最近、ニュースやSNSで「NFT」という言葉をよく見かけるようになりましたよね。デジタルアートが何千万円で売れた、なんて話題も耳にします。そして最近では「SBT」という新しい言葉も登場してきました。
私も最初は「また新しい用語が出てきた…」と思ったのですが、よく調べてみると、この2つは似ているようで全く違う目的を持っているんです。特に子どもたちのデジタル教育を考えると、これからの時代に知っておきたい知識だなと感じています。
今回は、SBTとNFTの違いを、できるだけ分かりやすく解説していきますね。
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SBT(ソウルバウンドトークン)とは?
SBT(ソウルバウンドトークン)って何?
— ホンダアキラ(だーまん)|イラストレーター (@da_man_ga) February 15, 2023
譲渡不可能なNFTの規格の事。
従来のNFTは譲渡が可能なので証明書としては機能しない。
しかしSBTの場合ウォレットに一度入れば動かせない。NFTはアートの投機的な側面ばかりに目が行くが実はこういった実用性がある。 pic.twitter.com/zrwppTx8sE
SBTは「Soulbound Token(ソウルバウンドトークン)」の略で、日本語にすると「魂に紐づいたトークン」という意味になります。ちょっとファンタジーゲームみたいな名前ですよね。実際、この名前はオンラインゲームで「装備すると外せなくなるアイテム」から来ているそうです。
**SBTの最大の特徴は「譲渡できない」「売買できない」という点です。**一度手に入れたら、他の人に渡すことも売ることもできません。これって、現実世界の卒業証明書や運転免許証、マイナンバーカードと同じですよね。自分の資格や経歴を証明するものは、他人に譲ったり売ったりできないのと同じ仕組みなんです。
ブロックチェーン技術を使って作られているので、情報の改ざんができず、「この人が確かにこの資格を持っている」「この人が確かにこのイベントに参加した」といった証明を永久に残すことができます。デジタル世界の「身分証明書」や「卒業証書」と考えると分かりやすいかもしれません。
SBTが生まれた背景
SBTは2022年に、イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏らが提唱した比較的新しい概念です。NFTが注目される中で「何でも売買できてしまう」という問題点が浮き彫りになってきました。
例えば、大学の卒業証明書をNFTで発行したら、それを他人に売ってしまえる可能性があります。これでは本来の「証明」という目的が果たせませんよね。そこで「譲渡できないトークン」としてSBTが考案されたんです。
SBTの具体的な活用例
私が「なるほど!」と思ったSBTの使い道は、オンライン講座の修了証明です。友人が最近受けた講座では、全課程を修了すると自動的にSBTが発行されたそうです。これは転売できないので、確実に本人が受講して修了したことの証明になるんですね。
他にも、以下のような使い方が考えられています。
- 学歴や職歴の証明
- 資格や免許のデジタル化
- イベントやコミュニティへの参加証明
- 実績や功績の記録
- 信用スコアや評判システム
- 医療記録や健康データの管理
将来的には、履歴書に書く内容のほとんどがSBTで証明できる時代が来るかもしれません。転職活動のときに、SBTのウォレットを見せるだけで自分の経歴を証明できたら便利ですよね。
NFT(非代替性トークン)とは?
