思ったのですが、実は意味が違うことを後から知りました。

この記事では、「デスマーチ」と「ブラック企業」の違いを、例文を交えながらわかりやすく解説します。就職活動中の方や、今の職場環境に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

「デスマーチ」とは

デスマーチとは、プロジェクトにおいて過酷な労働状況を指す言葉です。元々はコンピュータプログラマが使い始めたIT業界の専門用語でした。

「デスマーチ」という言葉は英語の「death march(死の行進)」から来ており、まるで終わりが見えない過酷な行進のように、長時間労働が続くプロジェクトの状態を表現しています。

デスマーチの特徴

デスマーチには次のような特徴があります。

期間限定の過酷な状況

デスマーチは基本的に「プロジェクト期間中の一時的な状態」です。納期が迫っている時期や、トラブルが発生した時など、特定の期間だけ極端に忙しくなることを指します。

終わりが見えている

辛い状況ではありますが、プロジェクトの終了とともにデスマーチも終わります。「あと2週間頑張れば納期だ」というように、ゴールが見えているのが特徴です。

主にIT業界やプロジェクト型の仕事で使われる

ソフトウェア産業に限らず、コンピュータが関係する一般的なプロジェクト全般で使われるようになってきており、特に納期などが破綻寸前で、関係者の負荷が膨大になったプロジェクトの状況を表現する言葉として定着しています。

デスマーチの例文

  • 「今回のシステム開発は納期が厳しくて、完全にデスマーチ状態になってしまった」
  • 「プロジェクトの最終段階でトラブルが続出して、デスマーチに突入した」
  • 「デスマーチを乗り越えて、なんとか納品できた」

私の友人は、システムエンジニアとして働いているのですが、大型案件の納期前には月に100時間以上残業することもあるそうです。ただ、彼女は「デスマーチは辛いけど、プロジェクトが終われば普通の生活に戻れるから」と話していました。実際、プロジェクト終了後は有給休暇を取って、しっかり休んでいましたよ。

「ブラック企業」とは

ブラック企業とは、労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課したり、賃金不払残業や、いじめ・嫌がらせ等のパワーハラスメントが横行する等、企業全体のコンプライアンス意識が低く、劣悪な環境での労働を強いて改善しない体質を持つ企業のことです。

厚生労働省も、ブラック企業の一般的な特徴について言及しており、社会問題として認識されています。

ブラック企業の特徴

ブラック企業には次のような特徴が見られます。

慢性的で継続的な劣悪環境

ブラック企業の問題点は、劣悪な労働環境が「常に続く」ことです。一時的ではなく、企業の体質として過酷な働き方が定着しています。

会社全体の体質や文化の問題

特定のプロジェクトだけでなく、会社全体で長時間労働やハラスメントが当たり前になっているのがブラック企業です。経営陣の意識や企業文化に問題があるため、改善が難しいのが特徴です。

法律違反が横行している

残業代が支払われない、休日が少ない、有給休暇を取らせてもらえない、異常に高いノルマを課すなど、労働基準法に違反するような働き方を強制することも少なくありません。

離職率が高い

ブラック企業では、劣悪な環境に耐えられず多くの人が辞めていくため、離職率が非常に高くなります。常に求人を出している企業は要注意です。

ブラック企業の例文

  • 「前の会社はサービス残業が当たり前のブラック企業だった」
  • 「この企業は年間休日が90日しかないから、ブラック企業の可能性が高い」
  • 「パワハラが横行していて、完全にブラック企業だと思う」

実は私の知人が、新卒で入社した会社がブラック企業でした。残業代は一切出ず、上司からの暴言も日常茶飯事。最初は「社会人ってこんなものかな」と我慢していたそうですが、体調を崩して半年で退職しました。その後、転職した会社では普通に定時で帰れて、有給も取れるようになったそうです。「あの会社は異常だったんだ」と気づいたと話していました。

「デスマーチ」と「ブラック企業」の違いを比較

ここで、2つの言葉の違いを整理してみましょう。

期間の違い

  • デスマーチ:一時的(プロジェクト期間中など)
  • ブラック企業:慢性的、継続的

デスマーチは「今だけ」の状態ですが、ブラック企業は「ずっと」その状態が続きます。

範囲の違い

  • デスマーチ:特定のプロジェクトやチーム
  • ブラック企業:会社全体の体質

デスマーチは特定のプロジェクトで発生しますが、ブラック企業は組織全体の問題です。

原因の違い

  • デスマーチ:プロジェクトの進行管理の失敗、予期せぬトラブル、無理な納期設定など
  • ブラック企業:企業の経営方針、コンプライアンス意識の低さ、人件費削減の方針など

デスマーチはプロジェクトマネジメントの問題であることが多いですが、ブラック企業は企業文化そのものの問題です。

終わりがあるかどうか

  • デスマーチ:プロジェクト終了とともに終わる
  • ブラック企業:自分が退職するか、会社が変わらない限り続く

これが最も大きな違いと言えるでしょう。

デスマーチとブラック企業の関係性

実は、デスマーチとブラック企業は完全に別物というわけではありません。デスマーチが頻繁に発生する会社は、ブラック企業である可能性が高いと言えます。

デスマーチが常態化している企業は要注意

たまにデスマーチが発生するのは仕方がない面もありますが、「常にどこかのチームがデスマーチ状態」「プロジェクトごとに必ずデスマーチになる」という会社は、プロジェクト管理能力がないか、意図的に無理なスケジュールを組んでいる可能性があります。

