長野県にある「長野大学」と「長野県立大学」。名前がとても似ているので、どちらも同じ大学だと思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、混同されやすい「長野大学」と「長野県立大学」について、設立の歴史から学部構成、入試難易度まで、分かりやすく違いを解説していきます。進学を考えている方や、単純に違いを知りたい方の参考になれば幸いです。
「長野大学」とは
長野大学は、長野県上田市にある公立大学です。1966年創立、1966年大学設置され、略称は長大(ながだい)と呼ばれています。
実は長野大学の歴史はとても特殊で、当時の所在地であった旧・塩田町が全額出資して設立した「学校法人本州大学」により、1966年(昭和41年)4月、本州大学(ほんしゅうだいがく)として開学したのが始まりです。その後、法人名を「長野学園」、大学名を「長野大学」と改めて現在に至っています。
私の友人が長野大学に通っていたのですが、「本州大学という名前だった時代があるなんて知らなかった」とよく話していました。地元でも意外と知られていない歴史なんですね。
長野大学は現在、以下のような学部構成になっています:
- 社会福祉学部
- 環境ツーリズム学部
- 企業情報学部
- 共創情報科学部
- 地域経営学部
特に社会福祉学部は歴史が長く、地域に根ざした教育で定評があります。
「長野県立大学」とは
一方、長野県立大学は長野市にある公立大学で、2018年大学設置された非常に新しい大学です。大学の略称は県大と呼ばれています。
1950年(昭和25年)創立の長野県短期大学を改組(2017年(平成29年)募集停止)し、2018年(平成30年)4月に4年制化して開学した大学という経緯があります。つまり、短期大学から4年制大学に生まれ変わったということですね。
長野県立大学の大きな特徴は、1年次は全寮制でコミュニケーション力や社会性などを身につけ、2年次は全員参加の海外プログラムで国際性や語学力を高めるとしている点です。これはとても革新的な取り組みだと思います。
学部構成は以下の通りです:
- グローバルマネジメント学部
- 健康発達学部
グローバルマネジメント学部は、大きくは経営学部で、ただし、英語とかに力を入れてグローバルビジネスという特色があります。
長野大学に令和8年に理系学部が新たに設置されます🏫今日は施設のお話に。
— 武田さち (@takedasachi2022) May 15, 2024
そして、お昼は生島足島神社横の『生島の杜』の大根おろし蕎麦✨✨
選ばれる学園都市になるために、市内の学校との連携も強めていきたい。#上田市#長野大学#武さちグルメ pic.twitter.com/UZ5k1s5IJ9
設立時期と歴史の違い
2つの大学の最も大きな違いの1つが、設立時期です。
長野大学は1966年創立で、既に50年以上の歴史を持つ大学です。一方、長野県立大学は2018年大学設置と、まだ設立から数年しか経っていない新しい大学です。
長野大学の歴史を見ると、設立当初は認知度が低く志願者が低迷し苦労した時期もありましたが、現在では内部留保50億円超を有し、無借金経営を実現するに至っており、収支は黒字という安定した経営状態にあります。
私の母親世代の人たちに聞くと、「長野大学は昔、経営が大変だった時期があったのよ」という話をよく聞きます。でも今では立派に地域に根ざした大学として発展しているのを見ると、感慨深いものがありますね。
所在地の違い
2つの大学は、長野県内でも異なる場所にあります。
- 長野大学:長野県上田市下之郷658番地1号
- 長野県立大学:長野市三輪8丁目49の7
長野大学は上田市、長野県立大学は長野市と、それぞれ異なる市にキャンパスを構えています。上田市と長野市は車で約1時間程度の距離があるので、通学を考える際には重要な違いですね。
私が高校時代にオープンキャンパスに参加したときは、この地理的な違いをよく理解していなくて、「どちらも長野県だから近いだろう」と思っていました。実際に行ってみると結構な距離があって驚いたものです。
大学の規模と学部構成の違い
長野大学は複数の学部を持つ総合大学的な色合いが強く、社会福祉学部、環境ツーリズム学部、企業情報学部、共創情報科学部、地域経営学部という5つの学部があります。
一方、長野県立大学はグローバルマネジメント学部と健康発達学部の2学部構成で、より専門性を重視した構成になっています。
長野大学の方が学部数が多く、選択肢が豊富です。特に学費は私立文系大学の全国平均額より40万円ほど廉価という経済的なメリットもあります。
教育方針と特色の違い
2つの大学では、教育に対するアプローチが大きく異なります。
長野県立大学は、1年次は全寮制でコミュニケーション力や社会性などを身につけ、2年次は全員参加の海外プログラムで国際性や語学力を高めるという革新的な教育システムを採用しています。また、ソーシャルビジネスを中心とする起業促進にも力を入れており、そのためのコースやセンターを設けている点も特徴的です。
