同じ「かんしん」という読み方なのに、漢字が違うと意味も全く変わってしまう言葉って、日本語には結構ありますよね。特に「感心」と「関心」は、日常会話でも頻繁に使う言葉だからこそ、間違えて使ってしまうと恥ずかしい思いをすることも。
私も以前、職場の上司に「新しいプロジェクトに関心しました」と言ってしまい、後から「それは感心でしょ?」と指摘されて顔から火が出そうになった経験があります。そんな失敗を繰り返さないためにも、この2つの言葉の違いをしっかり理解しておきましょう。
この記事では、「感心」と「関心」の意味の違いから、実際の使い分け方、そして覚えやすいコツまで、分かりやすく解説していきます。
「感心」とは
昨日練習🏓トイレから戻ってきたら鏡の前で
— 品川庸介(武尊)☆👨👩👦🏓 (@G7CzPnB9cdDl1xo) December 17, 2025
素振りをしていたので思わず📱
感心感心👍🏻💮 pic.twitter.com/OZxQr5t7MI
「感心」は、誰かの行動や能力、作品などを見て「すごい」「立派だ」と心を動かされることを意味します。英語では「admiration」や「impression」に近い表現です。
感心するということは、相手の優れた点や素晴らしい部分に対して、尊敬や称賛の気持ちを抱くということ。つまり、ただ興味があるだけでなく、「見習いたい」「素晴らしい」と感じる気持ちが含まれています。
「感心する」という動詞の形でよく使われ、「感心させられる」「感心した」などと表現します。また、「感心な行い」のように名詞として使うこともあります。
先日、うちの子が自分から進んでお手伝いをしてくれた時、本当に感心しました。特に誰かに言われたわけでもないのに、テーブルの上を片付けてくれて、成長を感じて嬉しくなったものです。
「関心」とは
「なぜか部下に嫌われる人」は、性格より"距離感"を見直してみるといい。
— にしのはら|経営とマーケの伴走者 (@tsunerou109) December 9, 2025
近すぎる→干渉、過度な気遣い、監視
遠すぎる→放置、無関心、丸投げ
怖いのは、距離を見誤ると単なる業務上の指導が、部下には「人格否定」と変換されてしまうこと。
適切な距離を見極めるのも重要なスキルだと思う。
一方、「関心」は、何かに対して興味を持っている状態や、気にかけている気持ちのことを指します。もっと簡単に言うと、「知りたい」「面白そう」「気になる」という感情ですね。
英語では「interest」にあたる言葉で、あるテーマや物事に対して心が向いている状態を表現します。例えば、ニュースを見ていて「この話題、もっと詳しく知りたいな」と思ったときや、新しい趣味に興味を持ったときに使う言葉です。
関心には「高い」「低い」「深い」「薄い」といった程度を表す言葉と一緒に使われることが多く、「関心を持つ」「関心を示す」「関心が高まる」などの形で使われます。
私の場合、子育てを始めてから食育に関心を持つようになりました。それまでは栄養バランスなんてあまり気にしていなかったのですが、子供の成長に関わることだと思うと、自然と興味が湧いてきたんです。
「感心」と「関心」の決定的な違い
この2つの言葉の一番大きな違いは、感情の質にあります。
「感心」は、対象を見た結果として生まれる評価の気持ち。「素晴らしい」「立派だ」という肯定的な評価が必ず含まれています。つまり、何かを見聞きした後の感想として使われる言葉なんですね。
対して「関心」は、対象に向けられる興味や注目の気持ち。つまり、「知りたい」「気になる」という気持ちで、良いか悪いかの評価は含まれていません。環境問題に関心がある、政治に関心を持つ、というように、ただ興味の対象を示すだけです。
例えば、環境問題について考えてみましょう。「環境保護活動に感心した」と言えば、その活動の素晴らしさに心を動かされたという意味。でも「環境問題に関心がある」と言えば、単に環境問題に興味を持っているという意味になります。
もう一つ大事なポイントは、感心は外側の何かによって引き起こされる気持ちですが、関心は自分の内側から湧いてくる気持ちだということです。
間違えやすい使い方に注意
この2つの言葉で特に注意が必要なのが、「関心する」という表現です。実は、これは間違った使い方なんです。
「関心」は基本的に名詞として使われるため、「関心を持つ」「関心がある」という形で使います。「関心する」という動詞の形は存在しないので、気をつけましょう。
一方、「感心」は「感心する」という動詞の形で使うのが一般的です。ただし、「感心な行い」のように形容動詞として使うこともあります。
私も以前は「それには本当に関心しました」なんて言ってしまっていたのですが、正しくは「それには本当に感心しました」または「それには本当に関心を持ちました」と言うべきでした。
また、目上の人に対して「感心しました」と言うのは、場合によっては失礼にあたることもあります。感心するというのは、相手を評価する表現でもあるため、上から目線に聞こえてしまう可能性があるからです。目上の方に対しては「勉強になりました」「素晴らしいと思いました」といった表現を使う方が無難です。
実際の例文で理解を深めよう
それでは、実際の場面でどのように使い分けるのか、例文を見ていきましょう。
「感心」を使った例文:
- 友人の努力に感心した
- 子供の成長ぶりに感心させられる毎日だ
- 彼の仕事の丁寧さには本当に感心する
- 新人社員の積極的な姿勢に感心した
- その発想の豊かさに感心せずにはいられなかった
「関心」を使った例文:
- 最近、健康に関心を持つようになった
- 息子は宇宙に関心があるようで、図鑑ばかり見ている
- このニュースは多くの人の関心を集めている
- 地域の防災に関心を寄せる住民が増えてきた
- 彼女は常に新しいことに関心を示す人だ
例文を見比べてみると、感心は「評価の気持ち」を表していて、関心は「興味の対象」を示していることが分かりますよね。
