「パワー」と「ストレングス」って、どちらも「力」という意味で使われますよね。でも実は、スポーツやトレーニングの世界では、この2つには明確な違いがあるんです。
私も以前は「どっちも同じでしょ?」と思っていました。でも、子供たちが運動会で走る姿を見たり、自分自身がジムでトレーニングを始めたりするうちに、この違いがとても大切だと気づいたんです。重いものをゆっくり持ち上げる力と、素早く動く力は、実は全く別物だったんですね。
今回は、この2つの違いをわかりやすくお伝えします。正しく理解すれば、より効果的なトレーニングができるようになりますよ!
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「パワー」とは
パワー(Power)は、日本語で「瞬発力」と呼ばれることが多い概念です。簡単に言えば、「どれだけ速く力を発揮できるか」ということなんです。
科学的には、パワーは「力×速度(スピード)」という式で表されます。つまり、ただ強いだけではなく、その力を素早く出せることが重要なんですね。
パワーが必要な場面
- 短距離走でスタートダッシュをするとき
- バスケットボールでジャンプシュートを打つとき
- 野球でボールを投げるとき
- バレーボールでスパイクを打つとき
私の経験では、子供たちが公園で鉄棒をするとき、勢いよくクルッと回転できるのもパワーがあるからなんだと実感しました。ゆっくりぶら下がれる(これはストレングス)のとは別の能力なんですよね。
パワーの特徴
パワーには「速さ」という要素が含まれているのがポイントです。一定の時間内にどれだけの動きができるか、どれだけ素早く反応できるかが重要になります。
例えば、1分間に何回腕立て伏せができるかを測る場合、これはパワーを測っていることになります。速く動き続ける能力が求められているからです。
「ストレングス」とは
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— Atelier Tatsuro Taira【official】 (@tatsuro_ch) October 14, 2025
ストレングス(Strength)は、日本語で「筋力」や「体力」と訳されます。筋肉が一度に発揮できる最大の力のことを指すんです。
簡単に言うと、「どれだけ重いものを持ち上げられるか」という純粋な力の強さのことですね。
ストレングスが必要な場面
- 重いダンボール箱を持ち上げるとき
- ウエイトリフティングで重いバーベルを持ち上げるとき
- 腕相撲で相手を押し切るとき
- 懸垂で自分の体重を支えるとき
家事をしていても、ストレングスの大切さを感じることがよくあります。例えば、お米の袋を運ぶときや、大きな買い物袋を持つとき。速く動く必要はないけれど、しっかりとした力が必要な場面ですよね。
ストレングスの特徴
ストレングスは「スピード」という要素を含みません。時間をかけてゆっくりでも、どれだけの重さに耐えられるか、どれだけの力を出せるかが重要なんです。
測定単位も、kgやポンドなど「重さ」で表されます。オリンピックのウエイトリフティングなどは、まさにストレングスを競う競技ですね。
「パワー」と「ストレングス」の違いを比較
最大の違いは「速度」の有無
2つの最も重要な違いは、「速度(スピード)」が関係しているかどうかです。
- パワー:力×速度(スピードが重要)
- ストレングス:力のみ(スピードは関係なし)
つまり、ストレングスは「何kgを持ち上げられるか」という純粋な力の大きさを表し、パワーは「その力をどれだけ速く発揮できるか」という動的な能力を表しているんです。
トレーニング方法の違い
この2つは鍛え方も異なります。
ストレングスのトレーニング
- 重い負荷で少ない回数(例:最大重量で1〜5回)
- ゆっくりとした動き
- 筋肉を大きくすることに重点
パワーのトレーニング
- 中程度の負荷で素早い動き
- ジャンプ系のエクササイズ
- スピードと爆発力に重点
実は、私もジムに通い始めた頃、重いウエイトばかり使っていたんです。でも、それだけではパワーは十分に鍛えられないと知って、プライオメトリクス(ジャンプトレーニング)も取り入れるようになりました。
日常生活での違い
ストレングスが役立つ場面
- 重い荷物を持つ
- 階段を上る
- 長時間立ち仕事をする
パワーが役立つ場面
- 急いで走る
- 転びそうなときにバランスを取り戻す
- 子供を素早く抱きかかえる
「パワー」と「ストレングス」の使い分け方
スポーツでの使い分け
スポーツによって、どちらがより重要かが変わってきます。
- ストレングス重視:柔道、相撲、アームレスリングなど
- パワー重視:短距離走、バスケットボール、バレーボールなど
- 両方が必要:サッカー、テニス、野球など
実は、多くのスポーツでは両方の能力がバランスよく必要なんですよね。
英語での使い分け例文
パワーを使う例文
- “He has a powerful punch.”(彼は強力なパンチを持っている)
- “She demonstrated great power in her jump.”(彼女はジャンプで大きなパワーを示した)
ストレングスを使う例文
- “I have enough strength to move the drawer.”(引き出しを動かす力がある)
- “He’s been building his strength at the gym.”(彼はジムで筋力をつけている)
英語では、パワーは影響力や支配力という意味でも使われますが(”The king has so much power”など)、ストレングスは主に身体的・精神的な強さを表すときに使われます。
トレーニング目標に合わせた使い分け
あなたの目標は何ですか?