NFTは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略です。「非代替性」って難しい言葉ですが、簡単に言うと「他のものと取り替えられない、唯一無二のもの」という意味です。
例えば、1万円札はどの1万円札でも同じ価値ですよね。これを「代替性がある」と言います。でも、モナリザの絵画は世界に一つしかなく、他の絵画では代えられません。これが「非代替性」です。
**NFTの特徴は「譲渡できる」「売買できる」という点で、これがSBTとの最も大きな違いです。**デジタルアートやゲームのアイテム、音楽など、デジタルデータに「これは本物ですよ」という証明をつけて、売買できるようにしたものがNFTです。
NFTが注目された理由
私は最初、「デジタルのデータなんてコピーできるのに、なんで価値があるの?」と不思議でした。実際、画像ファイルなら右クリックで簡単に保存できますよね。
でも、ブロックチェーン技術によって「誰が最初に作ったか」「今は誰が持っているか」が明確に記録されるので、デジタルデータでも「本物」と「コピー」が区別できるようになったんです。これは革命的なことでした。
アーティストにとっては、デジタル作品を「作品」として販売できるようになり、新しい収入源が生まれました。また、転売されるたびにアーティストに収益の一部が入る「ロイヤリティ機能」もあるので、二次流通でも利益を得られるんです。
NFTの具体的な活用例
NFTは主に以下のような場面で使われています。
- デジタルアート作品の販売と所有
- ゲーム内のキャラクターやアイテム
- 音楽や動画などのコンテンツ
- トレーディングカードやコレクション
- 限定グッズやメンバーシップの証明
- 不動産や土地の所有権証明(バーチャル空間)
- イベントチケットや入場証
数千万円で取引されるNFTアートもあって、デジタルアートの市場を大きく変えました。私の周りでも、趣味でイラストを描いている友人がNFTで作品を販売し始めて、少しずつファンがついてきたと嬉しそうに話していました。
SBTとNFTの違いを比較
ここまで読んで「結局、何が違うの?」と思った方もいるかもしれませんね。一番分かりやすい違いをまとめると、こうなります。
譲渡・売買の可否
これが最も重要な違いです。
- SBT:譲渡不可、売買不可
- NFT:譲渡可能、売買可能
SBTは一度受け取ったら、その人のウォレット(デジタル財布)に永久に残ります。まるで体に刻まれたタトゥーのようなイメージですね。一方、NFTは自由に他の人に譲渡したり、マーケットプレイスで売買したりできます。
用途と目的
- SBT:個人の証明、信用情報、実績の記録
- NFT:資産、コレクション、アート作品、デジタル所有権
SBTは「あなたが誰であるか」を証明するもの。NFTは「あなたが何を持っているか」を示すものと考えると分かりやすいです。
価値の考え方
- SBT:本人にとっての価値(証明としての価値)
- NFT:市場価値(需要と供給で決まる価格)
SBTに値段はつきません。卒業証明書に値段がないのと同じです。でもNFTは、欲しい人がいれば高値で取引されますし、人気がなければ価値が下がることもあります。
現実世界での例え
これまでの説明を、もっと身近なもので例えてみますね。
- SBT:運転免許証、卒業証明書、社員証、医師免許、パスポート
- NFT:絵画、トレーディングカード、限定グッズ、不動産の権利書
運転免許証は他人に譲れませんが、絵画は売ることができる。この違いがそのままSBTとNFTの違いなんです。
SBTとNFTはどう使い分けられる?
実は、SBTとNFTは対立するものではなく、それぞれの目的に応じて使い分けられるべきものなんです。
例えば、オンラインゲームで考えてみましょう。
- SBTの使い方:プレイヤーのレベルや実績、称号などの記録
- NFTの使い方:武器や防具、アイテムなど、取引可能なゲーム内資産
プレイヤーの実績は譲渡できないSBTで記録し、アイテムは取引可能なNFTで管理する。こうすることで、「この人は本当に強いプレイヤーだ」という証明ができて、ゲーム内の信頼性が高まります。
私が参加しているオンライン学習コミュニティでも、似たような仕組みを検討しているそうです。受講履歴はSBTで、特典や限定コンテンツへのアクセス権はNFTで、という使い分けですね。
SBTって何?図解化!!
— ノリ|パワポデザイナー (@pt_norimori) January 7, 2023
SBTは今まで簡単に証明することが困難であった信頼・信用・実績を証明することができます。
実生活の中では免許証や卒業証書に使われるようになりますね。
NFTの世界ではコミュニティの貢献度の証明となりAL配布に活用。今後さらに注目されていくでしょう!#SBT pic.twitter.com/eLkOgswt7p
実際の生活にどう関係してくる?
「で、結局これって私たちの生活に関係あるの?」と思いますよね。実は、少しずつ身近になってきているんです。
就職・転職での活用
将来的には、履歴書の代わりにSBTのウォレットを見せる時代が来るかもしれません。学歴、職歴、資格、受講した講座、参加したプロジェクト…すべてがブロックチェーン上に記録されていて、改ざんできない証明として提示できます。
企業側も、応募者の経歴を簡単に確認できるようになり、採用プロセスが効率化されるかもしれません。
デジタルコンテンツの楽しみ方
NFTによって、デジタルアートや音楽を「所有する」という新しい楽しみ方が生まれました。好きなアーティストを応援する方法として、作品を購入してコレクションする人も増えています。
私自身、子どもの描いた絵をNFTにして家族で記念に残すというアイデアに興味があります。デジタルデータとして劣化せず、永久に保存できるのは魅力的ですよね。
信用社会の実現
SBTが普及すれば、匿名のインターネット上でも「信用できる人」が分かるようになるかもしれません。実績や評判がSBTとして記録されていれば、初めて取引する相手でも安心感が生まれます。
フリーランスとして働く人にとっては、自分のスキルや実績を証明する強力なツールになりそうです。
よくある質問
Q1. SBTやNFTを手に入れるには仮想通貨が必要ですか?
