居酒屋でおつまみメニューを見ていると、「するめ」「あたりめ」「さきいか」という似たような名前が並んでいませんか?私も最初は「全部同じイカのおつまみでしょ?」と思っていたんです。でも、実はこの3つ、それぞれ違いがあるんですよ。
実は先日、お酒好きの友人と飲んでいたとき、「あたりめとするめって何が違うの?」と聞かれて、答えられなかったんです。調べてみると、名前の由来も製法も、それぞれ面白いストーリーがありました。
今回は、知っているようで知らない「するめ」「あたりめ」「さきいか」の違いについて、わかりやすく解説していきますね。
「するめ」とは
するめは、イカの内臓を取り除いて乾燥させた食品のことです。漢字では「寿留女」と書くこともあり、昔から縁起物として親しまれてきました。
作り方はシンプルで、イカの下処理をしたあと、形を整えて干すだけ。太陽の光や風でじっくり乾燥させることで、イカの旨味がぎゅっと凝縮されるんです。
使われるイカの種類は、スルメイカが一般的ですが、実は高級品になるとヤリイカやケンサキイカが使われることもあります。コウイカやアオリイカを使ったものもあって、それぞれ味わいが違うのも面白いところです。
するめは日持ちがよく、長く保存できることから「幸せが長く続く」という意味で、結納の品としても使われてきました。平安時代の書物にも登場するほど、歴史のある食べ物なんですよ。
噛めば噛むほど味が出てくることから、「するめのような人」という表現もあります。これは、付き合いが長くなるほど魅力が分かってくる人を褒める言葉として使われています。
私の実家では、お正月になると祖母がするめを炙ってくれたものです。香ばしい香りが家中に広がって、それだけでお正月気分が盛り上がったのを覚えています。
「あたりめ」とは
あたりめは、実はするめと全く同じものです。イカの内臓を取り除いて乾燥させた食品で、作り方も味も変わりません。
では、なぜ2つの呼び方があるのでしょうか。それは縁起担ぎが理由なんです。
「するめ」の「する」という音が、お金を「擦る(使い果たす)」や財布を「掏る(盗む)」といった言葉を連想させるため、縁起が悪いと考えられました。特に博打をする人たちの間では、「する」は負けることを意味する言葉として嫌われていたそうです。
そこで江戸時代中期に、縁起の良い「当たり」という言葉に置き換えて「あたりめ」という呼び方が生まれました。お祝いの席にふさわしい、ポジティブな名前というわけです。
スーパーやコンビニで見かける商品名も、「あたりめ」と書かれているものが多いですよね。これは縁起の良い呼び方が好まれているからかもしれません。
ただし、「するめのような人」という表現はあっても、「あたりめのような人」とは言いません。日本語の慣用表現としては、やはり「するめ」が使われるんです。
私が子供の頃、母が「お店であたりめを買ってきて」と言うので、するめとは別の商品だと思い込んでいました。大人になって同じものだと知ったときは、ちょっと驚きましたね。
「さきいか」とは
さきいかは、するめやあたりめとは違う製法で作られる食品です。漢字では「裂き烏賊」と書きます。
作り方は、味付けしたイカを炙って引き延ばし、それを裂いたもの。この引き延ばす工程がポイントで、ローラーなどで押しつぶして伸ばすことで、イカの繊維が細かくなり、柔らかい食感になるんです。
さきいかには大きく分けて2つの種類があります。するめを使った「するめさきいか」と、生のイカを使った「ソフトさきいか」です。
するめさきいかは、するめを炙って引き延ばして裂いたもの。昭和30年代に生まれた比較的新しい食べ物で、あたりめよりも食べやすく加工されています。
一方、ソフトさきいかは生のイカや冷凍のイカを加工したもので、するめさきいかよりもさらに柔らかいのが特徴です。
また、イカの皮を残したまま加工した「皮付きさきいか」という種類もあります。皮がついているので味がよく出て、柔らかさもあり、いいとこ取りの商品なんですよ。
さきいかの大きな特徴は、味付けがしっかりしていること。するめやあたりめはイカ本来の味を楽しむのに対して、さきいかは炙る前や後に味付けするので、そのまま食べても十分おいしいんです。
私はお酒を飲まないのですが、さきいかは子供のおやつとしても人気があります。柔らかくて食べやすいので、小さな子でも安心して食べられるのがいいですよね。
するめ、あたりめ、さきいかの違いを整理
ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
するめとあたりめは、実は全く同じもの。イカの内臓を取り除いて乾燥させた食品で、呼び方が違うだけです。するめの「する」が縁起悪いとされたため、縁起の良い「当たり」に言い換えて「あたりめ」という呼び方が生まれました。
一方、さきいかは製法が違います。味付けしたイカを炙って引き延ばし、裂いたもの。引き延ばす工程があるため、するめやあたりめよりも柔らかい食感になっています。