つまり、デスマーチを繰り返す会社は、実質的にブラック企業と言えるかもしれません。

私が以前勤めていた会社では、3ヶ月に1回くらいの頻度でデスマーチが発生していました。最初は「IT業界だからこんなもの」と思っていましたが、友人の話を聞くと、きちんとした会社ではそこまで頻繁にデスマーチは起きないそうです。結局、その会社は離職率も高く、ブラック企業に近い体質だったのだと後から気づきました。

使い分けのポイント

「デスマーチ」と「ブラック企業」、どう使い分けたらいいのでしょうか。

「デスマーチ」を使う場面

  • 特定のプロジェクトが大変な時期を迎えている時
  • 納期前の一時的な忙しさを表現する時
  • 過酷だけど終わりが見えている状況を説明する時

例:「今月は納期前でデスマーチ状態だけど、来月には落ち着くはず」

「ブラック企業」を使う場面

  • 会社全体の労働環境が常に劣悪な時
  • 法律違反が当たり前になっている企業について話す時
  • 就職・転職で避けるべき会社を指す時

例:「残業代が出ないなんて、完全にブラック企業だよ」

両方を使う場面

場合によっては、両方の言葉を組み合わせて使うこともあります。

例:「うちの会社はブラック企業で、しかも今はデスマーチ状態だから本当にきつい」

この場合、「会社全体がブラック企業である上に、今は特に過酷なプロジェクト期間中」という意味になります。

健全な働き方を見極めるために

就職活動や転職活動をしている方は、「デスマーチが頻発する会社」や「ブラック企業」を避けたいですよね。

見極めるポイント

  • 離職率をチェックする(高い離職率は危険信号)
  • 求人が常に出ていないか確認する
  • 年間休日数を確認する(120日以下は要注意)
  • 面接で残業時間や休日出勤について具体的に質問する
  • 口コミサイトで社員の生の声を確認する

もちろん、ある程度の忙しさはどんな仕事にもあります。大切なのは、「一時的な忙しさ」なのか「慢性的な劣悪環境」なのかを見極めることです。

私自身、転職活動をした時は、必ず「プロジェクトの繁忙期はどれくらいの頻度で来ますか」「繁忙期の残業時間はどれくらいですか」「残業代はきちんと支払われますか」と質問するようにしていました。これらの質問に対して、曖昧な回答しかしない企業は避けた方が無難かもしれません。

よくある質問

Q1:デスマーチは違法なのでしょうか?

デスマーチ自体が違法というわけではありません。ただし、デスマーチ中でも労働基準法は守らなければなりません。残業代が支払われない、休日出勤を強制されるなど、法律に違反している場合は問題です。

一時的に忙しくなることは仕方ない面もありますが、「デスマーチだから残業代は出ない」「デスマーチだから休めない」というのは法律違反です。過労で体調を崩すような状態も問題があります。

Q2:ブラック企業かどうかの明確な基準はありますか?

厚生労働省においてはブラック企業について定義していませんが、実は決まった定義はなく曖昧なイメージで叩かれている場合もあります。

ただし、労働基準法違反(残業代未払い、過度な長時間労働など)があれば、それは明確に問題のある企業です。また、パワハラやセクハラが横行している、有給休暇を全く取らせないなど、労働者の権利を侵害している企業もブラック企業と言えるでしょう。

Q3:デスマーチを経験したらすぐに転職すべきですか?

1回のデスマーチですぐに転職を考える必要はありません。どんな会社でも、時には忙しい時期があるものです。

ただし、デスマーチが終わらない、頻繁に発生する、体調を崩すほど過酷、残業代が支払われないなどの状況であれば、その会社はブラック企業の可能性があります。自分の健康を第一に考えて、転職も検討した方がいいでしょう。

私の周りでも、「年に1〜2回のデスマーチは我慢できるけど、毎月のようにデスマーチがあるのはおかしい」と気づいて転職した人がいます。結果的に、その決断は正しかったと本人も話していました。

Q4:ブラック企業でもデスマーチがない会社はありますか?

あります。ブラック企業の定義は幅広く、長時間労働だけがブラック企業の条件ではありません。

例えば、残業は少ないけれどパワハラが横行している会社、給料が極端に低い会社、休日が少ない会社なども、ブラック企業と言えます。デスマーチは主にプロジェクト型の仕事で発生するため、プロジェクトがない業種では起こりにくいです。

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まとめ

「デスマーチ」と「ブラック企業」の違いをまとめると、以下のようになります。

デスマーチは、プロジェクト期間中の一時的な過酷な労働状況を指します。期間限定で、プロジェクト終了とともに終わるのが特徴です。主にIT業界やプロジェクト型の仕事で使われる言葉で、特定のチームやプロジェクトに限定された状態を表現します。

ブラック企業は、会社全体の体質として、慢性的に劣悪な労働環境が続く企業のことです。長時間労働、残業代未払い、ハラスメントなど、コンプライアンス意識が低く、労働者の権利を侵害する企業を指します。自分が退職するか会社が変わらない限り、状況は改善しません。

簡単に言えば、デスマーチは「今だけ大変」、ブラック企業は「ずっと大変」という違いがあります。

ただし、デスマーチが頻繁に発生する会社は、実質的にブラック企業である可能性もあります。自分の働く環境を客観的に見つめ直し、健康を損なうような状況であれば、適切な対応を考えることが大切です。

働く環境は人生の質に大きく影響します。この記事が、より良い職場選びや、今の職場環境を見直すきっかけになれば嬉しいです。