アウトドアブームが続く中で、登山やボルダリング、キャンプなどを楽しむ人が増えていますよね。そんな時に悩むのが、パンツ選び。お店に行くと「トレッキングパンツ」と「クライミングパンツ」という2つの似た名前のパンツが並んでいて、「一体どっちを買えばいいの?」と迷ってしまった経験はありませんか。
実は私も最初にアウトドアショップに行った時、この2つの違いがまったく分からなくて、店員さんに聞くのも恥ずかしくて、結局何も買わずに帰ったことがあります。見た目は似ているけれど、実はそれぞれ得意とする場面や機能が全く違うんです。
この記事では、トレッキングパンツとクライミングパンツの違いを分かりやすく解説します。それぞれの特徴や使い分け方を知れば、自分に合ったパンツ選びができるようになりますよ。
「トレッキングパンツ」とは
トレッキングパンツは、山歩きや登山を目的として作られた専用のパンツです。長時間歩くことを前提にしているので、「歩きやすさ」を最優先に設計されているのが特徴です。
主な特徴は以下の通りです。
まず素材ですが、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維が使われることが多いです。これは汗をかいても素早く乾くためで、登山中に汗で濡れたパンツをずっと履いていると体温が奪われて危険だからです。
次にストレッチ性です。山道では大きな段差を登ったり、岩場をよじ登ったりする場面があるので、膝や股関節が大きく動かせるように伸縮性のある生地が使われています。立体裁断という特殊な縫製方法で、膝を曲げても突っ張らないように作られているんです。
そして耐久性も重要なポイント。山道では草木や岩に擦れることが多いので、破れにくい丈夫な素材が選ばれています。特に膝やお尻の部分を二重構造にしているモデルもあります。
また、撥水加工が施されているものが多く、朝露や突然の雨でも水を弾いてくれます。通気性も高いので、汗をかいてもムレにくく快適です。
トレッキングパンツには、ロング丈、ショート丈、そしてジッパーで長さを変えられるコンバーチブルタイプなど、さまざまなバリエーションがあります。
「クライミングパンツ」とは
クライミングパンツは、ロッククライミングやボルダリングなど、岩を登る動きを想定して作られたパンツです。「足を大きく開く」「体を曲げ伸ばしする」といった激しい動きに対応できるように設計されています。
クライミングパンツの最大の特徴は、股を大きく広げられる構造です。ガゼットクロッチという特殊な縫製で、股の部分にゆとりがあり、180度近く足を開いても生地が突っ張りません。
素材は、コットンやコットン混紡素材が使われることが多いです。トレッキングパンツと違い、化学繊維100パーセントよりも、肌触りが良く動きやすいコットン素材が好まれる傾向があります。最近ではストレッチ素材を使った薄手で丈夫なタイプも増えています。
ウエスト部分には、片手で簡単に調節できるウェビングベルトが付いているのも特徴です。これは岩を登っている最中でも、片手でサッとウエストを調整できるようにという工夫から生まれました。
また、膝から下の部分が二重構造になっているモデルが多く、岩に擦れても破れにくくなっています。ベルトの金具が少ないシンプルな作りで、クライミング中にハーネス(安全ベルト)と干渉しないように配慮されています。
最近では、デニム素材やコーデュロイ素材を使ったファッション性の高いモデルも登場していて、普段着としても人気が高まっています。
トレッキングパンツとクライミングパンツの違い
それでは、この2つのパンツの違いを詳しく見ていきましょう。
まず目的の違いです。トレッキングパンツは「長時間歩くこと」を目的としているのに対し、クライミングパンツは「岩を登る動き」を目的としています。
素材の面では、トレッキングパンツは速乾性を重視してポリエステルやナイロンなどの化学繊維が中心です。一方、クライミングパンツは動きやすさと耐久性を重視して、コットンやコットン混紡素材が多く使われます。
機能性の違いも重要です。トレッキングパンツは速乾性、撥水性、通気性に優れており、雨や汗に強い設計です。クライミングパンツは開脚性やストレッチ性に優れ、激しい動きに対応できる設計になっています。
シルエットも異なります。トレッキングパンツは細身からレギュラーフィットが多く、足さばきが良いスッキリしたデザインです。クライミングパンツはゆったりとしたシルエットで、股の部分にゆとりがあるデザインが一般的です。