食感で選ぶなら、歯ごたえを楽しみたいときはするめ(あたりめ)、柔らかくて食べやすいものがいいときはさきいかがおすすめです。
味の違いでいうと、するめやあたりめはイカ本来の旨味を味わえるのに対して、さきいかは味付けされているので、濃い目の味を楽しめます。
お祝いの席や縁起を気にする場面では「あたりめ」と呼ぶのがいいかもしれませんね。普段使いなら「するめ」でも「あたりめ」でも、どちらでも大丈夫です。
するめの栄養価と食べ方の注意点
するめ(あたりめ)は、イカの栄養素がぎゅっと凝縮されているため、実は栄養豊富な食品なんです。
タンパク質が豊富で、ミネラルやビタミンもたっぷり含まれています。コレステロールを抑える効果や、美肌効果も期待できると言われているんですよ。
よく噛んで食べることで満腹感も得られるので、ダイエット中のおやつとしても人気があります。私の友人も、夜中にお腹が空いたときはするめを食べると言っていました。
ただし、注意したいのが塩分です。するめには塩分が多く含まれているので、食べ過ぎには気をつけましょう。特に血圧が気になる方は、量を控えめにするのがおすすめです。
お酒のおつまみとして楽しむのもいいですが、食べる量はほどほどに。健康のためにも、バランスを考えて食べることが大切ですね。
あたりめ🦑Yay!😋 pic.twitter.com/q4sIwoaxfO
— 飲んべえ (@55iCA8UxJkfhhEc) November 30, 2025
するめを使った料理アレンジ
するめは、そのまま食べるだけでなく、料理の材料としても活用できるんです。
炊き込みご飯の具材として、食べやすい大きさにカットしたするめを加えると、風味がよくなっておいしいですよ。イカの旨味がご飯に染み込んで、いつもと違う味わいが楽しめます。
水で戻してから八宝菜の具材に使うのもおすすめ。するめを戻した水は、そのまま料理の出汁として使えるので、捨てずに活用しましょう。旨味がたっぷり出ているので、料理の味が格段に良くなります。
私が最近試してみたのは、するめを細かく刻んでお好み焼きに入れる方法。イカの旨味が生地全体に広がって、とてもおいしかったです。
炙ったするめをマヨネーズにつけて食べるのも定番ですが、七味唐辛子やわさびマヨネーズで食べるのも美味しいですよ。お好みの調味料で、いろいろな味を楽しんでみてください。
よくある質問
Q1: するめとあたりめは味が違いますか?
いいえ、するめとあたりめは全く同じものなので、味に違いはありません。呼び方が違うだけで、原料も製法も同じです。お店によって表記が違うことがありますが、どちらを選んでも同じ商品が出てきます。
ただし、商品によって使っているイカの種類や乾燥のさせ方が違うので、メーカーごとに味の違いはあります。スルメイカを使ったものとヤリイカを使ったものでは、風味が異なりますよ。
Q2: さきいかはするめより栄養が少ないですか?
さきいかも栄養豊富な食品ですが、するめ(あたりめ)と比べると、加工の段階で味付けされている分、添加物や糖分が含まれている場合があります。
栄養面で選ぶなら、無添加のするめやあたりめのほうが純粋なイカの栄養を摂取できます。ただし、さきいかも適量を食べる分には問題ありません。商品のパッケージを見て、原材料や栄養成分を確認してから選ぶのがおすすめです。
Q3: 子供にはどれを食べさせるのがいいですか?
小さな子供には、柔らかくて食べやすいソフトさきいかがおすすめです。するめやあたりめは硬いので、小さな子供には噛み切りにくいことがあります。
ただし、さきいかは味付けされているものが多いので、塩分の摂りすぎには注意が必要です。食べる量を調整してあげましょう。
また、しっかり噛むことで顎の発達にも良いとされているので、ある程度の年齢になったら、するめやあたりめにも挑戦させてあげるといいかもしれませんね。
Q4: するめとあたりめ、どちらの呼び方が正しいですか?
どちらの呼び方も正しいです。もともとの名前は「するめ」で、縁起を担いで「あたりめ」という呼び方が生まれました。
お祝いの席や縁起を気にする場面では「あたりめ」と呼ぶのが好まれますが、普段の会話では「するめ」でも全く問題ありません。地域やお店によっても呼び方が異なることがありますが、どちらを使っても通じます。
「あたりめ」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ
「するめ」と「あたりめ」は、実は全く同じ食品です。イカの内臓を取り除いて乾燥させたもので、縁起担ぎから2つの呼び方が生まれました。
一方、「さきいか」は製法が異なる別の食品。味付けして炙ったイカを引き延ばして裂いたもので、柔らかい食感が特徴です。
選び方のポイントは、歯ごたえを楽しみたいならするめ(あたりめ)、柔らかくて食べやすいものがいいならさきいかを選ぶといいでしょう。
どれもイカの旨味が詰まったおいしいおつまみです。それぞれの特徴を知って、場面や好みに合わせて楽しんでみてくださいね。