はい、基本的には必要です。SBTやNFTはブロックチェーン上で発行されるため、取引手数料(ガス代)として仮想通貨(主にイーサリアムなど)が必要になることが多いです。
ただし、無料で配布されるSBTやNFTもありますし、企業が手数料を負担してくれる場合もあります。最近では、クレジットカードで直接NFTを購入できるサービスも増えてきています。
初心者の方は、まず国内の仮想通貨取引所で口座を開設し、少額のイーサリアムを購入するところから始めるといいでしょう。数千円からでもスタートできます。
Q2. SBTは削除できないのですか?
これはSBTの設計によります。完全に削除できないSBTもあれば、発行者や本人が削除できる仕組みのSBTもあります。
例えば、不名誉な記録や過去の失敗がずっと残ってしまうのは問題ですよね。そのため、「忘れられる権利」を考慮した設計も議論されています。一定期間が経過したら自動的に消える「期限付きSBT」という考え方もあります。
この辺りは、プライバシーとのバランスを取りながら、今後ルールが整備されていくと思います。
Q3. NFTは投資として儲かりますか?
これはとても難しい質問です。確かに高額で取引されるNFTもありますが、価値が下がることも非常に多いです。NFTは株式や不動産以上に価格変動が激しく、投資としてはハイリスクと言えます。
実際、一時期数百万円で取引されていたNFTが、数ヶ月後にはほぼ無価値になったという例もたくさんあります。「絶対に儲かる」ということはありません。
私の考えとしては、「儲けよう」と思って始めるのではなく、「好きなアーティストを応援したい」「このプロジェクトを応援したい」「コミュニティに参加したい」といった動機で始めるのが健全だと思います。投資は余裕資金で行い、なくなっても困らない金額にとどめることが大切です。
Q4. SBTが悪用される心配はありませんか?
これは重要な懸念点です。SBTには以下のようなリスクが指摘されています。
プライバシーの問題:すべての実績や経歴が公開されてしまうと、個人のプライバシーが侵害される可能性があります。どこまでを公開するか、誰に見せるかをコントロールできる仕組みが必要です。
差別の助長:学歴や経歴がすべて可視化されることで、かえって差別が助長される危険性もあります。「この人はこのSBTを持っていないから信用できない」といった判断が広がる可能性です。
監視社会への懸念:政府や企業が市民の行動をSBTで監視する「デジタル監視社会」になる危険性も指摘されています。中国の社会信用スコアのような使われ方をする可能性もあります。
こうしたリスクを理解した上で、適切なルールや法整備を進めていく必要があります。技術そのものは中立的ですが、使い方次第で良くも悪くもなるということですね。
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今回は、SBTとNFTの違いについて詳しく解説してきました。最後にもう一度、ポイントをまとめておきますね。
**SBT(ソウルバウンドトークン)**は、譲渡できない個人証明用のデジタル証明書。卒業証明書や資格証明書のように、自分だけのものとして永久に記録される。「あなたが誰であるか」を証明するもの。
**NFT(非代替性トークン)**は、譲渡・売買ができるデジタル資産。アートや音楽、ゲームアイテムなど、唯一無二のデジタルデータに価値を持たせることができる。「あなたが何を持っているか」を示すもの。
両者の最大の違いは「譲渡できるかどうか」。SBTは個人に紐づいて動かせないのに対し、NFTは自由に売買や譲渡ができます。
どちらもブロックチェーン技術を使っていますが、目的はまったく異なります。SBTは信用や実績の証明に、NFTは資産やコレクションとして、それぞれの特性を活かして使われていくでしょう。
私も最初は「難しそう」と敬遠していましたが、一つずつ理解していくと、デジタル社会の未来が見えてくるようで、とてもワクワクしています。これからの時代、子どもたちがこうした技術に触れる機会も増えてくると思うので、親としても基本的な知識は持っておきたいですね。
皆さんも、この記事をきっかけに、Web3の世界に興味を持っていただけたら嬉しいです!