耐候性では、トレッキングパンツが勝ります。撥水性が高く、寒さや雨にもある程度対応できます。一方、クライミングパンツは通気性が高い分、寒さや雨には弱い傾向があります。
使用シーンで言えば、トレッキングパンツは登山、ハイキング、長距離の山歩きに最適です。クライミングパンツはボルダリング、ロッククライミング、そして普段着としても活躍します。
私の体験から言うと、以前家族で高尾山に登った時、クライミングパンツで行ったことがあります。コットン素材だったので、汗をかいてもなかなか乾かず、下山する頃には足が冷たくなってしまいました。やはり長時間歩く登山には、速乾性のあるトレッキングパンツが向いているんだと実感しましたね。
今回のウェアは
— S.K. (@r0adbike_sk) December 29, 2023
・ミレーのあみあみ
・メリノウールのインナー+ミドル
・GOREの化繊ジャケット
・トレッキングパンツ
・BBBのリフレクトグローブ
今朝は最低0℃。
路肩の植木に霜が降りてたけど、私服っぽい見た目ながらに快適に走れるのが素晴らしい。 pic.twitter.com/bN5rFweLuQ
トレッキングパンツが向いているシーン
トレッキングパンツは、以下のようなシーンで活躍します。
日帰り登山や山歩きには最適です。整備された登山道から本格的な山道まで、長時間歩く場面で真価を発揮します。速乾性が高いので、汗をかいても快適に過ごせます。
富士登山のような標高の高い山にも向いています。気温の変化が激しく、雨に遭う可能性も高いので、撥水性と速乾性のあるトレッキングパンツが安心です。
ファストハイキングやトレイルランニングなど、スピードを重視するアクティビティでも活躍します。軽量で動きやすいので、素早い足さばきが可能です。
また、キャンプや川遊びなど、水に濡れる可能性のあるアウトドアシーンにもおすすめです。濡れても素早く乾くので、着替えの心配が減ります。
私の場合、家族でキャンプに行った時、夜露でテントの周りがびっしょり濡れていたんです。でもトレッキングパンツを履いていたので、朝のうちに乾いてくれて助かりました。普通のパンツだったら一日中濡れたままだったでしょうね。
クライミングパンツが向いているシーン
クライミングパンツは、こんな場面で力を発揮します。
まず当然ながら、ボルダリングやロッククライミングには最適です。足を大きく開いたり、体を伸ばしたりする動きが多いので、開脚性に優れたクライミングパンツが必須です。
意外かもしれませんが、普段着としても優秀です。シンプルなデザインでコーディネートしやすく、動きやすいので、街歩きや買い物、カフェでのんびりする時にもぴったりです。
キャンプでの使用にも向いています。焚き火の周りで座ったり、テントの設営で屈んだりする動作が多いキャンプでは、ゆったりとしたシルエットのクライミングパンツが楽チンです。
リラックスタイムにも最高です。ウエストがゴムやウェビングベルトで調節できるので、締め付け感がなく、家でくつろぐ時の部屋着としても活躍します。
私はクライミングパンツをよく部屋着として使っています。在宅ワークの時も、ジャージよりちゃんとした見た目で、でも楽に過ごせるので重宝しているんです。子どもの公園遊びに付き合う時にも、動きやすくて汚れても気にならないので便利ですよ。
Instagram @beyondthethirteen
— はるぴっぴ (@haru01202) October 29, 2024
韓国発のクライミングパンツの
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V13、5.13を超えろBeyond the thirteen
日本での販路拡大を模索中です。
現在は少量ですが @Jam_Mitaka で販売開始されました。
履き心地は抜群だしシルエットがスッキリしていて最高のデニムです。 pic.twitter.com/s3gyqIjEVl
選び方のポイント
それでは、自分に合ったパンツを選ぶポイントをご紹介します。
まず活動内容で選びましょう。長時間歩く登山やハイキングならトレッキングパンツ、岩を登るクライミングや普段使いならクライミングパンツが基本です。
