バレンタインデーが近づくと、お店でたくさん目にする「チョコレート」と「ショコラ」という言葉。同じような甘いお菓子なのに、なぜ呼び方が2つあるのか疑問に思ったことはありませんか?私も子供たちとお菓子売り場に行くたびに「ママ、これチョコレートなのにショコラって書いてあるよ?」と聞かれて、うまく説明できずにいました。実はこの2つ、言語が違うだけで基本的には同じものを指しているんです。でも、日本では使い分けに独特のルールがあって、それを知るとお菓子選びがもっと楽しくなりますよ。この記事では、チョコレートとショコラの違いや使い分け方について、わかりやすく解説していきます。
「チョコレート」とは
チョコレートは、英語の「chocolate」に由来する呼び方です。日本では1797年に長崎に伝わってきたのが最初で、当時は「しょくらあと」と呼ばれていたそうです。その後、大正時代に国内での大量生産が始まり、私たちの生活に広く普及していきました。
チョコレートは、カカオ豆を発酵・焙煎して作ったカカオマスに、砂糖やココアバター、粉乳などを混ぜて固めたものです。カカオの含有量によって味わいが変わり、72パーセントや99パーセントといった数字で表されることもあります。
日本でチョコレートという呼び方が主流になったのは、第二次世界大戦後にアメリカのチョコレート菓子が入ってきたことが大きな理由です。森永などの日本の大手菓子メーカーも「チョコレート」という名前を使ったことで、私たちに馴染み深い呼び方として定着しました。
スーパーやコンビニで手軽に買える板チョコ、チョコチップ、お菓子作りの材料として使うチョコレートなど、身近で日常的なイメージがあるのが特徴です。子供のおやつやカジュアルなシーンで食べるお菓子には、チョコレートという名前がよく使われています。
「ショコラ」とは
ショコラは、フランス語の「chocolat」から来ている言葉です。意味はチョコレートとまったく同じで、フランス語でチョコレートのことをショコラと呼ぶんですね。
日本でショコラという言葉が広まったのは、2002年にフランス発のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が日本にやってきたあたりからです。同じ頃、ピエール・マルコリーニやジャン=ポール・エヴァンといった有名なショコラティエ(チョコレート職人)のお店が日本に進出し、高級で芸術的なチョコレート菓子が注目を集めるようになりました。
ガトーショコラやフォンダンショコラといったお菓子の名前でよく聞きますよね。これらはフランス語由来のお菓子なので、チョコレートではなくショコラという言葉が使われています。ちなみに「ガトー」はケーキ、「フォンダン」は溶けるという意味なので、ガトーショコラを英語に直すとチョコレートケーキになります。
ショコラという言葉には、高級感やおしゃれなイメージがありますよね。私も特別な日に自分へのご褒美として買うときは、なんとなくショコラという名前のついたものを選んでしまいます。専門店で売られているような、職人がこだわって作った一口サイズのボンボンショコラなどは、まさにショコラの代表格です。
チョコレートとショコラの違いと使い分け方
チョコレートとショコラは基本的に同じものを指しますが、日本では使い分けに独特のルールがあります。大きく分けて3つのポイントがあるので、順番に見ていきましょう。
言語の違いから生まれるイメージ
まず一番の違いは、チョコレートが英語、ショコラがフランス語ということです。この言語の違いが、それぞれの言葉に持たれるイメージに影響を与えています。
チョコレートは親しみやすく、身近なお菓子というイメージがあります。昔からあるロングセラー商品、子供向けのお菓子、スポーツ時に食べるもの、健康志向のものには、チョコレートという名前が使われることが多いです。
一方、ショコラはフランス文化の影響を受けた高級感やおしゃれなイメージがあります。女性向けの商品や、特別な日に楽しむ嗜好品として売られているものには、ショコラという呼び方が選ばれる傾向があります。
お菓子の名前での使い分け
フランス語由来のお菓子には、必ずショコラという言葉が使われます。ガトーショコラやフォンダンショコラは、その代表例ですね。「ガトー」も「フォンダン」もフランス語なので、セットでショコラと呼ぶのが自然なんです。
でも面白いことに、必ずしもフランス由来でなくても、おしゃれな印象を出したいときに「チョコレートケーキ」を「ショコラケーキ」と呼ぶお店もあります。私の近所のケーキ屋さんでも、同じようなケーキなのに片方はチョコレートケーキ、もう片方はショコラケーキと名前がついていて、なんとなくショコラのほうが高級そうに見えるから不思議です。
加工の段階による違い
もう一つの使い分け方として、加工の段階という視点があります。
板チョコやチョコチップなど、お菓子を作るための材料として売られているものは「チョコレート」と呼ばれます。工業製品として大量生産されるものも、チョコレートという名前がつくことが多いです。