買い物中に見かけた光景で考えてみましょう。レジで前に並んでいた親子が、子供が自分でお財布からお金を出して支払いをしていました。「子供が自分で支払いをする姿に感心した」と思えば、その行動を素晴らしいと評価している状態、「子供の自立に関心がある」と思えば興味を持っている状態です。
覚えやすい見分け方のコツ
2つの言葉を混同しないための簡単な覚え方を紹介します。
まず、漢字に注目してみましょう。「感心」の「感」は、「感動」「感激」に使われる漢字です。心が何かを「感じている」状態。相手の行動や能力を見て、心が動かされて感じているイメージです。
一方、「関心」の「関」という字は、「関わる」「関連」などに使われる漢字です。つまり、何かと自分の心が「関わっている」「繋がっている」イメージ。興味を持って関わろうとしている状態と考えると分かりやすいですね。
もう一つの覚え方は、置き換えられる言葉で考える方法です。「感心」は「感動」や「称賛」に、「関心」は「興味」に置き換えられることが多いです。
例えば、「彼の努力に感心した」は「彼の努力に感動した」と言い換えられますが、「彼の努力に関心した」とは言えません。逆に「環境問題に関心がある」は「環境問題に興味がある」と言い換えられます。でも「環境問題に感心がある」とは言えませんよね。
私は買い物リストを作るとき、「これすごい(感心)」「これ気になる(関心)」と心の中でつぶやくようにしています。そうすることで、自然と使い分けが身についてきました。
日常生活での使い分け実践例
実際の生活シーンで、どちらを使えばいいか迷ったときの判断方法を見てみましょう。
学校の保護者会で「今年度の教育方針に○○」と言いたいとき。その方針が素晴らしいと思うなら「感心しました」、教育方針に興味があるなら「関心があります」となります。
ママ友との会話で「最近、子供の習い事に○○なの」と言うとき。他の子の習い事の成果を見て驚いたなら「感心しました」、どんな習い事がいいか調べている段階なら「関心を持っています」が適切です。
職場で「新しいプロジェクトに○○」と報告するとき。プロジェクトの内容や成果が素晴らしいと思うなら「感心しました」、そのプロジェクトに参加したい、知りたいという気持ちなら「関心があります」を使います。
友人に「そのアイデアに○○」と伝えるとき。そのアイデアの独創性に驚いたなら「感心した」、そのアイデアについてもっと聞きたい、面白そうだと思うなら「関心を持った」が正解です。
テレビのニュースを見て「このニュースに○○」と家族に話すとき。ニュースで取り上げられた人の行動や活動が立派だと思うなら「感心した」、その話題についてもっと知りたいなら「関心がある」となります。
私の経験では、「自分の気持ちの向き」に注目すると判断しやすいです。すでに見聞きしたことへの称賛の気持ちなら感心、これから知りたい、関わりたいという前向きな気持ちなら関心、という感じですね。
よくある質問
Q1. 「関心する」という表現は正しいですか?
「関心する」という言い方は間違いです。関心は名詞なので、「関心を持つ」「関心がある」「関心を示す」という形で使います。もし「する」という動詞をつけたいなら、「感心する」を使うのが正解です。会話の中でうっかり「関心しました」と言ってしまいがちですが、「感心しました」または「関心を持ちました」と言い直すようにしましょう。
Q2. 目上の人に「感心しました」と言っても大丈夫ですか?
目上の方に対して「感心しました」と言うのは、場合によっては失礼にあたることがあります。感心するというのは、相手を評価する表現でもあるため、上から目線に聞こえる可能性があるからです。目上の方には「勉強になりました」「大変参考になりました」「素晴らしいと思いました」「感銘を受けました」といった表現を使う方が適切です。同僚や後輩に対しては「感心しました」で問題ありません。
Q3. 「無関心」の反対語は「有感心」ですか?
いいえ、違います。「無関心」の反対語は「関心がある」や「高い関心」です。「有感心」という言葉は存在しません。関心と感心は全く別の意味を持つ言葉なので、単純に反対語にはなりません。無関心は興味がない状態を表し、その反対は興味がある状態、つまり関心を持っている状態になります。
Q4. 子供に対して「感心だね」と褒めるのは正しいですか?
はい、正しい使い方です。「感心だね」「感心な子だね」という表現は、子供の立派な行いや態度を褒める時に使えます。ただし、やや古風な表現なので、現代では「えらいね」「すごいね」「立派だね」といった言い方の方が自然かもしれません。でも間違いではないので、使っても問題ありません。
Q5. 「関心事」と「感心事」、どちらが正しいですか?
「関心事」が正しい表現です。関心事とは、興味や関心を持っている事柄のことを指します。「最近の関心事は健康管理です」のように使います。「感心事」という言葉は存在しませんので、注意しましょう。同じように「関心度」という言葉はありますが、「感心度」という表現は一般的ではありません。
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「感心」と「関心」の違い、しっかり理解できましたか?
簡単にまとめると、「感心」は、誰かの行動や能力を見て「すごい」「立派だ」と心を動かされること。称賛や尊敬の気持ちを表現する言葉です。一方「関心」は何かに興味を持っている状態のこと。「知りたい」「気になる」という気持ちを表します。
覚え方のポイントは、感心は「感動」、関心は「興味」に置き換えられると考えることです。また、「関心する」という表現は間違いで、「感心する」「関心を持つ」が正しい使い方だということも忘れないでくださいね。
この2つの言葉を正しく使い分けられるようになると、自分の気持ちをより正確に伝えられるようになります。日常会話でも、メールやSNSでも、ぜひ意識して使ってみてください。最初は少し考えながらになるかもしれませんが、慣れてくれば自然と使い分けられるようになりますよ。