- マラソンを走りたい→持久力(エンデュランス)とある程度のストレングス
- 短距離走を速くしたい→パワー
- 重いものを持ち上げたい→ストレングス
- 日常生活を楽にしたい→両方をバランスよく
私自身は、子育てで子供を抱っこすることが多いので、ストレングスを重視していますが、公園で一緒に遊ぶときにはパワーも必要だなと感じています。
「パワー」と「ストレングス」の関係性
ここで大切なポイントがあります。実は、ストレングスが増えると、パワーを出す能力も向上するんです。強い筋力があれば、それを素早く使う可能性も広がるからです。
ただし、逆は必ずしも成り立ちません。パワーだけを鍛えても、最大筋力(ストレングス)が大きく向上するわけではないんですね。
だから、効果的なトレーニングプランは、まずストレングスを高めてから、次にパワーを鍛えるという段階的なアプローチが推奨されています。これを「ピリオダイゼーション」と言います。
実際、私もこの順番を意識してトレーニングを組むようになってから、効果を実感できるようになりました。
よくある質問
Q1:パワーとストレングス、どちらを先に鍛えるべき?
基本的には、ストレングス(筋力)を先に鍛えることをおすすめします。しっかりとした筋力の土台があってこそ、パワー(瞬発力)も効果的に発揮できるからです。
特にトレーニング初心者の方は、まず基礎的な筋力をつけることから始めましょう。筋力がある程度ついてから、素早い動きやジャンプ系のトレーニングを加えていくと良いですよ。
Q2:パワーとストレングス、日常生活ではどちらが大切?
実は、どちらも大切です!重い買い物袋を持つにはストレングスが必要ですし、転びそうなときに素早くバランスを取るにはパワーが必要です。
ただし、年齢を重ねると、特にパワー(瞬発力)の低下が転倒リスクを高めることが分かっています。そのため、高齢の方は両方をバランスよく鍛えることが大切なんです。
Q3:パワーがあればストレングスも自然につく?
残念ながら、そうとは限りません。パワートレーニングは主に素早い動きに焦点を当てているため、最大筋力(ストレングス)を大きく向上させるには不十分なことが多いです。
逆に、ストレングスが向上すれば、パワーの潜在能力も高まります。だからこそ、まずストレングスを鍛えてからパワーを鍛えるという順番が効果的なんですね。
Q4:女性でもパワーとストレングスの両方を鍛えるべき?
はい、もちろんです!性別に関係なく、両方の能力は日常生活やスポーツで重要です。
「筋トレをすると筋肉がつきすぎて太く見える」という心配をよく聞きますが、女性は男性ホルモンが少ないため、よほど特別なトレーニングをしない限り、ボディビルダーのように筋肉質になることはありません。むしろ、適度な筋力トレーニングは代謝を上げ、引き締まった体づくりに役立ちますよ。
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「パワー」と「ストレングス」、似ているようで実は大きく違う2つの概念を見てきました。
パワー(Power)
- 力×速度で表される瞬発力
- 素早く力を発揮する能力
- ジャンプ、短距離走、投げる動作などで重要
ストレングス(Strength)
- 筋肉が発揮できる最大の力
- 重いものを持ち上げる純粋な筋力
- ゆっくりした動きでも高い負荷に耐えられる能力
この違いを理解することで、自分の目標に合ったトレーニングができるようになります。重いものを持ち上げたいならストレングス、素早く動きたいならパワーを重点的に鍛えましょう。
そして忘れてはいけないのが、ストレングスはパワーの土台になるということ。まずは基礎的な筋力をしっかりつけてから、素早い動きのトレーニングを加えていくのが効果的です。
日常生活でも、両方の能力があると本当に便利です。重い買い物袋を持ち、階段を素早く上り、子供を抱きかかえる。そんな何気ない動作も、パワーとストレングスの両方が支えているんですね。
健康的な体づくりのために、ぜひこの2つの違いを意識してみてください!