それに対して、材料としてのチョコレートにさらに工夫や加工を重ねて、一つのお菓子として完成させたものは「ショコラ」と呼ばれる傾向があります。パティシエが丁寧に作った一口サイズの生チョコや、トリュフのような手の込んだチョコレート菓子は、ショコラと呼ぶほうがしっくりきますよね。
我が家でバレンタインに手作りする場合、材料として買うのは「チョコレート」ですが、完成したお菓子を友達に渡すときには「手作りショコラだよ」と言ったほうが、なんだか特別感が出る気がします。
実際の使い分け例
具体的な例を挙げると、こんな感じです。
・スーパーで買う板チョコ → チョコレート ・専門店で買う一口サイズの生チョコ → ショコラ(ボンボンショコラ) ・お菓子作りの材料 → チョコレート ・職人が作った高級品 → ショコラ ・子供のおやつ → チョコレート ・バレンタインのギフト → ショコラ
このように、同じカカオを原料にしたお菓子でも、シチュエーションやお店の戦略によって呼び方が使い分けられているんです。
今年のクリスマスケーキはケンズカフェ東京のショコラノエル🎂
— ふゆ (@Fuyuchan024) December 24, 2025
めっちゃ美味しかった🤤 pic.twitter.com/vYLalgWIMZ
実際に使ってみよう!例文で理解する
言葉の違いがわかったところで、実際の会話での使い方を例文で見てみましょう。
チョコレートを使った例文
「今日のおやつ、チョコレート食べていい?」 「スーパーでチョコレートを買ってきて」 「このチョコレートはカカオ70パーセントで健康にいいらしいよ」 「チョコチップクッキーを作るから、板チョコレートを用意して」
ショコラを使った例文
「バレンタインにショコラを贈ろうと思ってるの」 「あのお店のガトーショコラ、本当においしいよね」 「デパートのショコラ展に行ってきた」 「このショコラは職人さんが一つずつ手作りしているんだって」
このように、日常的なシーンではチョコレート、特別な場面や高級感を出したいときにはショコラという使い分けをすると、自然な日本語になります。
よくある質問
Q1. チョコレートとショコラは味が違うの?
基本的に味に違いはありません。どちらもカカオ豆を原料として作られる同じお菓子です。ただし、日本でショコラと呼ばれるものは、専門店で売られている高品質なものや職人が手作りしたものが多く、カカオの品質や製法にこだわっているため、結果として味わい深いものが多い傾向にあります。でもこれは呼び方の違いというよりも、商品そのものの品質の違いと言えるでしょう。
Q2. お店で買うときはどっちの言葉を使えばいいの?
お店によって使い分けるのがおすすめです。スーパーやコンビニでは「チョコレート」、専門店やデパートでは「ショコラ」と呼ぶのが一般的です。でも、店員さんはどちらの言葉を使っても理解してくれるので、あまり気にしすぎなくても大丈夫ですよ。私は普段の買い物では「チョコレートください」、デパ地下では「このショコラを3つください」と自然に使い分けています。
Q3. ガトーショコラはなぜチョコレートケーキと呼ばないの?
ガトーショコラはフランス発祥のお菓子で、名前の「ガトー」も「ショコラ」もフランス語です。だから、英語のチョコレートケーキとは呼ばずに、フランス語のままガトーショコラと呼ぶんです。フォンダンショコラも同じ理由で、フランス語の名前がそのまま使われています。海外のお菓子は、現地の言葉をそのまま使うことが多いですよね。
Q4. ショコラティエってどういう意味?
ショコラティエは、フランス語で「チョコレート職人」を意味する言葉です。ヨーロッパでチョコレートを使ってデザートやお菓子を作る専門の職人さんのことを指します。カカオの品質やブレンド、製造工程にこだわって、一つ一つ丁寧にショコラを作り上げる技術を持った人たちです。日本にも有名なショコラティエのお店がたくさんあって、バレンタインシーズンには特に人気が高まります。
「チョコレート」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ
チョコレートとショコラは、言語の違いはあるものの、基本的に同じものを指す言葉です。チョコレートは英語で身近なお菓子のイメージ、ショコラはフランス語で高級感のあるイメージという違いがあります。
日本での使い分けのポイントは3つ。①言語とイメージの違い、②お菓子の名前(フランス語由来はショコラ)、③加工の段階(材料はチョコレート、完成品はショコラ)です。
私自身、この違いを知ってから、お店でお菓子を選ぶときの見方が変わりました。子供のおやつにはチョコレート、自分へのご褒美にはショコラと、シーンに合わせて選べるようになったのは嬉しい変化です。
どちらの呼び方も正しいので、TPOに合わせて使い分けてみてくださいね。これからバレンタインやホワイトデー、自分へのご褒美にチョコレートやショコラを選ぶときの参考になれば嬉しいです。