長野大学は、地域に根ざした実践的な教育に重点を置いており、特に社会福祉分野や環境・観光分野での人材育成に力を入れています。長年の歴史の中で培われた地域とのつながりを活かした教育が特色です。
偏差値と入試難易度の比較
受験を考える上で気になるのが入試の難易度です。長野大学の偏差値を調べてみると、49.5でした。これに対して、長野県立大学の偏差値は、48.6でした。つまり、長野県立大学よりも長野大学の方が偏差値が高いことが分ります。
ただし、偏差値の差は0.9 なので、若干長野大学の方が高い感じ程度の違いです。どちらも同程度の学力があれば合格できるレベルと言えるでしょう。
私の周りでも「どちらも公立だから人気があって競争は激しいよ」という話をよく聞きます。特に長野県立大学は新しい大学なので、まだ完全に難易度が安定していない部分もあるかもしれません。
就職・進路の違い
長野大学は50年以上の歴史があるため、卒業生のネットワークが広く、地域企業との関係も深いです。特に社会福祉分野では多くの専門職を輩出しており、県内の福祉施設や行政機関で活躍する卒業生が多数います。
長野県立大学は新設校なので、まだ卒業生の実績は少ないものの、グローバル教育と起業支援に力を入れているため、将来的には国際的な舞台で活躍する人材や、新しいビジネスを創出する人材の輩出が期待されています。
受験生が混同しやすいポイント
実際に受験を考える際に、多くの人が混同しやすいポイントがいくつかあります。
まず、長野県立大学の英語表記はThe university of Naganoであり、長野大学の英語表記はNagano universityである。両大学の混同を避けるために、長野県立大学の英語表記にはTheを冠しているという点です。このように、大学側でも混同を避ける工夫をしています。
また、どちらも公立大学ですが、設立の経緯が異なります。長野県立大学は文字通り長野県が設立した県立大学ですが、長野大学は私立大学として始まり、後に公立大学法人化されました。
私が高校の進路指導で相談したときも、先生から「名前が似ているけど全く違う大学だから、しっかり区別して調べなさい」と言われたのを覚えています。
長野県立大学にて撮影の一日📹
— 加耒徹 (Kaku Toru) (@torukaku) March 22, 2023
学生向けの素敵な作品が出来上がりますように。 pic.twitter.com/nHCuRZfoES
在学生・卒業生の体験談から見える違い
長野大学に通っていた友人からは、「少人数制で先生との距離が近く、アットホームな雰囲気で学べた」という話をよく聞きます。また、「地域の課題に直接関わる機会が多く、実践的な学びができた」という声も多いです。
長野県立大学は新設校なので、まだ多くの卒業生はいませんが、在学生からは「全寮制で他の学生との絆が深まった」「海外プログラムで視野が広がった」といった声が聞かれます。
よくある質問
Q1. 長野大学と長野県立大学はどちらも公立大学ですか?
はい、どちらも公立大学です。ただし、設立の経緯が異なります。長野県立大学は最初から県立大学として設立されましたが、長野大学は私立大学として始まり、後に公立大学法人化されました。現在はどちらも公立大学として運営されています。
Q2. どちらの大学の方が入りやすいですか?
偏差値で見ると長野大学が49.5、長野県立大学が48.6となっており、大きな差はありません。どちらも同程度の学力があれば合格可能なレベルです。ただし、学部や学科によって難易度は変わるので、自分が希望する分野で比較することが重要です。
Q3. 将来の就職を考えるとどちらがよいですか?
これは希望する職種や分野によって大きく異なります。社会福祉や地域振興に関わりたいなら長野大学、国際的なビジネスや起業に興味があるなら長野県立大学が適しているかもしれません。長野大学は歴史が長く卒業生のネットワークが広い一方、長野県立大学は新しい教育システムで話題性があります。
Q4. 学費に違いはありますか?
どちらも公立大学なので、基本的な学費に大きな違いはありません。ただし、長野県立大学は1年次の全寮制や海外プログラムなど、特別なプログラムに関連する費用が追加でかかる可能性があります。詳細は各大学の募集要項で確認することをおすすめします。
「受験勉強」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ
「長野大学」と「長野県立大学」は名前こそ似ていますが、実際には全く異なる特色を持つ2つの大学です。
長野大学は1966年設立の歴史ある大学で、上田市にキャンパスがあり、5つの学部を持つ総合大学的な性格があります。地域に根ざした実践的な教育と、社会福祉分野での強い実績が特徴です。
長野県立大学は2018年設立の新しい大学で、長野市にキャンパスがあり、グローバル教育と起業支援に力を入れた革新的な教育システムが特徴です。1年次全寮制と全員参加の海外プログラムが大きな魅力です。
どちらも魅力的な大学ですが、自分の将来の目標や学びたい分野、教育環境の好みに合わせて選択することが重要です。名前の類似に惑わされることなく、それぞれの大学の特色をしっかりと理解した上で、自分に最適な選択をしてくださいね。