季節や天候も考慮が必要です。雨が多い季節や標高の高い山に行くなら、撥水性と速乾性に優れたトレッキングパンツが安心です。晴れた日のボルダリングや街歩きなら、クライミングパンツで問題ありません。
フィット感も重要です。実際に試着して、膝を曲げたり、足を上げたりして動きやすさを確認しましょう。トレッキングパンツは足にフィットするもの、クライミングパンツはゆとりのあるものが基本ですが、最近は両方のタイプで細身のモデルも増えています。
素材選びも大切です。速乾性を重視するならポリエステルやナイロン、肌触りの良さを重視するならコットン混紡素材がおすすめです。
ポケットの数や位置もチェックポイントです。登山では地図やスマホを取り出しやすいポケットが便利ですし、ファスナー付きなら落とす心配もありません。
私が最初にトレッキングパンツを買った時、サイズが大きめで失敗したことがあります。動きやすいかなと思ったのですが、裾が長すぎて何度も踏んでしまって。ジャストサイズを選ぶのが一番大事だと学びましたね。
よくある質問
Q1:トレッキングパンツでボルダリングはできますか
はい、できます。実際、トレッキングパンツでボルダリングを楽しんでいる人もたくさんいます。ただし、クライミングパンツに比べると開脚の自由度が少し劣るかもしれません。軽めのボルダリングや初心者の方なら問題ありませんが、本格的に取り組むなら専用のクライミングパンツがおすすめです。
Q2:クライミングパンツで登山に行っても大丈夫ですか
短時間の軽いハイキングや整備された登山道なら問題ありません。実際、パタゴニアなどのブランドからは、登山にも使えるクライミングパンツが販売されています。ただし、長時間の本格的な登山や雨の多い時期は、速乾性に優れたトレッキングパンツの方が快適で安全です。コットン素材のクライミングパンツは、濡れると乾きにくく体温が奪われる危険があります。
Q3:普段着として使うならどちらがおすすめですか
普段着として使うなら、クライミングパンツがおすすめです。デザインがシンプルでカジュアルなコーディネートに合わせやすく、最近ではデニムやコーデュロイ素材のおしゃれなモデルも豊富です。ゆったりとした履き心地で長時間着ていても疲れにくいのも魅力です。トレッキングパンツも使えますが、アウトドア感が強いデザインのものが多いので、普段着には向かない場合もあります。
Q4:両方の機能を備えたパンツはありますか
はい、あります。最近は両方の良いところを取り入れたハイブリッドタイプのパンツも登場しています。速乾性の高い素材を使いながら、開脚しやすい設計になっているものや、ストレッチ性と撥水性を両立したモデルなどがあります。ただし、専用品に比べるとそれぞれの機能は若干劣るので、用途に応じて選ぶのが基本です。
「トレッキングパンツ」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ
トレッキングパンツとクライミングパンツの違いをもう一度整理しましょう。
トレッキングパンツは、長時間歩くことを目的とした登山専用パンツです。速乾性、撥水性、通気性に優れ、雨や汗に強いのが特徴。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維が使われ、細身のスッキリしたシルエットが多いです。登山、ハイキング、山歩きに最適です。
一方、クライミングパンツは、岩を登る動きを想定したパンツです。開脚性とストレッチ性に優れ、激しい動きに対応できるのが特徴。コットンやコットン混紡素材が使われ、ゆったりとしたシルエットが一般的です。ボルダリング、ロッククライミング、そして普段着としても活躍します。
どちらを選ぶかは、あなたがどんな活動をしたいかで決まります。本格的な登山なら迷わずトレッキングパンツ、ボルダリングや普段使いならクライミングパンツがおすすめです。
最初は1本だけ買うなら、自分が一番よくする活動に合わせて選ぶのが正解。慣れてきたら、用途に応じて両方揃えるのも良いでしょう。どちらも動きやすくて快適なパンツなので、アウトドアライフがもっと楽しくなりますよ。
私も今では両方持っていて、登山の時はトレッキングパンツ、近所のボルダリングジムや普段着にはクライミングパンツと使い分けています。それぞれの良さを知ってから、アウトドアがもっと楽しくなりました。あなたもぜひ、自分に合った一本を見つけてくださいね。

